平成28年第1回予算特別委員会

予算特別委員会第3分科会 において、農業経営の法人化の推進と企業の農業参入と農業の6次産業化の推進について伺いました。  

道議太田憲之

初めに、農業生産法人の状況についてであります。

 本道の農業は、家族経営を中心に、専業的で大規模な経営が行われておりますが、担い手の減少や高齢化が進行する中、現在、販売農家戸数は4万戸を割っているという状況にあります。
 また、これまで、離農農家の跡地を周囲の担い手が引き受け、規模を拡大してきたという流れも限界に来ているのではと感じるところであります。
 こうした中で、今後、農外からの新規参入者のほか、多様な担い手の確保が重要になってくると考えますが、その切り口としまして、農業経営の法人化や企業の農業参入に関して伺ってまいります。
 まず、本道における農業生産法人数の動向について、新設や解散もあわせて、近年の状況をお聞かせ願います。

農業経営局長鳥海貴之

 農業生産法人の動向についてでございますが、農業経営の法人化は、対外的な信用力の向上や、すぐれた人材の確保、経営の多角化等に資するものであることから、道では、農業生産法人を重要な担い手として位置づけ、法人化の推進を図ってまいりました結果、道内の農業生産法人は年々増加し、平成27年1月現在で3045法人と、全国で最多となっているところでございます。  また、経営形態別では、畜産が全体の44%を占め、次いで、米麦作が23%、蔬菜が14%となっております。
 なお、新設や解散の状況を直近の3カ年で見ますと、年間で120法人から150法人が設立されました一方、主に1戸1法人の離農や協業法人への移行などによりまして、年間で40法人から50法人程度が解散しているところでございます。

道議太田憲之

 それでは次に、農業生産法人の農業関連事業の取り組みについてお伺いいたします。
 農業生産法人の中には、農業の生産のみならず、経営の多角化を目指して、農畜産物の加工、販売など、農業関連事業に取り組む法人もふえてきていると伺っておりますが、こうした農業関連事業に取り組んでいる農業生産法人の状況についてお聞かせ願います。

農業経営課長水戸部裕

 農業関連事業の取り組みについてでありますが、農業経営の安定や所得確保を図るため、農業生産以外の関連事業に取り組む法人数は着実に増加しておりまして、平成27年1月現在で607法人と、農業生産法人全体の約2割となっております。
 その取り組み内容といたしましては、同一の法人が複数の事業に取り組む場合が多く、農畜産物の加工、製造に取り組む法人が381法人、次いで、農畜産物の貯蔵、運搬、販売が360法人、農作業の受託が159法人となっております。

道議太田憲之

 それでは次に、法人化の目標についてお伺いをいたします。  国では、持続可能で力強い農業構造を実現するために、平成25年に閣議決定をされました日本再興戦略におきまして、今後10年間で、法人経営体数を現状の4倍の5万法人とすることを打ち出し、都道府県や農業法人協会などの関連団体と連携し、法人化をより推進することとしております。
 道として、こういった動きを受け、どの程度の数値目標を設定しているのか、お聞かせ願います。

水戸部農業経営課長

 法人化の目標についてでありますが、昨年6月に改定されました国の日本再興戦略では、都道府県レベルにおきましても法人化の目標を設定することとされたことから、道では、本年度中に策定いたします北海道農業経営基盤強化基本方針におきまして、平成37年度における農業法人数の目標を5200経営体としているところでございます。

道議太田憲之

それでは次に、目標達成に向けた考え方についてお伺いいたします。  

 法人化は、対外的な信用力、すぐれた人材の確保、また、経営規模の拡大や多角化といった事業展開が容易になることなど、多くのメリットがあるのは理解しておりますが、地域や経営の状況によっては、その目的や求められる法人の形態もさまざまであると考えます。
 道としては、目標達成に向けて、どのような形の法人化を推進しようとしているのか、お聞かせ願います。

鳥海農業経営局長

 目標の達成に向けた考え方についてでございますが、本道では、地域の営農条件に即して、稲作や畑作、酪農、畜産など、多様な農業が展開されており、その規模や目指す方向も多彩であるものと承知をしております。  このため、道といたしましては、農業経営の法人化の推進に当たり、家族経営の体質強化に向けた法人化を初め、地域における農地や農作業の引き受け、雇用の場の確保、新規就農者の育成などの役割も果たす協業型の複数戸法人の設立、さらには、農外の企業と連携した6次産業化への取り組みなど、関係者が目指す経営の状況や地域の実情等に応じた法人化の推進を図っていく考えでございます。  

道議太田憲之

 それでは次に、目標達成に向けた具体的な取り組みについてお伺いいたします。
 これまでの法人化の趨勢から見まして、平成37年度で5200経営体というのは非常に意欲的な目標数値であると思いますが、それだけに、法人化の推進に向けて、これまで以上の取り組みを進めていく必要があると考えます。
 今後、道として、目標達成に向けて、どのような具体的な取り組みを推進しようとしているのか、お聞かせ願います。

鳥海農業経営局長

 目標の達成に向けた取り組みについてでございますが、道では、法人の育成のための研修会を全道各地で開催しますとともに、地域の農地や雇用の受け皿となる複数戸法人の設立や、集落営農の組織化を支援しているところでございます。
 今後は、さらに、昨年12月に、農業団体や税理士等の専門家、金融機関などで設立しました連絡会議を活用し、関係者間の連携を図りながら、法人の設立に関する相談対応の強化や、個別経営や地域の実情に応じた専門家の派遣、6次産業化を目指して食関連企業などと連携する法人への支援などを行い、法人化の推進に一層取り組んでまいる考えでございます。  

道議太田憲之

 ただいま、具体策についても御答弁いただきましたが、何分、目標年度が平成37年度ということで、期間も長く、目標も大変大きいと感じるところであります。また、推進計画のほうでも、5カ年の目標を設定していると思いますので、大きな目標に向かって着実に推進していただきますよう、よろしくお願いを申し上げる次第であります。
 それでは次に、企業の農業参入を促す農地法の改正についてお伺いいたします。
 これまで、企業の農業参入を図るために、農業生産法人の要件の緩和など、農地法の改正がなされてきたところでありますが、その内容はどのようになっているのか、改正の状況についてお聞かせ願います。

農地調整課長寺前章臣

 農地法の改正状況についてでございますが、平成21年の農地法の改正では、農業生産法人の要件が緩和されまして、農業関係者以外の者の出資について、4分の1以下まで可能となるとともに、農商工連携事業者等では2分の1未満まで可能となったほか、リース方式による参入の規制が緩和されまして、一般法人でも、地域との調和が図られるなど、一定の要件を満たした場合、参入できることとなったところでございます。
 また、昨年9月の改正では、農業生産法人に関しまして、農商工連携事業者等以外の者であっても、2分の1未満まで出資が可能となったほか、役員の要件につきまして、役員の過半が農作業に従事することから、役員または重要な使用人の1人以上が従事することとするなどの要件緩和がなされまして、この4月から施行されることとなったところでございます。 

道議太田憲之

 法改正の状況についてはわかりました。
 それでは次に、参入企業の状況についてお伺いいたします。
 これまでの農地法の改正を受け、道内における企業の参入状況はどのようになっているでしょうか。
 また、一方で、参入はしたものの、撤退してしまった企業もあると思いますが、その状況はどのようになっているのか、お聞かせ願います。

寺前農地調整課長

 企業の参入状況についてでございますが、道内で、民間企業が、リース方式や、農業生産法人の設立、出資等により農業に参入した件数は、平成23年から27年までの5年間で176件となってございます。
 また、この間、撤退や休止などに至った件数は44件となっているところでございます。

道議太田憲之

 それでは、この項目の最後に、企業との連携などに向けた取り組みについてお伺いいたします。
 今回の農地法改正により、農業に対する民間企業の関心が高まりますとともに、地域においても、企業が持つ活力をうまく農業経営に取り入れようとする動きが出てくるものと思われます。
 また、知事の道政執行方針においても、道は、家族経営を基本としながらも、企業との連携などによる新たな担い手の育成確保を進めていくことを表明しているところであります。
 こうしたことを踏まえながら、地域農業の振興、そして、北海道の発展を図る観点から、今後、企業を初めとした多様な担い手の育成確保に向けて、道としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。

農政部長土屋俊亮

 多様な担い手の育成確保についてでございますが、北海道の農業、農村が今後とも持続的に発展していくためには、地域を支える主体である家族経営の後継者確保や経営安定を図りつつ、法人経営や、6次産業化を展開する経営体など、多様な担い手の育成確保に取り組んでいくことが重要と考えております。
 道といたしましては、今後とも、こうした方向を基本にして、農業大学校における実践的な研修教育や、農業改良普及センターによる技術・経営指導はもとより、このたびの農地法における要件の緩和も踏まえまして、民間企業が有するノウハウあるいは資金、人材等が地域農業の活性化に効果的に活用されるよう、企業からの相談に対応する窓口を設置いたしまして、企業との連携を希望する地域とのマッチングを進めるなど、本道農業を支える担い手の育成確保に一層努めてまいる考えでございます。

道議太田憲之

 農家戸数の減少が依然として続いている中、ただいま御答弁いただいたとおり、家族経営を基本に、法人経営や、6次産業化を推進する経営体など、多様な担い手によって本道農業・農村を支えていこうとすることに異論はなく、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 しかしながら、民間企業の農業参入に関しましては、生産現場の立場からの意見としては、営利を追求するという企業の性格から、業績が悪化すると、すぐに撤退するのではないか、また、栽培方法の押しつけや、資金力に物を言わせて、優良農地が買い占められるのではないかなどの強い懸念があることも事実でございます。
 先ほど、撤退や休止などに至った法人が44件あるという御答弁がありましたが、その後の活用についてどうなったか、心配したところでございますが、中間管理機構や近隣の農家さんの協力により、次の活用にきちんとつなげられていると聞き、少し安心しました。こういった懸念を払拭していくことも課題の一つであると考えるところであります。
 さらに、兵庫県養父市の国家戦略特区が、日々、マスコミに取り上げられていることなども、生産者の不安を大きくしているのではないかと感じているところでございます。  道においても、そうした生産者の不安や懸念は十分承知しているものと考えますが、取り組みの推進に当たっては、企業と地域や生産者の相互理解、連携した取り組みの機運の醸成など、生産者の懸念に丁寧に応えつつ、地域農業・農村の活性化に資する企業との連携となるよう、適切な配慮をお願いし、この質問を終わらせていただきます。  

それでは次に、農業の6次産業化の推進についてお聞きしていきたいと思います。  

 本道は、日本の食料供給基地として、大きな役割を果たしてきたところでありますが、近年、道内の少子・高齢化、人口減少の進展は、全国的に見ると速く進んでいると推計されているところであり、将来を展望するとき、強い懸念を持たざるを得ない状況にあります。
 こうした中、道におきましても、国の施策に沿って、地域経済の活性化につなげるために、農業の6次産業化を進めているところであります。
 6次産業化は、単に、1次産品の生産、出荷にとどまらず、付加価値を高めて、高く売ることによる所得の向上や、雇用の場づくりなど、地域経済の発展に寄与する重要な取り組みであると承知しているところでございます。
 こうした動きは、私の地元である千歳市においても多く見られており、農商工連携を進める食品産業や農家レストラン、体験農園など、都市近郊型の特性を生かした、他の産業との結びつきを強めた取り組みを進めているところでございます。
 そうした中で、農家がみずから取り組む新商品開発などについて、新たな販路の拡大が難しい、本業の農業生産との両立が大変だ、6次産業化の取り組みに必要な施設等の整備の資金が不足しているといった声も聞いているところでございます。
 6次産業化により、所得を向上させ、地域を活性化させるという考え方は、付加価値向上のメリットを生かした取り組みではありますが、取り組む事業者には、さまざまな面での支援が必要と考えているところであります。
 そこで、以下、何点かにわたりお伺いをしていきたいと思います。 

まず初めに、6次産業化の取り組み状況についてお伺いいたします。

 道内における6次産業化の取り組み状況について、取り組んでいる事業体数、販売金額はどのようになっているのか、また、支援策である6次産業化ファンドや補助金の活用状況についてどのようになっているのか、お聞かせ願います。

6次産業化担当課長河野秀平

 6次産業化の取り組み状況についてでございますが、国の総合調査によりますと、道内において6次産業化に取り組んでいる事業体数と販売金額は、平成23年度が3090件で1173億円、24年度が3320件で1229億円、25年度が3510件で1400億円となっております。
 毎年度、事業体数、販売金額とも増加する中、平成24年度と25年度を比較しますと、事業体数では5.7%の増、販売金額では13.9%の増となっております。
 道内における6次産業化ファンドの活用状況につきましては、株式会社農林漁業成長産業化支援機構による平成27年度のファンド認定は、後志地区のワイナリー事業など4件でございまして、出資額は合計で3億7900万円となっております。
 また、6次産業化ネットワーク活動事業の実施状況につきましては、ハード事業では、加工機械施設の整備が1件、ソフト事業では、商談会への参加や新商品開発づくりなど5件で、補助金額は合計で2337万円となっているところでございます。  以上でございます。

道議太田憲之

 それでは次に、6次産業化の課題と対応についてお伺いいたします。  

6次産業化に取り組んでいる事業者からは、さまざまな課題を抱えているやに伺っておりますが、どのような課題があるのか、道として把握しているものがあれば、お聞かせ願います。
 また、それらの課題にどのように対応しようとしているかもあわせてお聞かせ願います。

河野6次産業化担当課長

 6次産業化の課題についてでございますが、平成25年に道が行った、6次化事業者へのアンケート調査によれば、農業生産と6次産業化を両立させるための労働力の不足、新商品の販路確保の難しさ、設備投資への資金不足など、多岐にわたる課題が明らかになっておりまして、こうした課題に対応するため、それぞれの案件に応じた適切な事業となるよう、6次産業化を円滑に推進するために、道の委託により設置されている6次産業化サポートセンターにおきまして、個別対応が行われているところでございます。
 具体的な対応事例を挙げますと、畜産農家が、みずから生産した和牛と、地域の野菜を提供するレストランを出店するのに当たりまして、ファンドを活用することで、資金が確保でき、事業展開を安定的に進めた事例や、野菜農家が、トマト、大豆、タマネギなどを使用し、スープやジュースなどの商品開発に当たり、商談会に参加することで、スーパーマーケットなどへの販売拡大や、インターネット販売などでの売り上げ増につながった事例などが見られるところでございます。
 このように、関係機関等との協働によるきめ細かなサポートや、プランナーによる、専門性を生かした適切なアドバイスがなされていることで、出口戦略を持った事業計画がつくられ、その後の円滑な事業の実施に役立っているところでございます。  以上でございます。

道議太田憲之

 それでは最後に、6次産業化の今後の取り組みについてお伺いいたします。  

 地域の活性化を図る6次産業化のさらなる推進に向けては、付加価値の一層の向上を図るため、食品の加工技術や販路確保など、2次事業者、3次事業者の知識や情報を活用していくことが重要と考えますが、道として、6次産業化をどのように推進していこうと考えているのか、お聞かせ願います。

食の安全推進局長小野悟

 6次産業化の取り組みについてでございますが、この取り組みは、農業所得の向上や雇用の確保など、地域経済の活性化を図るものであり、農林漁業者が2次事業者や3次事業者と一体となって、農林水産物の付加価値を高められるよう、商品化までの課題を着実に解決していくことが重要であります。
 このため、道では、振興局単位での検討会や、実需者との商談の場を兼ねた展示交流会の開催など、多様な事業者との協働を促進するネットワークづくりを推進してきたところでありまして、昨年7月には、全道的な組織として、6次産業化・地産地消推進協議会を設置し、農業団体と商工業団体、金融機関など、関係者間の情報と知識の共有、蓄積を図ることとしております。
 また、新年度からは、新たなビジネスの本格展開に向けて、新商品開発や販路確保などを支援する6次産業化トライアル事業や、専門的な加工技能、販売力を持った人材を育成するインターンシップ研修を実施するなど、実践的な取り組みを進めながら、6次産業化ファンドや補助金の活用を促進し、6次産業化の一層の推進に取り組んでまいる考えであります。

道議太田憲之

 いろいろ御答弁いただきましたが、本道農業は、安全、安心な食料の供給や食料自給率の向上、食に対する消費者の意識の高まりなどへの対応ということから、その重要性はこれからもますます高まっていくことが予想できるところでございます。
 道では、農業、農村を北海道経済の牽引役として確立させるため、新たな農業・農村振興推進計画を策定し、その中でも、農業の6次産業化の推進を重要な取り組みの一つとして位置づけ、推進していくこととしておりますが、6次産業化に取り組む事業者のさまざまな課題に対するきめ細やかな対応、必要な予算の確保、施策の充実に取り組んでいただき、6次産業化が加速されることを期待しながら、今回の質問を終わらせていただきたいと思います。