アスベスト対策について

平成30年第10回環境生活委員会においてアスベスト対策について質問させていただきました

○太田憲之道議

 これまでのアスベスト関連の事故については、平成28年度に相次いだ学校給食施設等の煙突用断熱材の落下、そして、昨年度の道立図書館でのアスベスト含有建材の剥離など、公共建築物のものであったと記憶しているところであります。
 しかしながら、ことし6月29日に民間の建築物である札幌駅の商業施設におきまして、排気筒からアスベストが飛散する事故が発生したところであることから、その点を踏まえ、数点にわたって、お伺いしてまいりたいと思います。
 まずは、6月29日に発生いたしました事故の概要についてお聞かせ願います。

◎遠藤環境保全担当課長

 アスベスト飛散事故の概要についてでございますが、関係機関からの情報によりますと、6月29日の15時ころ、施設の非常用発電機の定期点検後の試運転に際し、発電機のスイッチを入れたところ、爆発音を伴って異常燃焼が生じ、黒煙が上がったため、直ちに発電機を停止しましたが、屋上排気筒から、すすとともに綿状のものが当該施設の屋上や2階デッキに飛散したものでございます。
 施設管理者におきましては、当該排気筒が昭和53年の設置のため、使用されている断熱材にアスベスト含有の可能性がありますことから、付近の大気環境のアスベスト濃度を調査したところ、アスベストの飛散があったことが判明し、その事実を公表したものでございます。

○太田憲之道議

 平成26年6月に石綿障害予防規則が改正されたことにより、保温材、断熱材等のいわゆるレベル2建材までが規制対象となり、また、大気汚染防止法において、アスベスト除去等に関する特定粉じん排出等作業実施の届け出義務者が工事発注者に改正されたこともあり、建築物所有者等の責任の範囲が拡大し、その責任が直接的に問われることになったものであると承知しているところであります。
 そこで、今回の事故の発生に当たって、事業者側がどのような対応をとられたのかをお聞かせ願います。

○遠藤環境保全担当課長

 施設管理者の対応についてでございますが、施設管理者は事故発生後、飛散防止のため、速やかに屋上の排気口を塞ぐとともに、関係行政機関に事故の状況を報告し、また、当該機関の指導に従い、屋上及び2階デッキを閉鎖し、さらには、飛散物の除去を行ったところでございます。
 このほか、市民の皆様の健康不安への対応として、事故当時に付近を通行した方々への専用の相談窓口を設置しているところでございます。

○太田憲之道議

 事業者側の対応はわかりましたが、それでは、この事故に関しまして、行政側はどのように対応しているのでしょうか。
 北海道と札幌市について、それぞれどのような対応をしたのかをお聞かせ願います。

○遠藤環境保全担当課長

 行政の対応についてでございますが、今回の事故は、建築物の維持管理作業の際にアスベストが飛散したものであり、作業を行う労働者に暴露の可能性が想定されることから、労働者の健康被害の防止を目的に定められた石綿障害予防規則を所管する札幌中央労働基準監督署が主体となって施設管理者を指導するとともに、市民の生活環境保全の確保の立場から、大気汚染防止法を所管する札幌市が施設管理者に対し、相談窓口の設置などについて助言したものと承知しております。
 道におきましては、今後、同様の事案が発生した場合の適切な対応や再発防止策の周知などのため、関係行政機関や関係団体からの詳細な情報収集に努めているところでございます。

○太田憲之道議

 さきに述べましたように、これまでは公共建築物における対応と対策が主に議論されてきたところでありますが、全道に存在するアスベストを使用した建築物のほとんどが民間所有の建築物であることは、明白であるのではないかと考えます。
 これまで、私たちが措置を講じてきた公共建築物は、全建築物における割合としては、ほんの一部にすぎないことも理解しているところであります。
 全ての建築物について、たとえ現時点で点検や対策を実施した上で安全が確認できていたとしても、施工から時間が経過することによって劣化したり、今回のような突発的な事故によるアスベストの飛散事案が、今後、増してくることは十分に予見できることであると考えます。
 アスベスト対策としましては、建材が劣化し、飛散が確認されてから除去すればよいものではなく、アスベストを含有する建材の使用が確認できた段階から、根本的な除去計画はもちろんのこと、それまでの間で緊急的な対応をとらなければならなくなる可能性を想定した作業手順等を策定しておく必要があると考えているところであります。
 また、場合によっては、緊急対応訓練を積み重ねておく必要さえあるのではないかと考えているところであります。
 今回の事故は、それを私たちに教えてくれる契機となったのではないかとも思うところであります。
 これまでは、国や道、市町村や業界団体等が相互に除去対策等に係る情報や意見の交換を行い、連携をとってきたことは承知しているところでありますが、特に民間建築物所有者等にまでは、思うようにその意図が伝わっていないことが考えられます。
 そのような中、膨大な数に上る民間建築物等の全てを北海道単独で管理することは困難であるとも考えるところであります。
 私としては、札幌市との連携はもちろんのことではありますが、政令市にとどまらず、全市町村に対し、区域内の民間建築物に順次、対応していくことを求めることが必要ではないかと考えます。
 そして、それを実現させるためには、適宜適切な国への支援要請も欠かすことができないと思うところであります。
 民間建築物に対する対応や、国や市町村との連携について、道としてどのような考えなのか、御意見を伺います。

○相田環境局長

 国や市町村との連携についてでございますが、国では、吹きつけアスベストにつきましては、平成17年の新聞報道を端緒にアスベストによる健康被害が社会問題化して以降、民間建築物の建材への含有調査や除去等に対して補助を行うなど、アスベストの飛散防止に係る措置を講じてきたところであり、吹きつけ以外の断熱材などにつきましても、建材の使用状況や健全性について、建築物の所有者等が定期的に確認するよう、平成26年に石綿障害予防規則による規制を強化したところでございます。
 しかしながら、道内におきましては、アスベスト除去工事に係る不適切な事案や、煙突の劣化した断熱材によるアスベスト飛散事故がたびたび散見されてございまして、民間建築物の所有者などのアスベスト含有建材の健全性確保への理解が進んでいないものと考えられますことから、道といたしましては、国、道、市長会、町村会、民間団体で構成する北海道アスベスト問題連携会議や、「アスベスト対策に係る国・道・政令市打合せ会議」におきまして、これらの事案について情報の共有を図りますとともに、制度の詳細につきまして、改めて周知してまいります。
 また、今後は、こうした取り組みに加えまして、あらゆる機会を捉えて民間建築物の所有者などに対しまして、アスベスト対策の必要性について周知していただけるよう、しっかりと市町村との連携を深めてまいります。

○太田憲之道議

 法改正により、建築物の所有者等の責任が重くなり、より主体的にアスベストに関するリスク管理を行い、適切な措置を講じていかなければならなくなったにもかかわらず、アスベスト対策に対する認識はまだまだ十分なものではないと考えているところでありますが、北海道として、今後、どのようにして、建築物の所有者等に適切なアスベスト対策を認識させていく考えなのかをお聞かせ願います。

○渡辺環境生活部長

 道としての今後の取り組みについてでございますが、アスベストの飛散による暴露が生じた場合には、健康に影響を及ぼすおそれがあるため、建築物の所有者等が、日ごろから、アスベストを含有する建材等の状況を確実に把握し、飛散防止措置を講じることが大変重要でございます。
 道におきましては、道民の皆様に、さまざまな手段を用いまして、アスベスト対策についての周知を行ってきたところでございますが、特にこのたびの事案につきましては、北海道アスベスト情報ポータルサイトにおいて、道内の建築物所有者等に向けて情報発信し、アスベストの飛散防止措置の徹底について周知を図りますとともに、北海道アスベスト問題連携会議の場や、市町村及び民間建築物の管理者を対象とした北海道アスベストセミナーなどのあらゆる機会を通じまして、アスベストの危険性や事故発生時の適切な対応について積極的に周知、啓発を行いますほか、民間建築物につきましても、計画的な除去を促すなど、アスベスト対策の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

○太田憲之道議

 ただいま、るる、御答弁をお聞かせいただきましたが、私としては、6月末の事故からまだ1カ月余りしかたっていないのに、事の重大さが既に忘れ去られているのではないかと懸念しているところでございます。

 まさしく、目に見えないアスベストの恐怖とは、身近に確実に存在し、何らかの拍子にこの粉じんを吸い込んだとしても、直ちに私たちの人体に影響することがないことであり、自身に症状が出るなど、被害を体感しないと自分とは関係のない、人ごととして済まされてしまっているのではないかと感じるところであります。
 道内で使用されているアスベストを含有した建材を即時除去していくことは、事実上困難と言っても過言ではないと思います。
 そのような建材が製造、使用されていた時期から推測すると、少なく見積もって50年程度は徹底した管理が必要になってくるものと考えます。
 さらには、含有した建材が使われた最後の1棟の除去が済むまで、管理を継続していかなければならないという課題があることも認識しておかなければなりません。
 道は、国や市町村との連携にとどまることなく、建築物所有者等に対して理解を求め、実態の把握と維持管理の徹底、中長期的な除去計画の策定を喚起する必要があると考えます。
 アスベスト対策については、公共建築物への対応が確実に進む中、いよいよ民間の建築物への対応に進む段階に移ってきているのではないかと感じるところであります。
 その充実こそが、北海道の果たすことができる役割であり、道民の安心で安全な生活に対して資することのできる責務ではないかと考えますので、道を初めとする北海道アスベスト問題連携会議の関係各位とともに、この問題に対して、長期的に取り組んでいただくことを心から念願するところでございます。
 この問題については、今後の委員会等でも取り上げてまいりたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いを申し上げまして、私からの質問を終わります。