アウトバウンドと経済活動について

 予算特別委員会第2分科会 において、海外からの観光客等が来道するインバウンドに対して、道民が海外へ赴くアウトバウンドの現状と、諸外国との経済活動について伺いました。

太田憲之委員

  まず初めに、アウトバウンド対策についてお伺いをいたします。 観光振興の観点からのアウトバウンドの推進についてですが、現在、多くの外国人観光客の方々が北海道を訪れ、北海道へのインバウンドは増加している一方で、道民のパスポート取得率は 全国平均を下回るなど、インバウンドとアウトバウンドに大きな差が生じているところでござい ます。 私自身も、視察等で海外へ行った際に、相手国の方から、北海道からもっと多くの人に来てほ しいということをよく言われるところでございます。 観光立国・北海道の実現のためには、インバウンドとアウトバウンドの双方向での交流を拡大 させることが重要であり、とりわけ、グローバル化が進む中、今後を担う若い世代が海外へ積極的に出かけて、国際感覚を涵養し、相互理解を進めることは非常に必要であると考えます。
 観光施策として、北海道に来てくださいと呼び込むだけではなく、道民の方々にも海外へ出かけていってもらうような取り組みを行い、双方向の交流を進めるべきではないかと思うところで ありますので、以下、道のアウトバウンドに対する考えについて、順次お伺いをさせていただき たいと思います。 まず初めに、北海道において、インバウンドとアウトバウンドの割合がどのようになっている のか、現状についてお聞かせ願います。

匂坂観光局参事

 本道におけるインバウンドとアウトバウンドの割合についてでございます が、平成29年における来道外国人観光客数は約270万人に対し、平成29年の北海道からの出国者 数は約33万人と、インバウンドがアウトバウンドを約8倍上回っている状況でございます。

太田憲之委員

 今の御答弁で、インバウンドとアウトバウンドの割合が約8倍という状況を聞 きまして、非常に差があるなと感じたところであります。 2015年には、訪日外国人旅行客数が1974万人となっております。そして、出国日本人数 ― アウトバウンドが1621万人と、この年に、45年ぶりにインバウンドとアウトバウンドの数字が逆転したと言われております。 当時は、2003年から観光立国の取り組みを国として進めている中で、先ほど言ったように、45 年ぶりにインバウンドとアウトバウンドの逆転現象が起こりました。
 そもそも、日本人が外国に行くようになったのは、東京オリンピックがあった1964年にパスポートを観光目的で取得できることとなってからということでありますが、その年は、日本人の出 国者数の13万人に対して、日本に来た外国人は35万人ということで、約3倍近くの開きがあったと言われます。 それから、どんどん年数がたちまして、1971年に固定相場制から変動相場制になった際に、ア ウトバウンドがインバウンドを抜き、1972年にはアウトバウンドが100万人を超え、1990年には 1000万人を超えて、その後、アウトバウンドは1500万人から1700万人前後へと進んでいるところ でございます。
 こういった中、近年、インバウンドは、2013年に1000万人を超えて、2016年には2400万人を超えたところでございます。これは、ひとえに、円安、またはアジア圏から距離が近いこと、日本の文化に対する魅力があるからだと感じているところでありますが、それにしましても、北海道については、その割合に 8倍の差があるということで、非常に大きなものであります。 北海道だけで同じ人数を受け入れるというのは大変に厳しいものがありますが、そういったことを踏まえたとしても、北海道にいっぱい来ているから対応できないということで、アウトバウ ンド対策をやらないということでは、今後のインバウンドの引き込みに対しても悪影響が出るのではないかと懸念しているところでありますので、次の質問を伺いたいと思います。
 インバウンド誘致を促進するためには、北海道として、一方的にプロモーションを行うだけではなくて、インバウンドとアウトバウンドのバランスが非常に重要であり、道民の方々に海外に 行きたいと思ってもらえるよう、海外としっかりと連携し、相互に送客を行うことが結果的に効果的な誘致活動になると考えますが、この点に関して、北海道としての所見をお聞かせ願います。

佐藤誘客担当局長

 効果的な誘致活動についてでございますが、インバウンド誘致にとって、 国際定期航空路線の果たす役割は重要でございまして、航空路線を維持拡大するために、インバウンドだけではなく、一定のアウトバウンドを確保していく必要もあると認識しております。そのため、道といたしましては、ウェブプロモーションや新聞広告、テレビ番組の制作、放送 に取り組むなど、今年度から、海外の航空会社と連携し、相互送客の拡大に努めることとしております。 以上でございます。

太田憲之委員

 御答弁をいただきましたが、観光局としては、今後、アウトバウンド施策に対 してどのように取り組んでいくお考えなのか、観光振興監の意気込みをお聞かせ願います。

三瓶経済部観光振興監

 今後の取り組みについてでございますが、少子・高齢化が進み、急激 な人口減少が見込まれる中、道内外はもとより、海外からの観光客を呼び込み、稼ぐ観光の実現 を目指すためにも、アウトバウンド対策は大変重要であるというふうに考えてございます。
 このため、路線確保や、将来的なインバウンド対策の観点からも、多くの道民の方、特に、若 年層の方々が海外に出かけ、現地におきまして、その国の方々と交流していただくことが重要で ありますことから、今後、道といたしましては、北海道観光振興機構を初めとした民間事業者と 連携を図りながら、プロモーションに取り組むなどし、アウトバウンドの拡大に努めてまいります。 以上でございます。

  太田憲之委員

  今、若者の何とか離れとかが言われている中で、若者の海外旅行離れも言われております。そういった面もないことではないのですけれども、実際、調べたところによりますと、若者だけではなく、全ての年代で海外旅行をするという数字が減っているということでございます。 1998年から2018年の間で、日本国民全体のアウトバウンドに対する消費が、当時は3兆円あったのが、今は1.8兆円と、約半分近くになっているということでございます。 アウトバウンドの減少は、将来の日本の経済成長を阻害する要因にもなりかねないという懸念もございますので、道としても、この点に着目して対策に取り組んでいただきますよう指摘をさせていただきまして、次の質問に移ります。 次に、台湾との経済交流についてお伺いいたします。
 台湾は、昨年、約60万人の観光客が来道するなど、インバウンド観光を牽引し、ホタテガイや ナガイモを初めとする道産食品の輸出も進み、現地の百貨店では北海道フェアが開催されるなど、北海道にとって非常に重要な経済交流の相手となっているところであります。 また、旭川、北見、釧路など、道内各地に23に上る台湾との親善協会が設立されるなど、民間 ベースでの交流が大変活発な地域であります。こうした中、台湾との経済交流にしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、以下、道の考えを伺ってまいります。
  まず初めに、これまでの取り組みについてであります。 台湾との経済交流につきましては、我が会派が提案しました北海道チャレンジショップを平成 29年10月に台中市内の百貨店に開設し、1年半にわたり、道産品のテスト販売に取り組んできたと伺っているところでございます。 これまでの取り組みをどのように進め、どのような成果が得られたのか、お聞かせ願います。

上野国際経済室参事

 これまでの取り組みと成果についてでございますが、台湾市場に向け て、道内企業や地域の皆様が道産品のマーケティングや観光情報の発信を行うことができる拠点 として、平成29年10月に、北海道チャレンジショップを台中市の百貨店に開設いたしました。 このチャレンジショップでは、本年3月末までの1年6カ月で、累計69社、197品目のテスト 販売を行い、約3500万円の総売り上げを得ましたほか、石狩や留萌、釧路など、道内各地域のプロモーションの実施や、テレビや新聞、発信力のある著名人のSNSなど、さまざまな媒体を通 じて、本道の魅力を発信いたしました。 この結果、ラーメンや菓子、ミネラルウオーターのほか、ソフトクリームなどの実演販売が人 気を博するといった傾向を把握できたほか、台湾のバイヤーとのネットワークを構築したところ でございます。

太田憲之委員

 これまでの取り組みや成果についてお伺いいたしましたが、それでは、これま での1年半にわたる北海道チャレンジショップの運営を通じまして、どのような課題が浮かび上がってきたのか、わかる範囲でお聞かせ願います。

○田邊国際経済室長

 課題についてでございますが、台湾の景気に一部減速の兆しが見られる中、小売販売が減少傾向となる一方、ソフトクリームなどの実演販売は好調な売り上げを得たこ とから、飲食でのテスト販売をふやすなどの対応が必要と考えております。 また、台湾のバイヤーからは、飲食店向けなどの業務用商品へのニーズが示されていることか ら、道内企業とのマッチングなどにより、業務用の販路開拓への取り組みが必要と考えておりま す。
 さらに、道内の各地域から現地プロモーションへの支援が求められていることから、食や観 光、文化など、本道の魅力の継続的な発信に向けた取り組みが必要と考えております。 以上でございます。

太田憲之委員

 これまでの取り組みでは、小売販売が苦戦し、実演販売など、飲食分野が好調 だったとのことでありますが、取り組みで得た情報を生かして、次のステップに進めていくこと が重要ではないかと考えます。
  台湾との経済交流を一層活性化させるため、北海道チャレンジショップの次のステップとなる 情報発信拠点を新たに設置すべきと考えますが、これまでの成果や課題を踏まえて、今後、道と してどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

倉本経済部長

 台湾との経済交流に関しまして、今後の取り組みについてでありますけれど も、道といたしましては、これまでのチャレンジショップの成果などを踏まえまして、道内の地 域や企業がチャレンジしやすい環境を整備するため、今年度は、現地の事業者と連携をいたしま して、道産品のマーケティングや観光情報の発信拠点となるカフェを、9月ごろを目途に台中市 に開設することといたしているところでございます。
  今後、この拠点を活用し、新たに道産食材を使ったメニューを提供するなど、小売と飲食の両 面でのテスト販売に取り組むほか、これまで構築した台湾バイヤーとのネットワークを活用しまして、道内及び現地での商談を実施してまいります。 加えまして、道内各地域のプロモーションを期間を決めて集中的に実施するほか、SNSなど を活用して、食と観光、アイヌ文化といった本道の魅力を継続的に発信するなど、道産品の販路 拡大や観光情報の発信に積極的に取り組んでまいります。 以上でございます。

太田憲之委員

 これからは、発信拠点となるカフェを中心に、情報発信や交流の拠点になってくれることを期待しているところであります。 この台中の北海道チャレンジショップでありますが、当時、私も、議連の一員として行かせて いただきまして、そこでの話し合いで決まったことでございます。 やはり、こちらから伺って、現地の方々と交流し、そこでつながったきずなで一歩を進める事 業はこれからも必要であります。
 我々議員団といたしましても、その点をしっかりとやっていき ますので、道庁との両輪で、諸外国との相互利益につながるような取り組みを進めていただくことを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。