令和2年第4回定例会

第4回定例会議にて次の通り一般質問させていただきました。

1.新型コロナウイルス感染症対策について
(1)感染拡大防止の取組について
(2)医療現場への対策について
(3)入院医療体制について
(4)警戒ステージの運用等について
(5)テレワークの普及・定着について

2.道政上の諸課題について
(1)道政運営の基本的な考え方について
(2)本道経済の活性化に向けた基本方針について
(3)行財政運営について
(4)北海道Society5.0推進計画について
(5)交通政策について
(6)物流政策について
(7)特定放射性廃棄物の処分場に関する文献調査について
(8)北方領土返還について
(9)職員の規律保持について
(10)建設産業の振興等について
(11)北海道地球温暖化対策推進計画について
(12)医療人材の確保について
(13)本道農業・農村の振興について
(14)本道水産業の振興について
(15)森林整備の推進について

3.教育問題について
(1)学びの保障について

4.公安問題について
(1)特殊詐欺等の取締り強化について


○道議 太田憲之 
道内では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染者数ばかりでなく、最近は死亡者数も急増しております。
お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、今も闘病生活を送られている皆様の一日も早い回復を心から御祈念申し上げます。

それでは、私は、自民党・道民会議を代表して、新型コロナウイルス感染症対策などについて順次質問をしてまいります。
初めに、新型コロナウイルス感染症対策に関し、感染拡大防止の取組についてお伺いします。

欧米では再び感染が拡大し、アメリカでは感染者が20万人を超える日もあり、イタリアやイギリス、フランスなどの一部では、ロックダウンや夜間外出禁止といった厳しい行動制限が実施され、経済停滞の懸念が強まっていることなどが報道されております。国内でも、第3波と言われる感染の波が見られ、昨日までの感染者数は約14万8000人で、道内では約8700人にも上っており、今月に入ってからは、道内の感染者が200人を超える日も多く、憂慮すべき事態となっております。感染拡大に伴い、入院や宿泊療養が必要な方々が急増しており、医療提供体制の維持を懸念する声も伺います。

道には、感染者数だけにとらわれず、陽性率や重症者用病床の状況など、全体を見据えた対応が求められますが、知事は、この間の対応やその効果をどのように認識し、間近に控えた忘年会などのシーズンに向けて、感染拡大防止にどう取り組んでいく考えなのか、お伺いいたします。

次に、医療現場への対策についてであります。

国内では第3波、道内では第4波と言われておりますが、新型コロナという未知なるウイルスへの長期にわたる対応で、医療機関等では、経営面はもとより、スタッフの方々の健康などの問題が懸念されております。

道は、現在の医療現場の状況をどのように認識し、どのような支援策を講じていく考えなのか、お伺いいたします。

次に、入院医療体制についてであります。
感染者の急増に伴い、入院医療体制の逼迫が懸念されます。
道では、本道の広域性を踏まえ、3次医療圏ごとに最大入院患者数などを推計し、患者数に応じたフェーズごとの入院医療体制を整備することとしており、全道で622病床を確保するフェーズ1の段階から、今月9日には道央と道北、12日には十勝、18日には残りの3医療圏のフェーズを2に引き上げて、全道で1299床の専用病床を確保する段階に移行しましたが、専用病床を効率的に運用するためにも、軽症や無症状の患者を受け入れる宿泊療養施設の確保が重要になると考えます。各医療圏の宿泊療養施設の整備計画はどのようになっているのか、また、特に逼迫している道央圏や道北圏など、フェーズ3への移行の目安をどう考え、円滑な移行に向けて、どう取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、警戒ステージの運用等についてであります。

先月下旬以降の急速な感染拡大を踏まえ、我が会派の同僚議員が、今月4日の常任委員会で、特定の地域や業態を限定した対策を直ちに実施することによって、過度な行動自粛が全道に広がることを避け、経済へのダメージも最小限にとどめることができる旨、指摘したことを受け、道は、11月7日に全道域をステージ3に移行し、11月27日までを集中対策期間と位置づけて、取組を強化してまいりました。

この間、札幌市を中心に感染の拡大が続いたことから、道は、11月17日に対策本部会議を開催し、札幌市を対象に、警戒ステージ4相当の措置として、市内における不要不急の外出及び市外への往来自粛の要請を行うことを決定するなど、より強い措置を講じてきましたが、依然として感染拡大の勢いが衰えず、感染が全道的な広がりを見せ、地域の医療提供体制に深刻な影響が懸念される事態となっていることから、先週の26日に、集中対策期間を来月11日まで延長し、さらなる対策の強化を図らざるを得ませんでした。

知事は、道民の皆様の行動変容を促すためのこれまでの情報発信の在り方や、警戒ステージの運用に関する判断の妥当性、さらには、今後の対応についてどのように考えているのか、お聞かせ願います。

これまでの警戒ステージの運用や対策実施のタイミングなどを振り返ると、札幌市との調整に時間を要し、対策が後手に回り、今日の感染拡大を招いたと指摘する声もありますが、知事は、札幌市とのこれまでの連携についてどのような認識を持っておられるのか。また、札幌市は、休業要請等の延長に伴う協力支援金について道に支援を求めているとのことでありますが、道はどのように対応する考えなのか、併せてお伺いいたします。

政府は、「Go To トラベル事業」に関し、感染拡大地域を目的地とする予約を一時的に停止する方針を示し、各都道府県知事の意向を尊重して対応したいとの考えを示しました。こうした政府の方針や最近の感染状況を踏まえ、知事は、札幌市内でのこの事業の一時停止を検討せざるを得ないとの判断を11月23日に明らかにし、さらに、札幌市発の旅行については、26日の会見で、国が判断していくものとの考えを示しておられましたが、27日には、前日までの見解を急遽変更し、知事として運用の変更に同意する考えを国に示しております。いずれにせよ、同様の趣旨で実施しているどうみん割事業の見直しや、それに伴う影響対策は避けられません。

今回の「Go To トラベル事業」の一時停止などで影響を被る方々は、札幌市内の宿泊事業者にとどまりません。全道の観光事業者や関連する飲食店、土産物店、さらには、こうした企業と取引のある多くの中小・小規模事業者にも大きな影響が及ぶと考えられます。今後は、感染防止と経済の両立に向けた取組が一層重要になると考えますが、知事は、このたびの判断の影響をどのように認識し、今後、どのような考え方で対応し、感染防止と経済の両立を実現させていくのか、考えをお聞かせ願います。

次に、テレワークの普及、定着についてであります。

国は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、テレワークの推進に向けて、民間企業等への支援強化を打ち出しておりますが、一方で、民間の調査機関の調べでは、一旦広がったテレワークに戻りが生じており、定着に向けた一層の取組が求められます。

道は、11月26日に、札幌市を警戒ステージ4相当とした集中対策期間を12月11日まで延長し、道民に対して、テレワークの一層の徹底などを改めて呼びかけるとともに、現在、さきの定例会で措置された補正予算に基づき、様々な取組を進めていると伺っておりますが、昨今の感染症の急激な拡大等を踏まえれば、道内におけるテレワークの普及、定着は喫緊の課題と考えます。道は、道内でのテレワークの普及、定着に向け、早急に取組を強化すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

次に、道政上の諸課題についてお伺いをいたします。

初めに、道政運営の基本的な考え方についてであります。
さきの定例会でも指摘したとおり、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、知事が就任時に想定していた様々な前提条件が一変し、北海道は、これまでに経験したことのない新たな時代に突入しております。本道では、4月から5月の感染第2波を乗り越え、感染者数なども比較的安定した状態で推移しておりましたが、9月中旬以降、感染の拡大が続き、先月下旬からは、1日当たりの感染者数が連日のように過去最多を更新するような事態となっており、将来に対する不安感が道民の間で急速に広まっております。

道は、先日の委員会で、北海道総合計画の点検評価を踏まえ、見直す考えを報告し、今後、総合開発委員会や道議会の意見を踏まえて検討することとしておりますが、こうしたときにこそ、北海道の今後の目指すべき方向性などを、知事が、明快に、しかも確固とした姿勢で指し示し、道民の皆さんに安心感を与え、奮起を促す必要があると考えます。
知事は、北海道が目指すべき方向性などについてどのように考えておられるのか、来年度以降の道政運営に関する知事の基本的な考えをお聞かせ願います。

次に、本道経済の活性化に向けた基本方針についてであります。

先日の委員会で、この方針の見直し案が示されましたが、新型コロナウイルス感染症が地球規模で拡散し、国の内外を問わず、あらゆる人や企業に、プラス、マイナスの様々な影響を及ぼしております。また、最近明らかになった、大手製紙会社の生産拠点縮小の動きに見られるように、国内外の環境意識の高まりや産業構造の変化に伴い、これまで本道の経済を支えてきた大規模な製造事業所の撤退や縮小などの動きが相次いでおり、地域の経済や雇用への影響を懸念する声が強まっております。

こうした状況を踏まえ、今後の本道の経済活性化の方向性を考えたときに、大事にしなければならないのは、こうした大きな変化が生じている状況の中で北海道がどのように世の中に貢献できるかという視点から、改めて北海道の価値を見詰め直すことであると考えます。このことが、国内外の幅広い人々の共感を生み、北海道と具体的に関わりを持っていただくこととなり、将来、北海道に大きなリターンをもたらすことにつながるものと考えます。
知事は、どのような理念のもとで、今後の経済活性化に向けた基本方針の見直しを進めていく考えなのか、お聞かせ願います。

基本方針の見直し案では、新たな要素として、新型コロナウイルス感染症への対応を位置づけ、従来の対策に厚みを持たせておりますが、今求められるのは、これら全てに満遍なく取り組むことではなく、コロナ禍を契機として、加速すべきものはどれなのか、当面、重点的な取組対象から除外するべきものをどうするのか、将来を見据えて今から種をまいておくべきものは何なのか、選択と集中を行うことと考えます。
道は、どのような視点から、本道経済の活性化に向けた基本方針を見直し、重点化等を図っていく考えなのか、現下の厳しい感染状況を踏まえた経済対策といった面も含めてお聞かせ願います。

次に、行財政運営であります。

先日、道は、今後の行財政運営に関する方向性を明らかにされましたが、新型コロナウイルス感染症が今後の国全体の税収や財政にどのように影響するのかを見通すことができず、さらに、税収減の中で国がどのような地方財政対策を打ち出すのかも不透明なことから、道が現在検討している新たな行財政運営方針に、中長期の収支見通しと、それに基づく複数年の収支対策を盛り込むことができない状況となっております。また、こうした感染症の影響が民間の給与等に及んでおり、知事や議会議員を含む特別職ばかりでなく、一般職の期末手当も10年ぶりに引き下げざるを得ない状況となるなど、我々自身も影響の深刻さを実感しているところであります。しかし、こうした状況の中にありましても、今後、コロナ禍の下で初となる当初予算の編成に臨むこととなり、また、北海道の将来のために活路を切り開いていくような果敢な政策も求められます。
知事は、先が見通せない厳しい状況の中で、令和3年度の予算編成に向けて、どのように臨む考えなのか、お伺いいたします。

我が国の行政運営に当たって、デジタル化の遅れが、新型コロナウイルス感染症対策の実施面での大きな問題としてクローズアップされ、菅総理も、デジタル化推進に特に重点を置いて取り組む考えを示しております。このため、道の行政運営に関する今後の方向性としては、行政のデジタル化の推進が最大のテーマになると考えます。

道がこのたび示した、今後の行財政運営に関する方向性の中では、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大で明らかになった行政のデジタル化の遅れに対応するべく、書面規制等の見直し等を積極的に推進し、行政手続のオンライン化などを進める考えとしております。

現在、道では、行政手続のオンライン化の前提となる、書面規制、押印、対面規制の見直しを進めていると伺っており、さきの第3回定例会では、道としての見直しの考え方を年内を目途に取りまとめるとの御答弁がありましたが、現在どのような検討が進められており、今後どのように見直していく考えなのか、お聞かせ願います。

このたび示された、今後の行財政運営の方向性では、スマート道庁の取組を一層推進するとしておりますが、今後、行政のデジタル化に向けた取組とも重なるスマート道庁の取組が着実に成果を収めるためには、道のこれまでの指揮命令や人事制度などを含む組織運営の在り方の根本に踏み込んだ見直しが不可欠と考えます。

そうした見直し作業に手をつけず、最新の情報通信技術を活用した業務改善ばかりに目を向けていては、これまで繰り返してきた業務効率化の取組で終わってしまいかねません。新たな政策意思形成プロセスや人事制度、職員の能力向上策などを一体的に推進し、道の政策展開力の向上や企画力の強化に結びつけ、道民の負託に応えることができる道庁改革に向けた重要な一歩としていく必要があります。

道は、スマート道庁の実現を含め、今後の行政運営をどのような考えや思いで進めていく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、北海道Society5.0推進計画についてであります。

先日の委員会で、北海道Society5.0推進計画原案が報告されましたが、コロナ禍は、これまで遅れていた情報通信技術の利用上の課題などを顕在化させた面がある一方で、リモートをキーワードとして経済社会が回る時代になることは、首都圏などから離れていることがハンディキャップとなっていた本道にとって大きなチャンスと言っても過言ではありません。

国も、デジタル化に向けた対策を強化する方針を示しており、今後、取組が一気に加速することが期待されますが、この計画が着実に社会に根づき、そして実を結ぶためには、今後の推進体制の整備が特に重要になると考えます。道は、情報通信技術やその利用計画の企画立案に精通した専門家を高位の職に迎え入れるなど、この計画を強力に推進する体制を整備する必要があると考えます。

知事は、Society5.0の推進体制も含め、本道におけるこの計画の推進にどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、交通政策についてであります。

広大な地域に人口や産業拠点が分散する本道では、これらをつなぐ交通の役割は殊のほか重要であり、道は、一昨年3月に北海道交通政策総合指針を策定し、関係者が連携して本道のさらなる発展を支える交通ネットワークの実現に努めてきました。
しかし、新型コロナウイルス感染症が今年に入って世界的に拡大し、国内外の人の流れが激減した結果、JRや航空会社、バス・タクシー事業者など、公共交通を担うあらゆる事業者が大幅な売上げ減に見舞われており、特に、JR北海道は、9月の中間連結決算の営業損益が、過去最悪となる385億円のマイナスを記録するなど、厳しい状況に追い込まれております。

国は、JR北海道などに対する国の支援の前提となる旧国鉄債務等処理法の改正案を来年の通常国会に提出する方向で調整に入ったと報じられておりますが、JR北海道が昨年4月に発表した、2030年までの経営ビジョン等の前提が、コロナ禍の影響で大きく崩れたと言っても過言ではなく、抜本的な対策の強化が不可欠な状況となっております。

また、本道の各地域と道外を結ぶ航空路につきましても、減便や運休が相次ぎ、路線存続を不安視する声さえ聞かれ、地域の活力維持に大きなマイナスとなることが懸念されます。

さらには、移動の自粛や観光需要の落ち込みなどで、バス事業者等も危機的状況に陥っているやに伺っております。

知事は、本道の交通をめぐる現在の状況をどのように受け止め、道民の足を守るために、今後どのように対応していく考えなのか、お伺いいたします。

次に、物流対策についてであります。

知事は、7月、国に対して、北海道における持続的な鉄道網の確立に向けた提言に関し、市長会、町村会をはじめ、経済界や農業団体と合同で国へ要請を行っており、その中では、JR北海道への支援のみならず、本道物流の重要性に鑑み、我が国における鉄道貨物輸送の役割を十分に踏まえ、北海道と本州間における持続的かつ安定的な物流の確保を図るために、あらゆる方策を講じていくことを強く求めております。

しかしながら、本道の物流の役割は、主力産業である農産物の輸送から、道民の暮らしに直結する日用品の輸送まで、実に幅広く、その課題も、運転手の確保から、低コストで安定的な輸送手段の確保まで、様々あり、その解決に向けては、荷主、輸送事業者が望む輸送ルートや輸送モードの検討のみならず、現下の社会情勢を踏まえた知事の考えや対応策をまず明らかにする必要があります。また、最近では、複数の民間団体において、第2青函トンネル構想をプロジェクトとして立ち上げる動きも出てきているやに伺っております。
知事は、本道の物流に関する課題や鉄道貨物輸送の果たす役割等についてどのように認識し、どのように対応する考えなのか、お伺いいたします。

次に、特定放射性廃棄物の処分場に関する文献調査についてであります。

8月中旬に、寿都町長が、特定放射性廃棄物の最終処分場に関する文献調査に応募することを検討していることが明らかになって以来、これまで、様々な方から賛否を含む多くの議論が交わされてきましたが、去る11月17日に、経済産業大臣がNUMOの事業計画変更を認可し、寿都町と神恵内村で、特定放射性廃棄物の地層処分に関する文献調査が始まることとなりました。
知事は、この状況をどう受け止め、今後、両町村や国に対してどのように対応していく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、北方領土返還についてであります。

北方領土返還問題に関し、ロシア政府と対峙することとなる菅総理がこの9月に選出され、この問題に取り組む国の体制が一新されたところであります。

これを機に、国、道、地元の返還要求運動関係者の皆様が一層結束を確かなものとし、新たな気持ちで、領土返還に向け、全力で取り組む必要があると考えます。

知事は、先日、北方領土返還要求北海道・東北国民大会の大会長として、根室市長をはじめとする返還要求運動関係団体の方々と、国会や政府に北方領土返還促進に関する要望を実施されましたが、今年は、コロナ禍の影響もあり、四島交流等事業や共同経済活動の検討が停滞を余儀なくされました。

道は、今後、菅総理をはじめとする政府関係者と連携し、航空機墓参や四島交流等事業の再開を含め、北方領土問題の解決に向けて、どのように取り組んでいく考えなのか、お伺いいたします。

次に、職員の規律保持についてであります。

保健所の職員などが感染拡大の防止に全力で取り組んでいる中で、最近、道職員や教職員、警察職員による不祥事が相次いでいるところであります。

道職員につきましては、農地整備工事に係る官製談合防止法違反の容疑で職員2人が相次いで逮捕される事案や、特殊詐欺グループに加担し、現金を奪った容疑で逮捕される事案等が報じられているところであります。

また、教職員や警察職員につきましても、小学校と養護学校の教員が、淫行による道青少年健全育成条例違反容疑で逮捕される事案や、スピード違反の取締りに関連した虚偽有印公文書作成容疑、さらには、大麻取締法違反容疑で書類送検される事案が発生しております。

道民の暮らしや命を守り、子どもたちを教え導く立場にある者の不祥事は、言語道断であり、弁明の余地もありません。

このようなことが職員全体の信用失墜につながり、道の行政運営や教育、さらには公安活動に支障を来すことが懸念されるところであります。

信頼回復に向けて、職員の規律保持などにどのように取り組んでいくお考えなのか、知事及び教育長、道警本部長にお伺いをいたします。

次に、建設産業の振興等についてであります。

本道では、高度成長期に建設された橋やトンネルなどのインフラの老朽化が進み、その維持管理、更新に人手やコストを要するようになっております。こうした中で、生産年齢人口の減少や都市部への人口流出が進み、インフラの整備、冬期間の除雪などの担い手となる建設関連企業や技術者の不足が深刻化しており、建設産業の振興が重要な課題となっております。

現在、道が発注する工事につきましては、入札予定価格に比べ、不当に低い価格で落札されることがないよう、最低制限価格制度や低入札価格調査制度の下で入札が実施され、工事価格が決定されているところでありますが、近年の人手不足の状況や資材価格高騰の影響が地域ごとに異なることから、設計労務単価や最低制限価格等につきましても、地域の実情に即して設定される必要があると考えます。

道は、公共工事等の発注が、地域に不可欠な建設産業の振興に果たす役割をどのように認識し、今後、どのように制度の運用や単価等の設定を行っていく考えなのか、お伺いをいたします。

次に、北海道地球温暖化対策推進計画についてであります。

国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする脱炭素社会の実現を目指すとする菅総理の臨時国会での所信表明演説を受け、地球温暖化対策推進法の見直しに向けた検討を進めております。こうした国の動きに先駆けて、知事は、第1回定例会で、地球温暖化対策推進計画の見直しにおいて、CO2 排出実質ゼロを目指す旨を表明しており、現在、道の環境審議会で、次期計画の策定に向けた取組が進められております。

計画では、国の温暖化対策計画を踏まえ、基準年を2013年度に、目標年を2030年度に設定し、2050年までに実質ゼロを目指す長期目標を見据え、目標年における温室効果ガス排出量の削減目標や吸収量の確保目標の設定、そのための対策、施策などが検討されております。

長期目標に掲げるゼロカーボン北海道の達成に向けた確かな道筋となるよう、2030年度の中期目標が重要になると考えますが、道は、どのような考え方で目標値を設定し、どのように取り組んでいく考えなのか、知事の所見をお伺いいたします。

次に、医療人材の確保についてであります。

本道における看護職員数は年々増加しておりますが、昨年策定された第8次の看護職員需給推計では、2025年の看護職員の状況は、特定の圏域では充足するものの、全体では不足すると見込まれており、地域間の偏在が今以上に拡大することが懸念されていることから、偏在解消と地域における看護職員の確保に向けて、早急な取組が求められます。

先日の保健福祉委員会では、看護職員養成修学資金貸付制度の見直しについて報告があり、改正の理由として、看護職員が都市部に集中する地域偏在と、介護保険施設などの在宅・介護分野で不足が生じる領域別偏在の解消が挙げられておりますが、地方の中核的な病院でも確保が困難な状況が続いていることや、需要の増加が見込まれる在宅・介護分野での対応を急ぐ必要があること、少子化により、看護学校でも学生の確保が難しくなっていることなどを考えると、制度の見直しには大きな意味があると考えます。

見直しに当たっては、貸付金額や特別貸付対象施設、返還免除要件などを適切に設定し、貸付制度を有効に機能させ、偏在解消などにつなげる必要があると考えますが、この対応も含め、道は、看護職員の確保に向けて、どのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、本道農業・農村の振興についてであります。

道では、第6期北海道農業・農村振興推進計画素案を今月初めの農政委員会に報告しており、素案には、「本道農業・農村の「 めざす姿 」」として、「『 多様な担い手と人材が輝く力強い農業・農村 』」が掲げられております。

経済のグローバル化に伴い、国際競争が激化する中で、農家戸数の減少や担い手の高齢化、消費者ニーズの多様化への対応に加え、新型コロナウイルス感染症の影響など、本道農業・農村をめぐる情勢が一段と厳しさを増しております。

このような状況の中で、道は、各振興局で開催した、関係団体や農業者などとの意見交換会を踏まえ、それぞれの地域が目指す姿を示すとのことでありますが、どのような意見が寄せられ、多様な人材が輝くことのできる農業、農村の実現に向けて、どこを重点化して計画を取りまとめていく考えなのか、お伺いいたします。

世界的な食料需要の増加や、新型コロナウイルス感染症の拡大による食品輸入への影響、さらには、自然災害の頻発や激甚化などにより、食料の安定供給に影響を及ぼすリスクが高まっており、食料自給率の向上による食料安全保障の確立に向けて、本道農業に対する期待はますます高まっております。

本道農業が持つ潜在力をフルに発揮し、生産力と競争力の強化を図るためには、農業生産基盤の整備を推進していくことが重要であり、道は、これまで、農業者の方々が必要な整備に積極的に取り組むことができるよう、道独自の農家負担軽減対策であるパワーアップ事業を実施し、圃場の大区画化や農地の排水対策などを進めてまいりましたが、この対策も今年で最終年度を迎えているところであります。

さきの定例会における我が会派の代表質問で、パワーアップ事業の継続についてお伺いをし、知事からは、市町村や関係団体などの意向を踏まえ、パワーアップ事業の継続に向けて検討する旨の御答弁がありました。

本道農業が、我が国の食料の安定供給に最大限貢献していくためには、道として、必要な農業・農村整備予算の確保を国にしっかりと求めていくことはもとより、パワーアップ事業による農業生産基盤整備の促進を図る取組が不可欠です。

パワーアップ事業の継続実施に関する知事の見解をお伺いします。

次に、本道水産業の振興についてであります。

漁業制度や資源管理手法の大きな見直しとなる改正漁業法が、いよいよ明日から施行されます。今回の水産政策の改革は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を目指すものですが、特に、新たな資源管理の導入に伴うTAC管理の拡大は、漁業者の水揚げに直接影響が及ぶことから、魚種ごとの取扱いが明らかになっていない中で、漁業者の不安が募っている状況にあります。

本道の漁業は、1次産業としての漁業生産のほか、流通業や水産加工業など、2次産業、3次産業の雇用を支える役割なども担っており、経済性を高め、成長産業化を図るという改革の考えを踏まえるばかりでなく、漁業者等が意欲を持って漁業に従事できる環境も実現する必要があります。

国の水産政策の改革に向けて、道内の漁業関係者が一体となって取り組む必要がありますが、道としてどのように対応していく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、森林整備の推進についてであります。

道では、森林資源の循環利用を着実に推進するため、平成23年に、未来につなぐ森づくり推進事業を創設し、市町村と連携して、伐採後の植

林を進めてまいりましたが、この事業の計画期間が今年度で終了することになっております。

伐採後における植林は、森林資源を維持し、林業・木材産業の振興を図る上でも、また、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与する重要な

取組として位置づけられます。

市町村や関係団体などから、森林所有者の植林意欲が向上したと高く評価され、知事が宣言している、2050年までの温室効果ガス排出量実質

ゼロの実現に向けて、温室効果ガスの吸収源となる森林資源をしっかりと守るために、未来につなぐ森づくり推進事業の継続が必要と考えま

すが、知事の見解をお伺いします。

次に、教育問題についてお伺いします。

 いまだ、新型コロナウイルス感染症の終息のめどが立たない中で、各学校では、感染や感染症 拡大のリスクを可能な限り低減して、授業時数の確保に努めており、様々な工夫を凝らした学校 運営が続いております。

今のところ、現在の学年内に指導を終えられる見込みと伺っておりますが、音楽や体育、家庭 科などでは、感染リスクが高い学習活動を控えていることから、必要な時間数が適切に確保でき ないおそれや、全国学力・学習状況調査が見送られ、子どもたち一人一人の学力・学習状況を客 観的に把握できず、それぞれの状況に応じた指導に生かすことができないことへの懸念もありま す。

また、感染の発生による、学級や学校単位での臨時休業も発生していることから、休業期間中 の学習にどのように対応し、新たな休業にどう備えていくのか、道教委は、しっかりと手だてを 講じ、教育の現場を支援していく必要があります。

子どもたち一人一人の学びを保障し、充実した学習活動が行えるよう、道教委としてどのよう に対応していく考えなのか、お伺いいたします。

新型コロナウイルス感染症の影響による学習指導計画の見直しで、多くの学校行事が中止や縮 小を余儀なくされておりますが、学校行事は、子どもたちの心身の健全な発達や、社会性を身につけるためにも欠かせないものであります。

これまでの学校行事の取組はどのようになっており、道教委はこの状況をどう受け止めている のか、また、延期されていた、小中学校、高等学校などの修学旅行のこれまでの状況と、警戒ス テージ3に置かれている中で、どのように対策を強化し、修学旅行を実施していく考えなのか、 お聞かせ願います。

最後に、公安問題についてお伺いいたします。

高齢者の親心等を巧みに利用する卑劣な振り込め詐欺などの特殊詐欺事件については、今年に なって検挙件数が大幅に増加し、これまで道警察が重点的に取締り活動を強化してきた成果が現 れてきたものと評価いたしますが、今年も、この10月末までに道内で既に150件の事件が発生し ており、依然として、道民にとって大きな脅威となっております。

さらに、最近では、あらかじめ現金の保管状況などを電話で確認してから住居に押し入るよう な新しいタイプの犯罪事案も報じられており、こうした新たな犯罪類型にも適切に対処し、道民 が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に引き続き取り組んでいく必要があると考えま す。

道警察では、最近の特殊詐欺犯罪等をめぐる状況をどのように認識し、今後どう対応していく のか、警察本部長の見解をお伺いいたします。

以上、再質問を留保し、私の質問を終わります。

○知事 鈴木直道
太田議員の質問にお答えをいたします。
最初に、新型コロナウイルス感染症対策に関し、まず、今後の取組についてでありますが、道 では、11月7日に、道独自の警戒ステージを3へと引き上げ、17日から、札幌市を対象に、ステ ージ4相当の強い措置を講じてきた中で、急拡大していた新規感染者数の増加のペースが緩やか になってきているほか、薄野地区の人出の減少や、営業時間の短縮要請を行った施設における感染者数の減少等が見られる一方で、いまだ、連日200名前後の感染者が確認されるとともに、医 療施設等での集団感染が増加し、医療提供体制の逼迫度合いがさらに増しているといった状況に あるものと認識をしております。

こうした現下の厳しい感染状況を早期に食い止めるため、大変苦しい判断ではありますが、集 中対策期間を延長し、札幌市内では、接待を伴う飲食店に対する休業要請等の追加の対策や、酒 類提供を行う施設に対する営業時間等の短縮の継続など、また、道内全域には、飲食の場面にお ける感染リスクを回避する行動のさらなる徹底や、高齢者等への、マスクの着用、手洗いなど、 感染リスクを回避する行動のさらなる徹底などをお願いすることとしたところであります。

私としては、相談・診療・検査体制のさらなる整備や、感染が拡大している地域における病床 の確保に加え、感染予防等の正しい知識や情報等の普及啓発などを進めながら、年末年始など人 の集まる機会が多くなる時期を迎えるに当たり、道民や事業者の皆様、市町村、関係団体の方々 の御理解や御協力をいただきながら、全道が一丸となって、まずは、集中対策期間中はこのたび の施策に集中的に取り組み、道内全域で現下の感染状況を徹底して食い止めていくことに力を尽 くしてまいります。

次に、医療機関への支援についてでありますが、今般の急激な感染拡大に伴い、道内の医療機 関では、入院患者数の急増に加え、医師や看護師等の医療従事者の方々の感染、院内感染の発生 などにより、外来診療の一部休止や看護体制の見直しを余儀なくされるなどの影響が及んでいる ほか、感染の長期化により、懸命に治療に当たっている医療従事者の方々には、身体的、精神的 に大変な御負担をおかけしていると認識しております。

こうした中、札幌市や旭川市を中心に、現下の感染状況は厳しさを増しており、道としては、 対応の長期化も見据えながら、今後とも、各地域の医療機関が必要な医療を継続して提供できる よう、緊急包括支援交付金を活用した、院内感染の防止対策や感染防護具等の配付などの支援を 行うとともに、診療支援が必要な医療機関への医療チームの派遣や、院内感染が発生した医療機 関への専門家の派遣など、現場のニーズに応じた、迅速かつ的確な対策を講じ、医療機関の機能 維持を支援していく考えであります。

次に、病床確保に関する今後の進め方についてでありますが、道では、患者数の増加を想定 し、あらかじめ3段階のフェーズを設け、即時受入れ可能な病床数を確保するとともに、患者の 発生状況や病床の利用状況、疫学調査の結果などを勘案し、3次医療圏単位でフェーズを切り替 え、確保病床数を拡充しております。

11月中旬以降、道央圏、道北圏、十勝圏など、順次、フェーズを変更し、確保病床数を拡大し ているところでありますが、特に、札幌市内や旭川市内では患者数の急増が続いていることか ら、両市とも協議しながら、札幌圏の医療機関に対しては、フェーズ3相当の病床数の確保を、 旭川市内の医療機関に対しては、病床の拡充を要請したところであり、病床確保に関しては、今 後も、感染状況に応じ、柔軟に対応してまいります。

また、軽症者を受け入れる宿泊療養施設については、全ての3次医療圏ごとに施設を確保できるよう調整を進めており、現時点においては、道央圏、道北圏、十勝圏、道南圏で6施設、計 1660室を運用するほか、残る2圏域についても、今後の感染拡大を想定し、宿泊療養施設の設置 に向けて、準備を加速してまいります。

次に、警戒ステージの運用などについてでありますが、道では、感染者数や入院患者数など、 七つの指標について注意深くモニタリングしながら、これを総合的に勘案し、警戒ステージの移 行を判断するとともに、行動変容などの協力要請に当たっては、背景となる分析などを含め、丁 寧な情報発信を行うなど、道民の皆様や事業者の方々に御理解いただけるよう、鋭意努めてまい りました。

とりわけ、先月の下旬以降、想定を超える速さで感染拡大が進む中、ステージの移行の判断は もとより、道民の皆様や事業者の方々に大きな負担をおかけする協力要請を行う際には、暮らし や社会経済活動への影響を考慮しつつ、専門家の方々の御意見もお伺いしながら、限られた時間 の中で熟慮を重ね、私自身、最善を尽くしてまいりましたが、今なお厳しい感染状況が続いてお り、対策をより効果的に講じていくことが必要になるものと真摯に受け止めております。

私としては、これまで以上に強い危機感を持って、感染動向を監視しながら、何よりも、現在 の集中対策期間において、感染者数の減少傾向を確かなものとし、道民、事業者の皆様の御負担 を引き下げるべく、全力を注ぐとともに、その時点の感染状況などを総合的に勘案し、事後の対 応を判断してまいります。

あわせて、このたびの急速な感染拡大に係る新たな知見や国の分析なども踏まえつつ、ステー ジの運用や情報発信の在り方を含め、対策の改善に不断に取り組んでまいります。

次に、札幌市との連携についてでありますが、社会経済活動にも配慮しながら、実効性ある感 染症対策を行うためには、本道の人口の約3分の1を占め、感染者についても全道のおおむね3 分の2となっている厳しい状況にある札幌市と緊密に連携することが重要であり、道では、札幌 市の対策本部に連絡調整員や応援職員を恒常的に派遣するとともに、道の本部会議に札幌市にも 参画いただくなど、情報交換や認識の共有を図ってきたところであります。

道と札幌市は、急速な感染拡大に至った札幌市内の状況について、これまで、市の分析を基 に、11月7日、薄野地区の酒類を提供する飲食店等に対し、営業時間等の短縮の協力要請を行 い、11月26日には、札幌市内の接待を伴う飲食店の休業要請等を行ったところであり、今後は、 実効ある取組が行えるよう、一層緊密に連携しながら対策を行ってまいります。

また、協力支援金については、11月26日に、札幌市から道に対し、財政支援の協力要請があ り、道としては、深刻な感染拡大の状況などを総合的に勘案し、必要な予算を追加提案してまい りたいと考えております。

次に、「Go To トラベル事業」の一時停止についてでありますが、道内の宿泊施設で は、「Go To トラベル事業」を活用した予約が多く、札幌市発着の旅行が一時停止の対象 となることにより、札幌市内はもとより、全道各地の宿泊事業者の方々や、飲食、小売など関連 事業者の皆様に与える影響は大きいものと認識をしております。

このため、道では、11月27日に、観光関連産業を支援する給付金の創設や臨時交付金の増額な どについて、国に緊急要請を行ったほか、どうみん割についても、利用者や事業者の皆様の混乱 を招くことがないよう、「Go To事業」との整合を踏まえ、適切に対応していくこととして いるところであります。

経済的なダメージを最小化するためには、感染の早期収束と事業者の方々への持続的な支援が 何よりも重要でありますことから、道としては、宿泊事業者等の皆様に対する、感染防止設備の 導入支援や専門家の派遣を行うとともに、経営・金融相談への対応や低利資金の融通に加え、一 時停止の終了後は、誘客を推進するためのPRを行うなど、感染拡大防止と観光関連産業の振興 の両立に向け、国や札幌市等と連携を図りながら取り組んでまいる考えであります。

次に、テレワークの普及と定着についてでありますが、道では、現在、働く方々の感染リスク の低減などに資するテレワークについて、労務・業務管理などの課題に対応した運用マニュアル の作成を進めるとともに、明日から募集を開始する、中小企業等を対象としたテレワーク導入支 援補助金の活用を促すなどして、テレワークの普及と定着に取り組んでいるところであります。

また、国や経済団体、労働団体などとの連携の下、官民が一体となったテレワークの推進運動 を年内にも新たに展開し、機運の醸成を図るとともに、道の支援策を御活用いただいた経営者や 労働者の皆様からの声を踏まえ、優れた実践例を広く紹介するなどして、テレワークを導入する 企業等の一層の拡大に取り組んでまいります。

テレワークのさらなる普及と定着に向け、今後、これらの取組に加え、国の施策動向や道内外 のテレワークの実施状況も勘案しながら、必要な施策を検討してまいります。

次に、道政上の諸課題に関し、まず、今後の道政運営についてでありますが、今なお続くコロ ナ禍において、一極集中への不安や働き方に関する意識の変化、さらには、サプライチェーンの 見直しやデジタル化、脱炭素化の動きなど、大きな社会変革の兆しが見られる中、恵まれた自然 や冷涼な気候、ゆとりある空間、多彩で豊富な食やエネルギー資源といった本道の価値は、今後 一層、輝きを増してくるものと考えております。

私としては、こうした認識を広く道民の皆様と共有しながら、ウイズコロナの中で、感染症に 強く、将来にわたり誰もが安心できる社会を構築していくことはもとより、広域分散という本道 のハンディを、リスク分散や地域の多様性という強みに変えて、ポストコロナ時代の新しい未来 を切り開くのは私たち北海道であるとの思いのもと、本道が世界に誇る様々な価値をさらに磨き 上げ、道内はもとより、国内外との人や物の交流を促進し、地域や経済の活力を高め、本道を再 び成長軌道に乗せていくとともに、食料の安定供給や都市一極集中の是正、さらには、地球温暖 化への対応など、我が国の持続的発展に貢献する北海道づくりに取り組んでまいります。

次に、本道経済の活性化に向けた基本方針の見直しについてでありますが、今般の新型コロナ ウイルス感染症の拡大を契機に、全国的に、事業拠点やサプライチェーン、住居などの地方分散 化や国内回帰の動きに加え、リモートを活用したテレワークやワーケーションといった、いわゆ る三密を避ける働き方など、新しい生活様式の導入が急速に進んでおります。

道としては、こうした変化を捉え、豊かな自然環境や食資源、豊富な再生可能エネルギー、首 都圏等との同時被災の低さといった本道の優位性を生かし、拠点分散化や新しい働き方の受け皿 として貢献するとともに、世界の潮流となるゼロカーボンを目指すなど、本道の価値を経済の活 性化に結びつけていくことが重要であると認識しております。

このため、感染症の長期化を見据えた、中小・小規模企業の皆様の経営力の強化や雇用対策に 加え、感染症による社会経済の変化を捉えた施策を基本方針に盛り込み、ウイズコロナ・ポスト コロナ時代の経済対策として取組を進めてまいります。

次に、見直しの視点などについてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受 け、大変厳しい状況にある本道経済を回復軌道に乗せていくためには、新型コロナウイルス感染 症の状況に応じ、段階的に施策を講じていくことが重要と認識しております。

このため、道では、今回の基本方針の見直しに当たり、将来に備えるとの観点から、本道の基 幹産業である食や観光産業の新たな視点での活性化、さらに、急速に進展するデジタル化への対 応など、ポストコロナを見据えた社会経済の変化への対応と、これらを支える人材の育成確保な どに取り組むこととしております。

私としては、こうした取組に加え、現下の厳しい感染状況から苦境にある企業の皆様に将来へ の希望を持っていただくための支援が重要と考え、今回の見直しには、足元の経営力の強化や雇 用対策を新たな柱として位置づけ、本道経済の活性化につなげてまいります。

次に、来年度の予算編成についてでありますが、さきにお示しをした、今後の行財政運営の方 向性においては、引き続き、財政健全化に切れ目なく取り組むことができるよう、来年度予算の 編成に向けた暫定的な対策として、今年度の収支対策に加え、コロナ禍における施策の見直しを 通じた経費の節減のほか、財務体質の改善などにも継続して取り組むこととしたところでありま す。

こうした取組と併せて、一般財源総額の確保や、地方税の減収を補塡するための新たな仕組み の創設などを国に強く求めるとともに、社会情勢の変化を捉えたゼロベースでの事業の再検討、 財政調整基金による年度間の財源調整など、様々な取組により、収支不足の解消と、政策展開に 必要な財源の確保に取り組んでまいります。

私としては、本道の持続的発展に向け、感染拡大防止と社会経済活動の両立という喫緊の課題 はもとより、人口減少問題といった中長期的な道政課題にも着実に対応していくことができるよ う、国の予算編成や地方財政対策などもしっかり踏まえながら、来年度の予算編成に取り組んで まいる考えであります。

次に、書面規制等の見直しの検討状況についてでありますが、道民の方々から申請をいただく 許認可などの手続における書面規制、押印、対面規制の見直しについては、道民の方々の利便性 の向上や負担軽減はもとより、事務処理の迅速化や効率化にもつながる取組であると考えてお り、これまで、押印を求めている根拠などについて全庁調査を行い、実態の把握を進めてきたと ころであります。

道として、自らの権限で見直しが可能となるものについては、全ての規制を見直すとの原則の もと、現在までに、押印や書面提出を求めている根拠別に、見直しに向けた課題の整理を行った ところであり、先日公表された国における見直し方針も参考にしながら、今定例会中にも見直し の考え方をお示しするとともに、直ちに見直しが可能なものについては、令和3年1月から実施 できるよう、検討を加速してまいります。

次に、今後の行政運営についてでありますが、人口減少など、直面する様々な道政課題に的確 に対応するためには、職員の個の力を高め、道庁の総合的な組織力を発揮していく必要があり、 スマート道庁の取組を通じて、職員が持てる能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めるとと もに、効果的に政策を推進する組織体制の構築や人材育成の取組も併せて進めていくことが重要 であります。

このため、今回取りまとめた、今後の行財政運営の方向性では、仕事の仕方と勤務環境を変 え、組織風土改革につなげるスマート道庁の取組とともに、縦割り的な組織運営を見直すなど、 重要政策を総合的、一元的に展開できる体制の構築や、研修内容の充実を図るなど、職員の資質 や能力の向上にも取り組むよう示したところであり、この方向性のもと、各取組を一体的に実施 することで、スマート道庁の取組の着実な推進を図り、道庁の組織活力の向上と道民サービスの 質の向上につなげてまいります。

次に、北海道Society5.0の推進についてでありますが、人口減少や少子・高齢化、さ らには、新型コロナウイルスの感染拡大など、様々な課題に直面する本道において、ICTやA Iなど未来技術を活用した活力あふれる社会 ―北海道Society5.0の実現に向けた取組 を強力に推進していくことが一層重要となっております。

道としては、現在策定中の北海道Society5.0推進計画の実施に当たっては、先進的な ノウハウの導入や、多くの分野をまたがる関係者との連携が必要と考えており、庁内の体制整備 はもとより、オール北海道の推進体制を構築していけるよう、外部の専門家の方々の活用を含 め、他の自治体や国におけるデジタル化推進の動向なども踏まえ、必要な検討を進めながら、市 町村や産業界などとの連携の下、北海道Society5.0の実現を目指し、積極的に取り組ん でまいります。

次に、今後の交通政策についてでありますが、人口減少や、交通、物流を担う人材の不足に加 え、いまだ先行きが見通せない世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大による交通需要の減少 は、交通事業者の事業運営に深刻な影響を与えており、公共交通サービスを取り巻く環境は、よ り一層厳しさを増しております。

こうした中、道では、「新北海道スタイル」による感染防止と社会経済活動の両立を目指し、 鉄道やバス、タクシー、航空といった公共交通事業者の方々を対象に、交通事業者利用促進支援 事業 ― ぐるっと北海道の実施などによる交通需要の喚起に取り組んできたところでありま す。

道としては、引き続き、感染症の影響や利用状況を把握しつつ、交通需要の喚起を図りながら、交通事業者が安定的な事業を継続できるよう、様々な機会を捉え、国に働きかけてまいりま す。

さらに、本道の交通ネットワークを取り巻く環境の変化に的確に対応するため、MaaSをは じめとするシームレス交通の全道展開を図りながら、運輸連合に関する検討を進めるとともに、 交通事業者間の連携をより強化するために必要な支援制度を国に求めるほか、人、物、サービス の一体的、効率的な仕組みの構築により、移動や輸送の質を高めるなど、本道のさらなる発展を 支える交通ネットワークの実現に向け、地域や交通事業者といった関係者間の連携を一層強化し ながら、各般の施策に取り組んでまいります。

次に、文献調査についてでありますが、道の条例は、最終処分場を受け入れる意思がないとの 考えに立って制定されたものであることから、道では、寿都町や神恵内村に対し、条例の遵守や 慎重な対応をお願いしてきたところであり、文献調査の開始後も、この基本的な考えは変わりあ りません。

道としては、今後とも、両町村に対し、条例を遵守いただきたいこと、また、文献調査の終了 後、仮に概要調査に移行しようとする場合には、現時点では反対の意見を述べる考えであること について、様々なレベルで対話を重ねてまいります。

また、国に対しては、今月18日、文献調査の開始に当たり、北海道に特定放射性廃棄物を持ち 込まないことや、丁寧な説明、正確な情報の発信など、5項目について文書で申入れを行い、国 からは、各要望事項に対応する旨の回答を得たところであり、申入れ内容が着実に実施されるよ う働きかけてまいります。

次に、北方領土問題に関する今後の取組についてでありますが、本年9月の菅総理とプーチン 大統領との電話会談では、総理から、北方領土問題を次の世代に先送りすることなく、終止符を 打つため、平和条約締結の問題や四島交流等事業の重要性について述べられ、この問題に全力で 取り組む姿勢を示されたものと承知しています。

また、今月10日、政府への要請や請願団の代表として、一日も早い領土問題の解決を切望して いる千島連盟や全国の返還要求運動関係団体の皆様とともに、ロシア政府に対し、毅然とした態 度のもと、強力な外交交渉を推進するよう、総理へ要請したところであります。

私としては、今後とも、国や関係団体と連携し、万全な新型コロナウイルス感染症対策を講じ た四島交流等事業の早期再開を国に求めるとともに、北方領土問題の解決に向けた国民世論を一 層喚起するため、新たに、ICTを活用した北方領土のジオラマや、インターネットで発信する 映像を作成し、若い世代の方々を中心に、より関心を高める啓発活動を実施するなど、国の外交 交渉を支え、後押しする最大限の取組を行ってまいります。

次に、服務規律の確保についてでありますが、全庁を挙げて、公務員の倫理の確立や服務規律 の確保に取り組んでいる中、職員が逮捕される事案が相次いで発生し、道政に対する信頼を著し く損ねる事態となったことは、誠に遺憾であります。

知事として、責任を強く感じており、深くおわび申し上げます。

これらの不祥事の発生を受け、直ちに、全職場で公務員倫理研修などを実施したところであり ますが、関係職員への厳正な対処はもとより、専門的な知識を有する方々からの助言等もいただ き、動機や背景などを把握、分析しながら、コンプライアンス会議や職場研修など、あらゆる機 会を通じて注意や指導を繰り返し、職員一人一人の法令遵守や危機管理への自覚を一層高めてま いります。

また、職場内のコミュニケーションを深めるなど、これまで以上に風通しのよい職場環境づく りを進め、職員の生活状況の変化への気づきなど、各職場で一体感を持って不祥事を防止してま いります。

私としては、これまでの取組を充実強化しながら、組織全体として不祥事の防止に向けた対策 を徹底し、道民の皆様の信頼の回復に向けて取り組んでまいります。

次に、北海道地球温暖化対策推進計画についてでありますが、新たな計画では、2050年までの 温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向けた目指す姿を、長期的な視点と位置づけるとともに、 国の現行目標である2013年度比26%削減も踏まえながら、風力やバイオマスなど、本道に豊富に 賦存する再生可能エネルギーや、全国の22%を占める森林などの吸収源を最大限生かすことを基 本として、環境審議会で御審議いただき、2030年度の温室効果ガスの削減目標を設定し、年度内 に計画を取りまとめる考えであります。

道としては、新たな削減目標の達成に向け、テレワークなど、省エネにもつながる新たなビジ ネススタイルへの転換、住宅やビル等の建築物の脱炭素化、再生可能エネルギー由来の水素を活 用した自立・分散型のエネルギーシステムの構築、さらには、環境、社会などを重視するESG 金融の普及を促進し、環境イノベーションの誘導や展開につなげるなど、様々な主体の協働によ る、社会システムの脱炭素化の取組を着実に推進し、環境と経済、社会が調和しながら成長を続 ける北の大地「ゼロカーボン北海道」の実現を目指してまいります。

次に、看護職員の確保についてでありますが、道では、これまで、新たな看護職員の養成や就 業、定着、再就職の促進を柱として、確保対策に取り組んでおりますが、2025年の需給推計で は、約1400人の不足が見込まれるとともに、在宅・介護分野の需要増や地域偏在への対応などが 求められているほか、今般の新型コロナウイルス感染症への対応も必要な中、引き続き、看護職 員の確保対策を講じていくことが重要であると認識しております。

このため、道としては、こうした課題の解消に向け、北海道看護職員養成修学資金貸付金につ いて、貸付金の増額や、看護職員の不足圏域への就業促進を図るための加算制度の新設、貸付金 の返還免除対象施設の拡大などの見直しを検討しているほか、今年度から、新たに、在宅医療分 野や定年前後の看護職員に対する研修会を開催するなど、今後とも、総合保健医療協議会や関係 団体等の御意見も伺いながら、様々な施策に取り組み、看護職員の確保に努めてまいります。

次に、新たな農業・農村振興推進計画についてでありますが、本道の農業や農村は、我が国最 大の食料供給地域として、大きな役割を果たしており、今後とも、食料自給率の向上に一層貢献 し、それぞれの地域の農業が、個性と潜在力をフルに発揮して発展していくことが重要であると認識しております。

このため、今回の計画策定に向けては、全道各地で、農業者をはじめ、多くの関係者の皆様と の意見交換を行い、地域の実情に応じた基盤整備の推進やスマート農業の加速化、担い手や人材 の育成確保などについて、幅広い御意見をいただいたところであります。

新たな計画では、道民の皆様の御理解のもと、生産基盤や技術開発の強化による生産性の向 上、国内外における需要の拡大、農業に関わる多様な人材の育成や定着に重点的に取り組むとと もに、各振興局ごとに、地域の課題や取組の方向性などを目指す姿としてお示しすることとして おり、私としては、この計画に基づき、本道農業の生産力と競争力を一層高め、国民の食と地域 を支える力強い農業や農村を確立してまいる考えであります。

次に、パワーアップ事業についてでありますが、基盤整備は、本道農業の生産力や競争力を強 化する上で大変重要な役割を果たしており、道では、農家の方々の負担軽減を図るパワーアップ 事業を措置し、整備に積極的に取り組んでまいりました。

このような中、地域からは、この対策により、整備が促進され、スマート農業の活用や高収益 作物の導入が容易になるなど、生産性や農業所得の向上が図られ、さらには、6次産業化など、 農村地域の振興にも寄与していると高く評価されており、市町村や関係団体の皆様からも、事業 の継続を求める要望が多く寄せられております。

私としては、こうした地域の方々の声などをしっかり受け止め、農業・農村整備を計画的、効 率的に推進していくため、国に対して予算の確保を強く求めるとともに、パワーアップ事業を継 続したいと考えており、具体的な内容について早急に取りまとめてまいります。

次に、水産政策への対応についてでありますが、道では、漁業者が安心して漁業を営むことが できるよう、改正漁業法の施行に合わせ、新たに北海道漁業調整規則を制定し、資源管理状況の 報告の義務化、罰則の強化などに対応することや、漁業権制度が見直され、漁場を適切かつ有効 に活用している方に優先的に付与することなどについて、関係団体や漁業者へ説明を行っている ところであります。

また、TACによる資源管理について、魚種により、資源評価の方法が確立されていないこと や、対象魚種の拡大は、同時に漁獲されるほかの魚種の漁獲量の制限につながるなど、漁業関係 者の不安が大きいことから、道としては、漁業者への丁寧な説明に加え、ホッケなど、資源に回 復の兆しが見られている自主的な資源管理の取組が反映され、漁業者の意向や本道漁業の実情を 踏まえた制度となるよう、関係団体の皆様と連携し、引き続き、国に強く働きかけてまいる考え であります。

最後に、森林整備の推進についてでありますが、道では、未来につなぐ森づくり推進事業を活 用し、森林所有者による積極的な植林を推進してきた結果、伐採後に植林された面積の割合は8 割と、全国平均の3割を大きく上回っており、地域からも、事業の継続を望む声が多く寄せられ ているところであります。

今後、木材の生産はもとより、地球温暖化の防止など、将来にわたり本道の産業や環境を支える森林資源のさらなる充実を図っていくためには、関係者が一体となって、森林整備のコストの 低減に取り組みながら、これまで以上に植林を推進することが必要であります。

こうした中、国では、関連法案の延長による植林の促進対策を検討していることから、道とし ては、地方に有利な財政措置となるよう働きかけるとともに、市町村や森林組合の皆様と連携 し、機械化やICT技術の活用によるスマート林業などを一層進めつつ、植林費用の所有者負担 が軽減できるよう、継続した支援を検討し、本道の豊かな森林を着実に整備してまいる考えであ ります。

なお、その他の御質問につきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

○総合政策部交通企画監 柏木文彦
物流政策に関し、鉄道貨物輸送の役割などについて でありますが、本道の物流においては、人口減少や高齢化の進行により、トラックドライバー不 足が顕在化する中、農産品の収穫期に貨物量が増大する季節波動や、帰り荷が少ない片荷輸送な どにより、輸送体制の維持確保が課題となっていることに加え、本道と本州間においては、新幹 線のさらなる高速化が期待される一方で、青函トンネルにおける鉄道貨物輸送への影響が懸念さ れております。

こうした中、道といたしましては、鉄道などの各輸送モード間の役割分担や連携方策など、輸 送方法について、関係者の皆様の御意見を丁寧に伺いながら検討を進めるとともに、本道の産業 経済や道民の皆様の暮らしを支える上で重要な役割を果たしている鉄道貨物輸送の現状を十分に 踏まえた安定的な物流の確保について、国へ求めてまいります。

○建設部長 小林敏克
建設産業の振興等に関し、公共工事の発注などについてでござい ますが、本道の建設産業は、社会資本の整備や除雪などの維持管理、災害対応を通じ、地域の安 心、安全や、経済、雇用を支えており、将来にわたり安定的な経営が図られることが重要と考え ているところでございます。

このため、工事の発注に当たっては、適正な利潤が確保できるよう、道が策定いたしました、 品質確保に関する取組方針に基づき、最低制限価格の設定などに加え、地域の労務、資材等の取 引価格を予定価格に反映させるほか、発注後、資材価格の高騰や、遠隔地からの技能労働者を確 保する必要が生じた場合には、経費を追加計上するなどの対応を行っているところでございま す。

道といたしましては、取組方針を着実に推進するため、引き続き、関係団体などからの御意見 を伺うとともに、地域の実態を的確に捉えながら、より実効性のある取組を進め、建設産業の持 続的な発展に努めてまいります。

○教育長 小玉俊宏
太田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、道政上の諸課題に関しまして、教職員の服務規律保持の徹底についてでありますが、 児童生徒を指導する立場にある教職員による不祥事が相次いで発生し、さらに、今月、道教委職 員が、建造物侵入及び強制わいせつ未遂の容疑で逮捕され、学校教育への信頼を著しく損なう事 態となりましたことは、誠に遺憾であり、深くおわび申し上げます。

特に、わいせつ行為等の不祥事が依然として後を絶たない状況を踏まえまして、道教委では、 本年8月に、懲戒処分の指針を厳格化する改正を行うとともに、全ての教職員に対し、服務規律 の厳正な確保について、繰り返し指導を行っているところでございますが、今後、臨床心理の専 門家等の協力を得まして、未然防止に資する研修資料を新たに作成し、活用を図るとともに、管 理職が、教職員の児童生徒等への接し方などに関し、必要に応じ、個別に指導を行うなどして、 風通しのよい職場環境の整備に努め、不祥事の根絶に向けた取組を徹底し、学校教育への信頼の 回復に向けて取り組んでまいります。

次に、教育問題に関しまして、学びの保障についてでありますが、各学校におきましては、衛 生管理マニュアルを踏まえ、三つの密を回避しながら、授業の進め方を工夫するなどして、教育 活動を行っていると承知しております。

これまで、道教委では、コロナ禍におきましても、児童生徒一人一人の理解の状況に応じた、 きめ細やかな指導が行われるよう、学習指導員等の活用による指導体制の充実を図るとともに、 全国学力・学習状況調査の結果等を踏まえて作成しております北海道チャレンジテストを活用 し、具体的な授業改善例を周知してきたところであります。

また、感染拡大に伴う臨時休業や出席停止中の児童生徒に対し、オンライン学習の活用を促す とともに、民間企業が端末等を貸し出す仕組みを構築するなどして、学校や家庭への支援を行っ ております。

今後、実技系の学習も含め、感染リスクを低減する安全な活動事例についての情報提供や、臨 時休業を行った学校へのきめ細やかな指導助言などを通じ、誰一人取り残すことのない学びの保 障に力を注いでまいります。

最後に、学校行事についてでありますが、道教委では、学校行事等も含めた学校教育ならでは の学びを大切にしながら、教育活動を進めていくことが重要であると考えております。

各学校におきましても、それぞれの行事の教育的意義を踏まえ、安全、安心に配慮した十分な 検討を行い、運動会は、密集、接触を避けた種目に変更する、学芸会は、学年別とし、換気した 広い場所で行う、来場者を限定したり、オンラインでの参観とするなど、様々な工夫を講じ、実 施しているものと承知しております。

なお、今年度の修学旅行につきましては、11月末現在、小中学校は約9割、高等学校は約2割 の学校が既に実施済みであり、今後実施予定の学校におきましても、旅行先の感染状況を踏ま え、行き先や日程を改めて検討するとともに、宿泊先等、あらゆる場面での感染症対策を一層徹底の上で実施するよう、適切な指導助言に努めてまいります。

○警察本部長 小島裕史
太田議員の御質問にお答えいたします。
初めに、職員の規律の保持についてでありますが、犯罪を取り締まる立場にある警察官が違法 行為を行い、道民の皆様の信頼を著しく損ねる事態となったことは、誠に遺憾であり、深くおわ び申し上げます。

道警察では、非違事案の発生を受け、個々の事案に即した指導を行うなど、その再発防止に向 けた取組を徹底するとともに、一層きめ細やかな人事管理、業務管理に努めるよう指示をしてい るところであります。

また、内部通報制度や通報窓口を周知するなど、相談しやすく、風通しのよい職場環境の構築 に努めているところであります。

道警察といたしましては、道民の皆様の信頼を回復するため、引き続き、職員一人一人に警察 職員としての倫理観を浸透させ、道警察の活動指針である「道民とともに 道民のために 強く 正しく」を実践し、北海道の治安の維持に全職員が一丸となって取り組んでまいります。

次に、特殊詐欺等への対応についてでありますが、道内における特殊詐欺の被害は、本年10月 末現在で150件を認知し、その手口も、年々、悪質・巧妙化しており、高齢者からキャッシュカ ードをだまし取る手口の事件が多発するなど、依然として深刻な情勢にあると認識をしておりま す。

このため、道警察では、徹底した検挙活動を推進し、10月末までに118件を検挙しており、そ の中には、管内の事業者からの通報により、事件発生後、早期に犯人を検挙し、被害を未然に防 いだ事例もございます。

また、高齢者の被害を防止するため、「キャッシュカードは渡さない」など、分かりやすい被 害防止キャッチフレーズの周知のほか、高齢者宅における強盗を敢行するため、その資産状況を 聞き出そうとする不審電話への注意の喚起、さらに、特殊詐欺等への加担を誘引するSNS上の 投稿に対する警告等を実施しているところであります。

道警察といたしましては、引き続き、道民の皆様の御協力をいただきながら、検挙と予防の両 面から、特殊詐欺等への対策を強力に推進してまいります。

○道議 太田憲之
ただいま、知事、教育長及び警察本部長か ら、それぞれ御答弁をいただきましたが、以下、数点にわたり指摘をさせていただきます。

まず初めに、感染拡大防止の取組についてであります。

医療や社会福祉関係施設でのクラスターなどにより、札幌市をはじめ、道内の各地域に感染が 拡大しておりますが、対策などについては、休業要請等の追加対策や営業時間等の短縮の継続、検査体制等のさらなる整備や病床の確保などを進める旨の答弁にとどまっております。

道では、先月下旬から、何度かに分けて小刻みに対策を強化してまいりましたが、この間も感 染拡大の勢いは衰えが見えません。

特に、今月に入ってから死亡者が急増しており、春先から10 月までの死亡者数が110名に対して、今月だけで79名で、合わせて189名の方が亡くなられてお り、昨年1年間の交通事故死者数の152人を大幅に上回っているところであります。

道は、単に感染者数の多寡を確認するだけにとどまらず、お一人お一人の命に関わる事態であ るとの認識を全ての道民の皆様と共有し、道民が一体となって基本的な対策の徹底を図る必要が あります。

知事は、道民の皆様と危機感を共有し、具体的な行動変容を実現させるための取組を全力で行 うべきであると考えます。

このことをまず指摘しておきます。

次に、医療現場への対策についてであります。

医療現場への対策では、医療チームや専門家の派遣など、現場のニーズに応じた的確な対策を 講じ、医療機関の機能の維持を支援するとのことでありますが、医療現場でのクラスターによる 影響で、外来診療の一部休止や、応急診療などへの深刻な影響が現実のものとなりつつありま す。

医療現場を熟知する医療関係者からは、脳血管疾患、心筋梗塞といった疾病で緊急入院や手術 が必要なケースが、本道の場合、特に冬期間に増加する傾向があり、現在の医療提供体制では、 こうした、新型コロナウイルス感染症以外の救急医療の提供体制が機能不全を起こし、助かる命 も助けられなくなるといった、極めて厳しい現状認識が示されているところであります。

こうした事態を何としても回避し、道民の命に直結する医療体制を何としても守り抜く強い思 いで対策に取り組むべきです。この点についても指摘をしておきます。

次に、入院医療体制についてであります。

入院医療体制では、病床確保については感染状況に応じて柔軟に対応するとのこと、宿泊療養 施設については残りの2圏域についても設置に向けて準備を加速するとのことでありますが、各 圏域で病床等の逼迫の度合いが増しており、道の対応が後手を踏んでいる感は否めないところで あります。

重症患者も増加しており、常に先を見据えた早めの対策を講じるように指摘させていただきま す。

次に、警戒ステージの運用についてであります。

警戒ステージの運用に関連し、情報発信の在り方やステージ運用の妥当性について見解を伺い ましたが、知事は、熟慮を重ね、最善を尽くしてきたとしつつ、今なお厳しい感染状況が続いて おり、対策をより効果的に講じていくことが必要になるものと真摯に受け止めるとの答弁にとど まりました。

感染拡大が現在進行形で進んでいる厳しい状況を踏まえれば、まずは、当面の対策に全力で取 り組み、感染拡大を何としても食い止め、道民の安全の確保と不安解消に万全を期す必要がありますが、これまでの警戒ステージの運用に関しては様々な課題があり、特に、道が全道域での運 用にこだわったため、札幌の繁華街など一部地域で感染が深刻化していたにもかかわらず、警戒 ステージの引上げをちゅうちょし、結果として全道への感染拡大を招いた可能性があります。

今日の感染状況や医療提供体制の逼迫に至った経緯などについて、いずれ、しっかりと検証す る必要があると考えますので、まずはこの点を指摘させていただきます。

質問の中では、道民の皆さんの行動変容を促すための情報発信の在り方についても伺いました が、知事は、行動変容などの協力要請に当たり丁寧な情報発信を行うなど、道民や事業者に理解 されるよう努めてきたとし、情報発信の在り方を含め、対策の改善に取り組むとの御答弁であり ました。

危機管理に際しては、道民が第一の視点に立った、丁寧で分かりやすい情報提供が求められま すが、警戒ステージの運用の一環として、道民の皆さんに呼びかけを行う際に、不要不急の外出 といった表現を用いる例や、感染リスクを回避できない場合といった条件をつける例が目立ち、 道民の方々の間に、様々な解釈の余地を与えました。

その結果、具体的な行動変容に結びつかず、感染拡大抑止策として有効に機能しないばかりで はなく、道の情報発信全体に対する信頼性にも影響を及ぼした可能性があると考えます。

新型コロナウイルス感染症に対する有効な治療薬や治療方法が確立しておらず、ワクチンの開 発にも至っていない現状では、道民の皆さんの行動変容が、唯一と言っていいほどよい、有力な 感染拡大防止策であることを考えれば、誰にとっても誤解の余地がない、合理的で明快な情報発 信や広報活動、いわゆるリスクコミュニケーションが最も重要な政策手段であることを改めて認 識し、対策に当たる必要があると考えますが、この点につきましても指摘をさせていただきま す。

次に、札幌市との連携についてであります。

これまでの警戒ステージの運用等々、札幌市との連携に関し、知事の認識をお伺いいたしまし たが、札幌市内の状況について、これまで、市の分析に基づき、休業要請等を実施してきたと し、今後は、実効ある取組が行えるよう、一層緊密に連携していく旨、御答弁がありました。

保健所設置市である札幌市とは、感染症法上、対等、平等の関係にあることから、これまで も、様々な場面で丁寧な調整を行う必要があったと考えますが、このことが、いつの間にか、判 断の主導権を札幌市に委ねているといった印象を多くの道民に与えており、結局、そうした知事 の受け身の姿勢、札幌市の判断待ちの姿勢が、道としての主体的な判断や対策の遅れを招き、今 日の感染拡大に至ったと見られても致し方ないのではないでしょうか。

今回の感染症は、3月の新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正で、法的な位置づけが明 確になった感染症であり、道知事は、市町村長とは異なる、特措法上の固有の権限を付与されて おります。

そうした知事の法的な位置づけを十分に自覚した上で、関係市町村と連携し、適切な対策を時 期を逸することなく実施すべきであります。

この点についても指摘をさせていただきます。

また、休業要請等の延長に伴う事業者への協力支援金に関する札幌市からの支援要請につきま しては、深刻な感染拡大の状況などを総合的に勘案し、必要な予算を追加提案するという考えが 示されましたが、札幌市内で感染がここまで拡大した経緯やその背景などを踏まえ、道として、 どのような支援を行うことが道民の期待に応えることになるのか、適切に判断すべきでありま す。

この点も併せて指摘をしておきます。

次に、感染症対策と経済との両立についてであります。

知事は、国の「Go To トラベル事業」に関し、札幌市に関する事業の取扱いを一時見直 さざるを得ないと判断されましたが、札幌市内でも、関係者が予防策にしっかりと取り組んでお り、これまで大きな感染症の事例が見られない定山渓のような地域まで、一時停止の対象エリア に含まれることとなりました。

その一方で、感染者が急増し、医療提供体制の逼迫が懸念される道内の他都市では、「Go To トラベル事業」の一時停止の対象とはなっておりません。

また、「Go To トラベル事業」に関する札幌市についての知事の判断が、国との折衝を 経ながら、二転三転した印象も与えました。

こうした道の動きを目にした多くの道民にとって、今回の知事の判断が、十分な納得感を持っ て受け止めることができる内容だったのか、疑問を感じざるを得ないところであります。

観光関連事業者等に多大な影響を及ぼす需要喚起策の運用に関する判断に当たっては、地域ご との感染状況などに十分に配慮し、検討を行った上で、その結果を丁寧に説明することによっ て、幅広い道民の方々の理解が得られるよう、最善を尽くすべきです。

この点を指摘させていた だきます。

また、このたびの「Go To トラベル事業」の取扱い見直しの意向を国に伝えた際に、道 は、キャンセルに伴う損失の支援を国に要望したと伺っております。

道が実施中のどうみん割事業も、事業の趣旨としては、「Go To トラベル事業」と共通 しており、キャンセル料の取扱いについても、国に準じた対応が求められます。

道は、今回の突然の政策変更に翻弄される観光関係者の戸惑いや将来への不安に思いを致し、 事業者のそれぞれの事情に寄り添った、きめ細かな支援措置を早急に示す必要があります。

この 点も強く指摘をさせていただきます。

最後に、北海道地球温暖化対策推進計画についてであります。

中期目標となる2030年度の目標値の設定の考えなどについてもお伺いをさせていただきました が、知事からは、国の削減目標も踏まえ、豊富な再生可能エネルギーや森林などの吸収源を最大 限生かすことを基本に、環境審議会で審議し、温室効果ガスの削減目標を設定する旨の答弁にと どまっております。

2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標は、先日、オンライン方式で行われ ましたG20サミットでの菅総理の国際公約であり、知事としても、自らの公約の実現に向けて、 しっかりとした取組が求められます。

削減に向けて、建物の脱炭素化や、再生可能エネルギー由来の水素を活用したエネルギーシス テムの構築などの取組が示されましたが、今からでも活用できるFCVや、家庭用燃料電池、い わゆるエネファームといったものの導入促進はもとより、何よりも、CO2 排出の大きな割合を 占める化石燃料の使用縮減を進める必要があると考えます。

また、現在、見直しを進めている、本道経済の活性化に向けた基本方針についても、知事は、 本道の豊富な再生可能エネルギーといった本道の優位性を生かし、世界の潮流となるゼロカーボ ンを目指すなど、本道の価値を経済の活性化に結びつけていくことが重要との認識を示されてお ります。

地球温暖化対策の推進に当たっては、環境制約をばねとし、新たな産業を育てていくといった 観点からも、関係部局が連携し、積極的に推進をしていく必要があります。

この点も併せて指摘 させていただきます。

以上、新型コロナウイルス感染症対策などについて指摘をしてまいりましたが、中には、道に とって耳の痛い指摘もあったかと思います。

道職員の皆様が、様々な場面で、新型コロナウイルス感染症対策に尽力しておられることは、 我々議員も十分に承知しており、心から敬意を表する次第でございます。

しかし、あえてこうした指摘を行いますのも、道民の皆さんが道庁に大きな期待を寄せてお り、その期待に十分に応えていただきたいと考えるからでございます。

今後は、新型コロナウイルス感染症の克服に向けて、全ての職員の皆さんが力を結集して、様 々な対策の実施に一層努められ、道民の皆さんの安全、安心の確保に全力で取り組んでいただき たいと考えます。

我々北海道議会議員も、知事をはじめとする皆さんと力を合わせて、この難局を乗り切るため に、それぞれの立場で最大限努力してまいります。

こうした我々の覚悟も最後に述べさせていただき、指摘をした事項を含め、引き続き、我が会 派としてただしてまいることを申し上げ、私からの質問を終わります。