令和2年第1回定例会

令和元年度北海道一般会計補正予算に関する質疑


道議太田憲之

自民党・道民会議を代表して、先ほど提案のありました令和元年度補正予算案について質問してまいります。
 初めに、国の補正予算に対する道の評価などについて伺ってまいります。国は、昨年12月5日に閣議決定した「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」に沿って、このたびの国補正予算を決定したものと承知しております。この対策では、一つ目として、相次ぐ自然災害の発生を踏まえ、防災、減災、国土強靱化の取り組みをさらに強力に推進すること、二つ目として、通商問題を巡る海外発の下方リスクに備えて、あらかじめ万全の対策を講じ、生産性向上など未来に向かってチャレンジするため、農林水産業や地方を重点的に支援すること、三つ目として、民需主導の持続的な経済成長の実現に向けた取り組みを継続、強化するため、国を挙げてSociety5.0という新しい時代の実現を加速するため、これを担う人材の育成に大胆に取り組むこと、この三つの大きな柱が掲げられております。
 これらの課題は本道にとっても非常に重要であり、必要な配分額等を確保した上で、積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、本道に対する国予算措置の全体像に対して、道はどのように評価をしているのか、また、今後は、この経済対策予算を活用し、どのように取り組んでいく考えなのか、お伺いいたします。

 次に、防災、減災、国土強靱化の取り組みについてお伺いをいたします。
 近年、激甚化している災害により、全国各地で甚大な被害が頻発している状況を踏まえ、国では、平成30年12月に「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を閣議決定し、3年目に当たる令和2年度当初予算においても、臨時、特別の予算措置を行っております。
 一方で、今回の国の補正予算では、本年度に発生した一連の台風被害等で明らかとなった水害対策上の課題を中心に、来年度の台風シーズンに備え、防災、減災、国土強靱化の取り組みをさらに強化する取り組みが措置されております。
 本道におきましても、平成28年の大雨災害では、河川の氾濫に加え、道内の主要都市を結ぶ道路網が寸断されるなど、災害による被害が激甚化、頻発化しているところであり、災害に備えた公共インフラの機能強化に迅速に取り組まなければならないものと考えます。
 このたび提案された道の補正予算においては、道路、河川事業を初めとする公共事業が計上されておりますが、防災、減災、国土強靱化の対策として、具体的にどのような取り組みが盛り込まれているのか、また、今後どう公共インフラの強化を進めていく考えなのか、道の見解をお聞かせ願います。

 次に、農業対策についてであります。
 国は、この経済対策において、経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援の中において、農林水産業の成長産業化と輸出力強化の加速を取り組み項目の一つとして掲げております。
 これは、TPP11、日EU・EPAの発効に続き、日米貿易協定により、我が国の農林水産業は新たな国際環境に入ることから、生産現場の懸念と不安を払拭しつつ、新たに獲得したチャンスを最大限に生かし、生産基盤を強化するとともに、輸出にも対応した強い農林水産業、農山漁村を構築することを目的としているものと承知しているところであります。
 このたび提案された補正予算では、特に、農畜産業の分野においては、さまざまな産地基盤の継承、強化や高機能化の推進に資する取り組みが措置されており、その規模は相当なものであります。
 国は、国内需要への対応も含め、今回の対策により、規模の大小を問わず、意欲ある農業者等が安心して経営に取り組めるようにするなど、万全の対策を講じるとしており、道としても、国際環境の変化に対応するため、この予算を最大限有効に活用して、本道農業の競争力強化につなげていかなければならないものと考えますが、今後どのように取り組んでいく考えなのか、道の見解をお聞かせ願います。

 次に、担い手不足対策についてであります。
 国は、担い手不足や後継者問題に対処するため、就職氷河期世代を含む幅広い世代の就農希望者の就農準備支援や、リカレント教育の提供等、地域における受け入れ支援体制を充実させるため、新規就農支援緊急対策事業を措置したところであり、道におきましても、研修用園芸ハウス等の施設整備に関する予算案が提案されているところでございます。
 しかしながら、施設を整備したのみでは、新規就農者の受け入れ体制を整備したことにはならず、募集から実際の就農までをサポートする、地域全体のソフト面での環境整備が欠かせないものと考えます。
 道は、このソフト面の環境整備を含めて、研修施設をどのように活用し、どう担い手不足の解消につなげていく考えなのか、見解をお聞かせ願います。

 次に、輸出対応施設等の緊急整備についてお伺いをいたします。
 国においては、農林水産物のさらなる輸出拡大に向けて、輸出先のHACCP等に対応するため、食品製造事業者等が行う施設の新設、改修等に対する予算を措置しております。
 道においても、令和5年に道産食品の輸出額1500億円を目指し、取り組みを進めておりますが、輸出先国の規制内容に合致する施設整備を行うことは、この目標の達成に欠かせない重要な要素であり、輸出拡大の効果が最大限発揮される食品分野に重点的に投資していく必要があると考えます。
 道は、輸出額1500億円の達成に向け、この事業をどのように活用していく考えなのか、見解をお伺いいたします。

 次に、林業における国際競争力の強化についてお伺いをいたします。
 国は、今回の補正予算において、木材製品の国際競争力強化のため、原木の安定供給、生産コストの低減を図るための予算を措置しており、道においても、これに対応した補正予算を提案しておりますが、その内容は主に路網整備であり、直接的に輸出拡大等に対応したものとは言いがたい内容となっております。
 輸出の拡大には、生産コストの低減を図ることが重要であり、そのためには、路網整備も重要な要素の一つであることは理解いたしますが、今後の木材の輸出促進に向け、より付加価値の高い木材等の生産や新技術の開発等にも取り組んでいく必要があると考えます。
 道産木材の輸出拡大に向け、どのような課題があると認識しているのか、また、今後どのように取り組んでいく考えなのか、見解をお伺いいたします。

 最後に、GIGAスクール構想についてお伺いをいたします。
 国は、我が国の将来は何よりも人材にかかっているとした上で、初等中等教育におきまして、Society5.0という新しい時代を担う人材の教育環境の整備を推進するため、事業を実施する地方公共団体に対し、国として、継続的に財源を確保し、必要な支援を講ずることとしております。
 国のGIGAスクール構想においては、国公私立を問わず、全国一律のICT環境の整備が急務としているところであり、今回、予算案が提案された道立校のみならず、希望する全ての小・中・高等学校等における校内LANや、児童生徒が使用する1人1台のPC端末を今後整備していくとしております。
 教育環境の整備を通して、新たな時代を担う人材に重点的な投資を行うことは、本道の持続的発展には不可欠で、大切な取り組みであり、本州等の自治体におくれをとることなく、また、道立、市町村立、私立を問わず、本道が一体となって、この取り組みを推進していかなければならないものと考えます。
 道は、GIGAスクール構想の重要性をどのように認識し、今後どう対応していく考えなのか、知事並びに教育長にお伺いをいたします。

知事鈴木直道

 最初に、国の補正予算についてでありますが、このたびの補正予算では、防災、減災、国土強靱化の強力な推進や、総合的なTPP等関連政策大綱に基づく農林水産業の生産基盤強化、さらには、Society5.0時代を担う人材投資や、民族共生象徴空間――ウポポイの開業に向けた施策の充実など、これまで道が市町村や関係団体等と一体となって提案要望してきた事項が反映されたものと受けとめております。
 道といたしましては、引き続き、本道への重点配分など、必要な予算の確保に努めるとともに、こうした国の施策や予算を最大限に活用し、強靱な北海道づくりや力強い農林水産業の振興、本道の未来を担う人づくりに向けた教育環境の整備などに全力で取り組んでまいります。

 次に、防災、減災、国土強靱化の取り組みについてでありますが、先月成立した国の補正予算では、自然災害からの復旧、復興の加速、防災、減災、国土強靱化の強力な推進などに必要な経費が計上されたところであります。
 道では、このたびの国の補正予算を活用し、北海道強靱化計画に基づく対策をさらに進めることとしており、具体的には、氾濫発生の危険性が高い河川における河道掘削、堤防強化、高波などによる護岸等の倒壊防止対策、農業水利施設、ため池、治山施設、森林、漁港等の強靱化、災害時にも地域の輸送等を支える道路の整備などを実施する考えであります。
 今後は、気候変動を踏まえた水災害対策のあり方の検討など、国の動向を注視しつつ、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の継続、拡充を国に働きかけるなどして、必要な予算の確保に努め、道民の皆様の安全、安心を支える公共インフラの強化に一層取り組んでまいります。

 次に、農業の基盤強化等についてでありますが、日米貿易協定が発効するなど、新たな国際環境下において本道農業が持続的に発展をしていくためには、農業の生産基盤の強化や担い手の育成確保を図るとともに、道産食品の輸出拡大などを推進し、多様な担い手が将来に希望を持ち、安心して営農に取り組める環境を整備していくことが重要であると考えております。
 このため、私といたしましては、畜産クラスター事業や農業農村整備事業による生産基盤の強化のほか、輸出対応型施設の整備など、このたびの国の施策をフルに活用するとともに、和牛の生産体制の強化や新規就農者のサポート体制の充実、道産牛肉や日本酒の輸出拡大などに積極的に取り組み、本道農業の生産力と競争力の強化に力を尽くしてまいります。

 次に、農業の担い手対策についてでありますが、農業者の減少や高齢化が進む中、本道の農業、農村が持続的に発展をしていくためには、地域の研修施設や先進農家等において、就農を志す幅広い世代の方々を積極的に受け入れ、気候や土地条件に即した技術や知識の習得を図るなど、次世代を担う農業者の育成確保に取り組むことが極めて重要であると考えております。
 このため、道では、関係機関・団体と連携をし、就農希望者への研修受け入れや就農情報の提供のほか、就農前後の資金の交付、きめ細やかな就農相談など、地域における受け入れ環境の一層の充実に取り組みますとともに、整備する研修施設等を技術習得やリカレント教育の拠点として活用することにより、多様な就農希望者の円滑な就農に積極的に取り組んでまいります。

 次に、道産食品の輸出拡大についてでありますが、道産食品の輸出拡大に当たっては、相手国の衛生基準や国際認証等に対応した体制整備が不可欠であり、道内においては、中国向けの米や米国向けの牛肉を輸出可能とする施設の整備を進めてきたところでございます。
 こうした中、国は、農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律を制定し、今年度の補正予算から、食品事業者が行う輸出向けのHACCP等に対応した施設整備を支援する事業を創設したところでございます。
 道といたしましては、こうした国の予算も活用しながら、道内の輸出環境整備を促進するとともに、関係機関や団体と連携し、海外でのプロモーションやバイヤーの招聘などを通じて積極的に市場を開拓し、道産食品輸出額1500億円の達成に向け、全庁一丸となり、取り組んでまいります。

 次に、道産木材の輸出拡大についてでありますが、輸出拡大に当たっては、原木の安定供給や生産コストの低減を図るとともに、効率的な加工体制の構築や道産木材のブランド化を進め、海外の木材製品との競争力を強化し、海外においても需要を一層拡大していくことが課題であると認識しております。
 このため、道といたしましては、国のTPP等関連予算などを活用し、原木供給の低コスト化や木材産業の体質強化を図るため、高性能林業機械の導入、路網や加工施設などの整備を支援するほか、首都圏や海外の展示会などにおいて、高度な技術を生かした建築用の集成材や家具など、魅力ある道産木製品を「HOKKAIDO WOOD」としてPRし、海外バイヤーとのマッチングを進めるなど、道産木材の国際競争力を強化し、本道の林業・木材産業が将来にわたり持続的に発展できるよう取り組んでまいります。

 最後に、GIGAスクール構想についてでございますが、Society5.0時代の到来を見据え、子どもたちの情報活用能力の育成と、その基盤となる学校のICT環境の整備は非常に重要であり、国のGIGAスクール構想は、広域分散型の北海道においてこそ進めていくべき取り組みであると認識しております。
 現在策定中の総合教育大綱においても、情報教育の充実や、ICTを活用した遠隔教育の充実などを掲げているところであり、私といたしましては、北海道で育つ全ての子どもたちが、高度なICT社会においても、未来を担う人材としてたくましく成長することができるよう、道教委とも連携をしながら、本道の教育環境の整備に取り組んでまいります。

教育長佐藤嘉大

 GIGAスクール構想についてでありますが、新年度から順次実施される新たな学習指導要領では、子どもたちが、将来の予測が難しい社会において、必要な情報や情報手段を主体的に選択、活用して、新たな価値を創造していくため、情報活用能力を学習の基盤となる資質、能力に位置づけるとともに、学校のICT環境の整備と、ICTを活用した学習活動の充実を明記しており、GIGAスクール構想は、学習指導要領の着実な実施と、創造性を育む学びを実施、実現する上で極めて重要な取り組みと認識をしております。
 道教委としては、こうした考えのもと、市町村教育委員会や学校と緊密に連携を図りながら、国の財政支援を活用した、学校のICT環境の整備を進めるとともに、それらを生かした授業の改善充実に向け、道教委内の組織体制を強化し、全力で取り組んでまいります。