総務部所管審査
予算特別委員会において災害対策について質問をさせていただきました。
道議太田憲之
私から、通告順に従いまして、災害対策についてお伺いをいたします。 このたびの大雨等の災害に関し、先週、総額で1065億円に及ぶ補正予算が可決され、これまでの応急対応、応急復旧の対策から、被災地域の本格的な復旧、復興、被災者への生活再建に向けた取り組みに移るとともに、対策が今後加速していくものと考えているところでございます。
同時に、本道がまたいつ何どき大災害に見舞われるかもわからず、今回の災害を教訓として、新たな防災体制を早急に築き上げていくことが求められているとも考えるところでございます。 以下、災害対策に関して、数点伺ってまいります。
初めに、台風による一連の大雨等の災害に関しまして、被災者の生活再建支援等について伺ってまいります。
一連の大雨災害では、住宅の床上浸水や床下浸水を初め、一部損壊、半壊、全壊と、住宅の被害も数多く発生いたしました。 特に、台風10号による災害では、それまでの台風7号、11号、9号とは被害の規模が異なり、洪水などにより全壊してしまった住宅も少なくないと伺っているところでございます。
この一連の災害に係る住宅の被害状況について、まずお聞かせ願います。
危機対策課長辻井宏文
このたびの災害に係る住宅の被害についてでありますが、8月下旬からの連続した台風並びに低気圧の上陸、接近による記録的な豪雨に伴う河川の氾濫や堤防の決壊、さらには暴風による高波などにより、全道各地で数多くの住宅が浸水や倒壊の被害に遭ったところでございます。
現在も、被災市町村では、住宅の被害状況調査を行っているところでありますが、昨日時点における住家の被害は、河川の氾濫などによる床上浸水が305件、床下浸水が727件、流失や高波による倒壊などにより全壊となったのが17件、半壊となったのが52件でございます。
道議太田憲之
それでは次に、大雨などの災害により、生活の基盤となる住宅が全壊するなどの甚大な被害を受けた方々を支援する被災者生活再建支援制度があると伺っておりますが、この制度はどのような制度であるか、お聞かせ願います。
辻井危機対策課長
被災者生活再建支援制度についてでありますが、この制度は、自然災害により、居住する住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた方々ができるだけ早期に生活の再建が可能となるよう、都道府県が拠出した基金を活用して、公益財団法人都道府県会館から、一定の基準に基づき、被災された世帯を対象に支援金を支給する制度でございます。 制度の対象となりますのは、災害救助法に規定されている一定の基準に該当する被害が発生した市町村と、これを含む、同一の都道府県内で2世帯以上の住宅全壊の被害が発生した市町村などでございまして、被害の程度に応じて、1世帯当たり最大で100万円の基礎支援金のほか、住宅の建設、補修など再建方法に応じて、1世帯当たり最大で200万円の加算支援金が支給されるものでございます。
道議太田憲之
ただいま御説明をいただきましたが、重要なことは、今回の住宅被害に対して、この制度が適用されるかどうかであると思います。制度の適用の見込みと道の対応についてお伺いいたします。
総務部危機管理監佐藤嘉大
被災者生活再建支援法の適用の見込みなどについてでありますが、このたびの一連の災害における住宅被害の状況に関して、被災市町村において鋭意調査を進めているところでありますが、現時点の報告によりますと、南富良野町や新得町、清水町などが被災者生活再建支援法の適用基準を満たすこととなる見込みとなっております。
これら市町村において住宅被害が確定した場合、公益財団法人都道府県会館から、住宅が全壊した世帯、大規模半壊した世帯につきましては、その申請により、住宅の被害程度に応じた基礎支援金、及び、住宅の再建方法に応じた加算支援金が支給されることとなります。
道におきましては、被災市町村の調査を踏まえ、被災者が早期に支援金の支給を受けられるよう、被災者生活再建支援法の適用について、早急に手続を進めてまいります。
道議太田憲之
それでは次に、道業務の継続性の確保について順次伺ってまいります。 本分科会において、保健福祉部長からは、道内の福祉施設に対し、業務継続計画、いわゆるBCPの策定状況について全道調査をする旨の御答弁がありました。
代替の庁舎機能の確保や優先業務の整理などを行うBCPに関して、我が会派では、これまでも、その策定を促すとともに、内容の充実を求めてきており、直近の第2回定例会におきましても、熊本地震を踏まえ、道内の市町村のBCPの策定状況について伺ったところでございます。 このたびの大雨災害では、道道や河川を管理する出先機関が先頭に立って、災害現場の対応に当たりましたが、仮に、その出先機関の庁舎が被災した場合、対応に大きな影響が出ることは間違いないと思うところでございます。
振興局の合同庁舎に入居している出先機関はBCPを策定しているという説明を受けておりますが、それ以外の出先機関におけるBCPの策定状況についてお伺いをいたします
辻井危機対策課長
出先機関の業務継続計画の策定状況についてでございますが、地域の防災拠点となります振興局については、災害時にみずからが被災することへの備えとして、業務継続計画を策定しておりまして、振興局の合同庁舎に入居している道の機関についても、振興局の業務継続計画と一体的に策定されているところでございます。
合同庁舎に入居していないその他の出先機関につきましては、釧路建設管理部など一部を除き、策定されていない状況にございます。
道議太田憲之
振興局の合同庁舎に入居していない出先機関については、我が会派に対し、関係各部と連携して検討するとの御答弁が以前ありました。
このたびの大災害を経験したことからも、BCPの策定が必要な出先機関の洗い出しと策定作業をスピード感を持って進めるべきと考えますが、道としての見解をお聞かせ願います。
佐藤総務部危機管理監
業務継続計画に係る今後の対応についてでありますが、本年4月の熊本地震はもとより、このたびの大雨災害における浸水想定区域外の施設の浸水被害などを踏まえますと、みずからが被災することへの備えは、基本的に、全ての機関において整えておくべきものと考えているところであります。
道といたしましては、出先機関が担う業務と非常時優先業務との関連や、計画の必要性等について、関係する各部と検討し、原則として、全ての機関を対象に、年度内を目途に、速やかな策定に取り組んでまいる考えでございます。 以上でございます。
道議太田憲之
それでは次に、災害対応の検証について順次伺ってまいります。 今定例会における我が会派からの質問に対し、知事は、防災対策基本条例に基づき、災害検証委員会を防災会議に設置し、このたびの災害対応について、年内をめどに検証を行うということを表明されました。
災害発生からまだ間もなく、対応に当たった関係者の記憶が新しいうちに検証作業を行うことは意味のあることと考えるところでございますが、こうした災害対応の検証を行う趣旨について、まずお伺いをいたします。
危機対策局長志田篤俊
災害対応に係る検証についてでありますが、道では、平成26年に北海道防災対策基本条例を改正し、道内で大規模な災害が発生した場合などには、市町村や防災関係機関の協力を得て、初動対応など防災対策等についての検証を行い、その検証結果を公表するとともに、防災対策に反映させることとしたところでございます。 災害対応を検証することによりまして、各機関が連携して講じてきた予防対策や応急対策などが十分に機能したか、把握するとともに、課題等を明らかにすることにより、今後の本道の防災力強化につなげていくことがその狙いでございます。
道議太田憲之
スケジュールに関してお伺いしますが、年内に検証を終えるということは、日程的にかなりタイトになるかと思われますが、今後予定している検証作業のスケジュールについてお聞かせ願います。
辻井危機対策課長
検証作業についてでございますが、災害対応の検証は、いつ起こるかわからない今後の災害に備える必要がありまして、かつ、関係者の記憶が新しいうちに進めることが重要と考えており、先週の9月30日に、このたびの災害対応に関する検証について、知事から北海道防災会議に対して諮問を行ったところでございます。
今後、防災会議の構成員の承諾を得まして、10月中旬には災害検証委員会を設置し、検証作業をスタートさせたいと考えているところでありまして、本年12月を目途に検証結果を取りまとめたいと考えております。
道議太田憲之
ただいまの御答弁にもありましたように、災害検証委員会を設置するということでございますが、この検証委員会を構成する委員の数やメンバーの構成等についてお聞かせ願います。
辻井危機対策課長
災害検証委員会の委員などについてでございますが、このたび設置する委員会は、防災対策基本条例の改正後、初の適用事例となるものでございまして、検証作業を効率的に進めていくためには、災害対応の検証を道条例に盛り込む際の専門委員として作業に携わった方々を委員とすることが適当と考えているところでございます。
具体的には、大学の研究者を初め、国の機関である開発局や気象台、さらには市長会、町村会、避難者支援などにかかわりました北海道社会福祉協議会など、10名程度を構成メンバーとしたいと考えております。 また、こうした委員に加えまして、オブザーバーとして、自衛隊や道警察、海上保安本部、札幌市などの関係機関の方々にも参画いただきまして、幅広い分野から、さまざまな視点で検証作業を進めていきたいと考えております。
道議太田憲之
一口に災害対応の検証と言いましても、激甚災害にまで指定されたほどの大災害でありますので、それに対する具体的な実施方法が大切ではないかと考えるところでございます。
災害検証委員会の要領では、検証の対象とする期間や項目がどのようになっているのか、お聞かせ願います。
辻井危機対策課長
検証の対象についてでございますが、道防災会議では、平成26年の防災対策基本条例の改正を受け、昨年6月に、他県における災害対応の検証の実例などを参考に、災害検証実施要領を策定したところでございます。 この実施要領では、検証の対象とする期間については、平常時、災害発生時、応急対策時、復旧時などの防災対策とし、また、検証内容につきましては、情報収集・通信、避難行動、避難所運営・支援、物資及び資機材の備蓄、災害対策本部の体制、救助救出・災害派遣要請、ライフライン、交通、孤立地区、ボランティア、被災市町村の行政機能などとなっているところでございます。
道議太田憲之
今回の災害対応の検証は、道民に対して、このたびの災害に関する情報を正しく伝え、実際に次の災害への備えにつながっていく、生きたものでなければならないと私は感じているところでございます。
しかしながら、こうした検証作業については、一般的に検証項目が多く、さまざまな識者の考えを採用することにより、内容がどこか総花的となり、結果、でき上がる報告書も大味で、住民の目に余り触れず、活用も限られるといった傾向に陥ることが少なくないと感じるところでございます。
そのため、この委員会では生きた検証となりますよう、今回の災害の特徴を踏まえて、公開で行うとともに、報告に当たっては、ポイントを絞って、道民にわかりやすい内容とすることも必要ではないかと考えますが、道としての見解をお聞かせ願います。
志田危機対策局長
検証方法についてでありますが、検証の実施に当たっては、このたびの災害で課題に挙げられている、避難勧告等の発令や住民避難の状況、振興局の体制のあり方のほか、市町村に対する応援、受援の体制などを重点項目とし、初動対応から応急対策までの期間を対象として検証を実施する考えであります。
また、災害検証委員会は、議論の過程や委員の考え方などを明らかにし、広く道民の方々にも発信することができるよう、公開で行うことといたしまして、加えて、会議の概要を道のホームページで公表するなど、きめ細やかな情報提供に努めてまいります。
自然災害が多発する中、発生した災害から学べるものは全て学び、今後の災害対応に生かしていくことが大変重要でありますことから、精力的に検証作業を進め、検証結果が制度面や運用面の改正につながるよう努めてまいる考えでございます。
道議太田憲之
本道では、台風の影響は9月の上旬をもってようやく一段落している感がありますが、まだまだ台風シーズンでありまして、検証を進めている間に、いつ大災害が起きるかもわかりませんし、また、冬期になると、豪雪や猛吹雪などの雪害が心配されるところでございまして、災害に対する備えはひとときも怠ることができない状況にございます。
道の今後の災害対策については、どのような考えに立って対応していくのか、お聞かせ願います。
佐藤総務部危機管理監
災害対策についてでありますが、このたびの災害は、観測史上で例のない、四つの台風が次々と上陸、接近して、全道各地で記録的な豪雨となり、本道においては、近年、他に類を見ない大災害となったところでございます。
道では、国内で起きた大規模災害での教訓を踏まえ、その都度、防災・減災対策の充実強化を図ってきたところであり、本年度からは、防災関係機関が参集して初動対応を行う危機管理センターを本庁舎に設置するとともに、被災市町村へ即時に支援職員を派遣することとし、今回の災害において、これらの対応が効果的に活用されたというふうに考えているところであります。
しかしながら、防災対策には、これで万全という終わりがあるものではなく、このたびの災害における避難勧告等の発令時期など、一連の災害対応や事前の予防対策などにつきまして、防災関係機関の協力もいただきながら、年内を目途に検証し、さらなる災害対策の充実強化に努めてまいる考えでございます。
道議太田憲之
それでは続いて、消防防災ヘリについて順次伺ってまいりたいと思います。
道の消防防災ヘリコプターの運航体制については、全国的なパイロット不足の影響から、それまで行われていた24時間運航が困難となり、平成26年度からは、他機関の協力を得て24時間体制を維持しているところでございます。 運航体制については、昨年の第4回定例会の予算特別委員会におきまして、協力連携している機関との共同運航が最も適切な体制との御答弁をいただき、また、本定例会の一般質問における、今後の取り組みに関する質疑では、知事より、24時間運航を安定的に確保していくため、道警との共同運航について協議を行っているとの御答弁をいただきましたが、これに関連し、以下、何点か伺ってまいります。
まず初めに、道単独での消防防災ヘリの24時間体制での運航が困難なことから、関係機関との共同運航について、これまで、どのような検討を行い、共同運航の相手方として道警と協議を進めることになったのか、その点についてお伺いをいたします。
防災航空室長齊藤文俊
道の消防防災ヘリの共同運航に係る検討についてでありますが、道の消防防災ヘリの運航に当たって、全国的なパイロット不足により、現在の委託運航では24時間運航体制の維持が困難なことから、他県における共同運航の例も参考としながら、早急な24時間運航体制の確保、道の主体的な運航の確保、安定的な操縦士や整備士の確保等の観点から、道警察、札幌市との共同運航について検討を進めてきたところであります。
道警察においては、これまでも、道からの要請で、夜間の救急搬送を実施していることなどから、道では、早期に安定的な消防防災ヘリの24時間運航体制ができる共同運航の相手方として、道警察と協議を進めているところでございます。
道議太田憲之
次に、共同運航の相手先として、北海道警察と協力した場合に、道の消防防災ヘリの運航体制にどのようなメリットがあるのか、お聞かせ願います。
志田危機対策局長
道警と共同運航した場合のメリットについてでありますが、道警察では、高度山岳救助や夜間の急患搬送の実績もあり、操縦士が豊富な経験を有しているほか、計画的な操縦士の確保が比較的可能であると考えられることなどから、道の消防防災ヘリの24時間運航の実現が可能となると考えているところでございます。
道議太田憲之
現在、北海道警察と共同運航に関して協議を行っているとのことでありますが、今後、道としてどのように進めていく考えなのか、お聞かせ願います。
志田危機対策局長
今後の道警との協議についてでありますが、共同運航を行うに当たっては、道警において、消防防災ヘリを操縦する操縦士等を新たに確保し、養成することが必要でありまして、加えて、指揮命令のあり方や経費の負担など、双方で協議を進めていかなければならず、安定した24時間運航を維持していくためには、こうした事項について慎重に確認していくことが重要となります。 こうした協議について、年度内に方向性を見出し、できるだけ早期に、道民の安全、安心に欠かすことのできない消防防災ヘリの24時間運航体制の確保に努めてまいりたいと思います
道議太田憲之
今まで、災害対策についてるるお伺いをしてきました。 先ほども述べましたように、今回、大型の補正予算が組まれましたが、防災体制を、スピード感を持って早急に築き上げていくことが今求められているところでございますので、この件に関しては、改めて知事に御答弁いただきたく思います。委員長に、そのように取り計らいのほどをよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。