北海道米の生産について

 予算特別委員会第2分科会において北海道米の生産について 質問させていただきました。

太田憲之委員

 まず初めに、北海道米の生産についてですが、食生活の多様化などを背景に、国民の米離れがとまらず、米の1人当たりの年間消費量は、ピークの昭和37年の118キログラムから、一昨年に は54キログラムへと半分以下に減少し、現在もその傾向は続いているところであります。 年間に10万トンのペースで全国の米の消費量が減少する中で、国は、平成30年産から、行政による生産数量目標の配分を廃止し、産地や生産者が中心となって、需要に応じた生産、販売を行うという、米政策の転換を図っているところでありますが、2年目を迎えたことしの状況などについて、以下、何点かお伺いをしていきたいと思います。 北海道農業再生協議会の水田部会が決定した本年産の生産の目安を踏まえて、道内各地で水稲の作付が行われているところでありますが、主食用米のほか、加工用米や飼料用米など、本年産の水稲の作付動向とその傾向について、まずお聞かせ願います。

○小檜山水田担当課長

 本年産の水稲の作付動向についてでありますが、国は、各産地における 作付動向の把握を行っており、中間的な取りまとめは、3月と5月の2回、最終的な作付面積に ついては、9月下旬を目途に公表しているところでございます。5月28日に公表されました第2回の取りまとめによりますと、本道の主食用米については、平成30年産の9万8900ヘクタールに比べて減少する見込みとなっている一方、主食用米以外の米に関しては、30年産で4547ヘクタールの作付があった加工用米や、1841ヘクタールの飼料用米は増 加の見込みとなっているところであります。 以上です。

太田憲之委員

 今後も、家庭内における米離れが続くと見込まれる中で、加工用米や飼料用米 などの実需のニーズを的確に把握し、その需要に応じた生産が必要ではないかと考えるところであります。 とりわけ、最近では加工用米のニーズが高いと伺っているところでありますが、加工用米の実 需者のニーズの傾向と、それを踏まえた対応についてお聞かせ願います。

水戸部生産振興局長

 加工用米の生産についてでございますが、国民のライフスタイルの多様化によりまして、食を簡便化する志向が強まっており、家庭でお米を炊く機会が減る一方で、チ ャーハンやピラフなどの冷凍食品の需要が高まっており、メーカーからは、こうした用途に使わ れます加工用米の生産を拡大してほしいといったことが言われてございます。 こうした中、道といたしましては、生産者に対して、加工用米の作付意欲の醸成を図るため、 主食用米並みの所得確保に向けた産地交付金の効果的な活用を初め、農業団体などと連携しながら、加工用米をもっと欲しいというメーカーの要望とか、加工用米を生産するメリットなどにつ いての情報提供、さらには、業務用の適性を備えた多収性品種の開発など、加工用米に取り組む 生産者の所得確保などに取り組みながら、今後とも、加工用米の生産拡大に努めていく考えでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 それでは次に、酒米について、何点か伺います。 北海道でも、日本酒の生産に適した酒米が品種開発され、作付面積が増加傾向にあり、道内の酒造メーカーによる使用割合もふえていると伺っているところでございます。 現在、酒米の品種ごとの生産実績と、道内の酒造メーカーにおける道産酒米の利用率はどのようになっているのか、お聞かせ願います。

小檜山水田担当課長

 酒米の生産状況などについてでありますが、本道では、平成12年に「吟風」、平成18年に「彗星」、そして平成26年に「きたしずく」の3品種が酒造好適米としてデビ ューし、生産が行われているところであります。 酒米の平成29年産の作付面積は390ヘクタールと、24年産の208ヘクタールから、この5年間で2倍近くにまで拡大しており、品種別には、「吟風」が全体の7割を占める271ヘクタール、 「彗星」が2割を占める78ヘクタール、「きたしずく」が1割で41ヘクタールとなっております。 また、道内の12の酒蔵が使用している酒米に占める道産の割合は、酒造好適米の「吟風」がデ ビューする以前の平成11酒造年度 ―11年7月から12年6月までの9.3%から、年々向上しており、29酒造年度では60%を超える状況となっております。 以上です。

太田憲之委員

 道内の酒造メーカーに使用してもらうためには、品質向上に向けた農家の生産 技術の向上が欠かせないと思いますが、道として、この点に関してどのように対応しているのか、お聞かせを願います。

水戸部生産振興局長

 酒米の生産技術の向上についてでございますが、日本酒の香りや味といった評価は、酒米の品質が大きく影響いたしますことから、道内の酒蔵からは、酒づくりに適した低たんぱくで安定した品質の酒米の供給が強く求められているところでございます。 このため、道といたしましては、酒蔵から求められる酒米の品質の確保に向けて、酒蔵と生産者が一堂に会し、情報交換や生産技術の向上を図るための酒米生産技術研修会を開催するとともに、本年3月には、北海道酒造好適米栽培マニュアルを作成して、このマニュアルに基づき、農業改良普及センターによる技術指導などを行っており、今後とも、こうした取り組みを関係者と 一体となって進めながら、酒米の品質向上に積極的に取り組んでまいる考えでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 それでは、米の将来的な国内需要を見越して、海外への輸出も視野に入れた取り組みが必要ではないかと考えます。 昨年は、中国向けの輸出が可能となる精米工場や薫蒸倉庫が3件指定され、関係者の期待も大きくなっているところであります。 最近の海外への輸出実績をお伺いしますとともに、道は、今後の輸出拡大に向けて、具体的にどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

瀬川食の安全推進局長

 米の輸出についてでございますが、輸出実績は、近年、増加傾向にございまして、平成30年は、輸出量が900トン、輸出額が3億円となってございます。 また、主な輸出先といたしましては、香港、中国、米国などとなっているところでございます。 こうした中、昨年、新たに、道内の精米工場等が、中国への精米輸出に必要な施設に登録されましたことから、この機会を最大限に活用して、本年度においては、日本料理店などでの試食商談会を北京市と上海市で開催いたしますほか、北京市内の日本料理店が開催する北海道フェア や、中国の国内向けの媒体への記事の掲載、デジタル広告によるPRなど、北海道米の販路の創 出に向けたさまざまな取り組みを進めて、今後の輸出拡大に努めてまいります。 以上でございます。

太田憲之委員

 米の需要が減少する中で、本道の稲作経営の安定化を図るためには、消費者ニーズを踏まえた売れる米づくりを初め、外食や中食向け、あるいは加工用米や飼料用米など、それぞれの用途やニーズに応じた生産が重要であると考えます。 また、農業の生産現場でも、担い手不足や高齢化の進行、さらには労働力不足など、構造的な課題を抱えているところでございます。 このような状況の中で、今後とも、本道の稲作経営の安定を図り、維持発展させていくために、道としてどのように取り組んでいく考えなのか、お伺いいたします。

小田原農政部長

 稲作農業の発展に向けた取り組みについてでありますが、本道の稲作農業は、生産性が高い専業的な経営を主体に、地域経済を支える基幹産業として大きな役割を果たしており、今後とも、用途別の需要動向に的確に対応しながら、消費者や実需者から信頼される産地として発展していくことが重要と考えております。 このため、道といたしましては、令和元年産米の生産の目安を踏まえて、関係機関・団体と連携を密にしながら、主食用米のみならず、加工用米や飼料用米など、実需者のニーズに応じた米生産の取り組みを進めるとともに、水田活用の直接支払い交付金などの経営所得安定対策の有効 な活用とあわせて、直播などの栽培技術の導入や、ICTなどの先端技術を活用したスマート農業の推進による農作業の省力化、低コスト化、水田の大区画化や排水性の改善、さらには、多様 なニーズを踏まえた新品種の開発、北海道米のブランド力の強化などを総合的に推進することにより、農業経営の安定と本道の稲作農業の持続的な発展に取り組んでまいります。 以上でございます。

太田憲之委員

 全国的に米の需要が下がっていますが、新潟や茨城の米が強いとずっと言われてきた中で、今、道産の主食用米の評価が上がっていることは皆さんも御承知かと思います。 それに加えて、今は、酒造好適米の評価も非常に高くなっておりまして、本州の「山田錦」や 「五百万石」がトップを走っている中で、本道でつくった酒米が本州の酒蔵に引き取られて酒がつくられるといった、今まで考えていなかったような現象も起こっているところでございます。 もう一つ、今、用途別やニーズに合わせて生産していくという答弁がありましたが、加工用米に関しては、多収品種でありますので、そういった面を伸ばしていただければなと思うところでございます。 また、酒米に関しては、もともと、加工して削っていくということがありますので、1粒が大 きくて、主食用米に比べて、どうしても1反当たりの収量が少なくなってしまいます。 本州では、先ほど言った「山田錦」や「雄町」といったお米の生産をふやすために肥料を入れたりして、逆に質が低下してしまったという事例もございます。 道産の酒造好適米に関しては、今、すごくいい品種で、質の高さが評価されているところでありますので、それぞれの用途に合った生産をして、これからもより質を高めて、さらに高い価値 をつけて、北海道米のブランド力の強化につなげていただきますよう心から期待を申し上げまして、次の質問に移ります。
  次は、クリーン農業の推進についてお伺いをしていきたいと思います。 道では、有機物の施用などによる健全な土づくりを基本として、化学肥料や化学合成農薬の使 用を最小限にとどめるクリーン農業の取り組みを平成3年から進めており、現在は、第6期北海 道クリーン農業推進計画のもとでの取り組みが進められているところでございます。 このクリーン農業推進計画の期間が今年度で終了しますことから、次期の計画づくりが進められているとのことでありますので、以下、順次伺ってまいります。
 もう2年もすると、クリーン農業の取り組みが始まってから30年になります。 クリーン農業に取り組む意義について改めてお伺いしますとともに、これまでの取り組みの結果、どのような成果が上がっているのか、あわせてお聞かせ願います。

瀬川食の安全推進局長

 クリーン農業に取り組みます意義等についてでございますが、道では、平成3年から、有機物の施用などによる土づくりに努めてございまして、化学肥料や化学合成農薬の使用を必要最小限にとどめるクリーン農業を、全国に先駆けて推進してきたところでございます。 近年、SDGsの取り組みなど、地球環境への関心が一層高まる中、環境との調和に配慮した、安全、安心で、品質が高い農産物の安定生産を進めるクリーン農業は、本道農業が、消費者 の信頼を得ながら持続的に発展していく上で重要な取り組みとなってございます。 こうしたクリーン農業の実践は、生物多様性の維持など環境保全や、安全、安心な食の北海道 ブランドづくりに貢献してきたものと考えているところでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 道では、クリーン農業を推進するために、道総研農業研究本部と連携し、有機物利用の基礎的なものから、化学肥料などの使用を大幅に削減する高度なものまで、さまざまな 技術開発に取り組み、普及に努めてきているとのことでありますが、これまでの技術開発の状況と、現在、重点的に研究を進めている取り組みについてお聞かせ願います。

山口食品政策課長

 クリーン農業技術の開発についてでございますが、クリーン農業の推進に 当たりましては、実践する農業者の生産活動を支える技術を開発し、普及していくことが何よりも重要です。このため、地方独立行政法人北海道立総合研究機構において、化学肥料や化学合成農薬の使用量を減らす技術を初め、品質を評価したり、向上させる技術、農地での温室効果ガスの発生などを抑える環境負荷抑制技術など、これまで延べ406の技術を開発したところでございます。 さらに、近年では、代替資材の活用や新たな防除体系の確立などにより、化学肥料や化学合成農薬の使用を5割以上削減する高度クリーン農業技術の開発普及にも重点的に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 道では、クリーン農業技術を活用し、環境に配慮して生産された道産農作物に 「YES!clean」マークを表示し、消費者や実需者に栽培情報を提供する、北のクリーン農産物表示制度を平成12年に創設しているところであります。この取り組みの状況はどのようになっているのでしょうか。作付面積や登録集団数の推移とあわせてお聞かせ願います。

山口食品政策課長

 「YES!clean」農産物の取り組み状況についてでございますが、 道や農業団体、流通関係者などで構成する北海道クリーン農業推進協議会では、クリーン農業で生産された農産物の生産拡大に向け、平成12年度に「YES!clean」表示制度を創設し、 安全、安心な道産農産物への消費者の理解と信頼のもと、「YES!clean」農産物を選択していただけるよう努めてきたところでございます。 平成30年度現在、「YES!clean」農産物の作付面積は、水稲、バレイショ、エダマ メ、タマネギの順に多く、合計で1万7734ヘクタールとなっておりまして、現行の第6期北海道 クリーン農業推進計画の策定時である平成24年度から13%増加する一方で、登録集団数は、水稲、トマト、タマネギ、バレイショなどを中心に263集団で、平成24年度から24%の減少となっております。 以上でございます。

太田憲之委員

 「YES!clean」農産物の作付面積や登録集団数の状況から、さまざまな課題が見えてくるのではないかと考えます。 特に、どのような課題があり、どのような対応が求められているのか、お聞かせ願います。

山口食品政策課長

 「YES!clean」農産物の課題と対応についてでございますが、作 付面積につきましては、全体として増加しているものの、労働力不足などから、バレイショで は、生食用の「YES!clean」農産物から、省力的に生産できる慣行栽培の加工用への転換が進んだり、野菜などでは、栽培に手間がかかることから、「YES!clean」農産物だけでなく、慣行栽培も含めて減少している品目もございます。また、登録集団につきましては、高齢化などによる構成員の減少のほか、新たな病害虫への対応や収量の確保を優先するなどといった理由から登録を廃止するなどの課題が見られるところで ございます。こうしたことから、今後は、気候変動や経営規模の拡大などに対応できるよう、省力化や安定的な収量の確保などに対応した技術の開発普及が求められているところでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 「YES!clean」表示制度の取り組みを拡大していくためには、なお一層の販路拡大を図る必要があると考えます。 道は、これまで、「YES!clean」農産物の販路拡大にどのように取り組んでこられたのか、お伺いをいたします。

瀬川食の安全推進局長

 「YES!clean」農産物の販路拡大に向けた取り組みについてでございますが、北海道クリーン農業推進協議会では、「YES!clean」農産物の生産のほか、流通や消費を拡大するため、平成23年度から、「YES!clean」農産物を原材料と して利用する加工食品に「YES!clean」マークを表示する取り組みを新たに開始いたしまして、本年3月現在、14社、39商品が製造、販売されているところでございます。また、地域イベントや出前講座、セミナーなどの開催、生き物調査等を通じて、クリーン農業への理解の醸成を図りながら、メディアの活用によるPRや量販店との商談、ポスターやポップなどを作成して、店頭イベントを開催するなど、「YES!clean」農産物の販路拡大に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。

太田憲之委員

 本道農業が今後も持続的に発展していくためには、生産活動に伴う環境への負荷をできる限り低減させるなど、環境と調和のとれた農業生産を進めることが重要であり、しっかりとしたクリーン農業の取り組みが求められているところであります。 道では、北海道クリーン農業推進計画の次期計画となる第7期計画の策定を進めておりますが、現状と課題を踏まえて、どのような観点で見直しを行い、クリーン農業を推進していく考えなのか、お聞かせ願います。

大西農政部食の安全推進監

 次期推進計画の策定についてでございますが、近年、SDGsの 取り組みなど、環境問題に対する社会の関心が高まる中、本道農業が、消費者の信頼を得て、競争力のある産業として持続的に発展していくためには、環境との調和に配慮した、安全、安心 で、品質が高い農産物の安定生産を進めるクリーン農業の推進が、これまで以上に重要と考えているところでございます。このため、道といたしましては、クリーン農業のさらなる普及推進に向けて、次期推進計画の策定に当たりましては、気候変動や経営規模の拡大などの農業構造の変化にも十分に対応できるよう、農業団体や道総研などと連携しながら、これまでの取り組みをしっかり点検評価した上で、有識者等で構成いたします北海道食の安全・安心委員会での審議を初め、地域の関係者との意見交換会や、広く道民の皆様からの意見募集などを通じまして、本道の食の安全、安心を支える計画を策定してまいります。 以上でございます。

太田憲之委員

 クリーン農業の課題といたしましては、通常の農業と同様に、病害虫のことや自然の状況ということもあります。 もう一点、物によっては、パッケージの問題で、せっかくいい品質なのに、表示がわからないまま、なかなか手にとってもらえず、気づいてもらえない、そういったこともありますが、品質としては間違いがないものですので、これから、そういった課題を踏まえた上で、消費者にもっとよく知ってもらうように努めていただきたいと思います。 また、SDGsの関係もありますので、ぜひとも、クリーン農業の推進については、これからもしっかりと注力していただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていた だきたいと思います。