令和元年第3回定例会

第3回定例会議にて一般質問させていただきました。

 1.電気通信政策の推進について
 2.山岳遭難対策について
 3.世界津波の日高校生サミットと防災教育について
 4.北方墓参事業について
 5.有害鳥獣の駆除について 

道議太田憲之

電気通信政策の推進についてお伺いをいたします。
 広域分散型社会を形成し、人口減少が全国を上回るスピードで進行する北海道において、過疎地域などの条件不利地域におけるブロードバンド環境の整備を推進し、5Gを初めとする未来技術の利活用を推進することが、安全、安心な地域社会の実現や産業の活性化、地域振興につながると考えます。
 しかしながら、農村部や山間部など、条件不利地域におきましては、採算性の問題から、民間事業者による超高速ブロードバンドなどの地域情報基盤の整備が進まない状況にございます。
 そういった現状にあることから、総務省として、条件不利地域を対象として、5G基地局整備などに必要となる光ファイバーの整備の一部を補助する高度無線環境整備推進事業が令和元年から新規事業として行われ、予算額は52.5億円と伺っており、令和2年度の概算要求でも64.8億円が計上されているところでございます。
 総務省の事業といたしましては、古くは、過疎地域等の市町村を対象に、加入者系光ファイバー網設備整備事業の名称で実施され、北海道では、長沼町、ニセコ町、倶知安町がこの事業を活用しております。
 また、先日の一般質問でも我が会派の同僚議員が触れました、IT企業の誘致に成功している徳島県の神山町なども、こういった事業でインターネット環境を整備しておりますが、その後の地域の発展の状況に関しましては、皆さんも御存じのことかと思います。
 特に、神山町と隣の佐那河内村には、実際に視察に行ってきて、関係者から直接話も伺い、周辺の環境についても確認をさせていただきました。
 当時は、地上デジタル放送化に伴って民間放送が視聴できなくなってしまう可能性に見舞われましたが、そのときに、「ピンチをチャンスに!」を合い言葉に、このことを契機として、徳島県全域にケーブルテレビ網が張りめぐらされることとなったそうです。
 自然豊かな環境と都心よりすぐれたインターネット回線に魅せられた多くの企業が、本社やサテライトオフィスを置くまでになったとのことでありました。
 北海道にも徳島県に負けない自然環境がありますので、北海道の特性や環境を生かし、地方創生を打ち出していくためにも、条件不利地域におけるブロードバンド環境の整備について、道としてどのような取り組みを進めていく考えなのか、御所見をお伺いいたします。

次に、山岳遭難対策について伺ってまいります。本道には、1300を超える山々があると言われており、その中には、北海道百名山というものも選定され、また、全国百名山の中に含まれる山も九つ存在しております。
 標高や自然環境もさまざまでありますことから、登山に要する時間や難易度のレベルもそれぞれ異なっているところでございます。
 北海道警察の資料によりますと、平成28年から平成30年の3年間の山岳遭難の発生件数は、登山にかかわるものが228件、山菜とりによるものが268件、バックカントリースキー等によるものが130件発生しているとともに、毎年、山岳遭難で10名以上の方が命を落としている現状にございます。
 こうした山岳遭難が起こる要因はいろいろと考えられますが、登山者の技量や体力に見合った山であるかを登山者がみずから事前に把握できていたならば、遭難に至らなかった事案もあるのではないかと思うところでございます。
 現に、他県では、登山者があらかじめ山岳の特徴を把握できる取り組みも行われていると伺っております。また、登山計画書を提出していたならば、万が一遭難した際には、速やかな捜索に結びつけることができるのではないかとも考えるところでございます。
 そこでまず、お伺いをいたしますが、道内の登山などでの山岳遭難ついて、道はどのように認識し、今後、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお聞かせ願います。

次ですが、平成26年に、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火し、多くの登山者が犠牲になったことはまだ記憶に新しいことかと思います。
 道内にも多くの活火山がありますが、火山活動が活発化するおそれがあるなどの理由により、24時間、常時観測されている火山もあり、道内の山岳遭難対策を行う上で、火山噴火対策も同時に取り組まなければならないのではないかと考えます。
 火山は、風光明媚なところも多いことから、多くの登山愛好家が訪れるなど、本道にとっては重要な観光資源ともなっておりますが、一たび噴火すれば、大きな災害を引き起こす可能性もはらんでいるところでございます。
 こうした国内外の登山客の安全確保を図ることは、本道の観光推進の上からも重要ではないかと考えるところでありますが、道の火山への対策とその取り組みについてお聞かせ願います。

次に、バックカントリースキーについてお伺いをいたします。
 近年、道内のスキー場には、世界一とも言われるパウダースノーを求めて、国内外から多くのスキーやスノーボードを楽しむ方々が訪れております。
 特に、後志管内のニセコ地区では、長期滞在の外国人観光客が多く訪れ、海外からの投資も盛んに行われており、地価や賃金が上昇するなど、地元へ大きな経済効果をもたらしているところであります。
 一方で、幸い、過去2年間は死亡事故が発生していないものの、スキー場の施設を利用してコース外で新雪を楽しむスキーヤーの増加に伴い、装備が不十分等の理由により、遭難事故は増加傾向にあります。
 これから本格的なスキーシーズンを迎えるに当たって、スキーを安全に楽しむためにも、このようなバックカントリースキーによる遭難事故の防止策を講ずる必要があるのではないかと考えますが、道の御所見をお聞かせ願います。

次に、「世界津波の日」高校生サミットについてお伺いをいたします。
去る10日、11日の両日に、北海道及び北海道教育委員会が主催します「世界津波の日」高校生サミットが札幌市内で開催されました。
 この高校生サミットは、2015年の国連総会で、日本の提唱により「世界津波の日」が制定されたことを機に、世界各国の高校生が津波の脅威と対策を学ぶ場として創設されたものでありますが、4回目となりますことしのサミットは、自然災害から生命、財産を守るとともに、生活や経済に及ぼす影響を最小化する国土強靱化の担い手となる将来のリーダーの育成、さらには、世界各国とのきずなを一層深めることを目的として開催されたと伺っております。
 近年、世界各地で自然災害が頻発化、激甚化する傾向にある中、本道においても、昨年9月の胆振東部地震や平成28年の大雨災害など、大規模な自然災害が発生しており、災害の記憶を教訓として、防災、減災に取り組む防災教育の重要性は今後ますます重要になっていくものと考えます。
知事並びに教育長は、このたびのサミットの開催結果をどのように受けとめ、今後の防災教育にどのように生かしていく考えなのか、お聞かせ願います。

次に、北方墓参事業についてであります。
 元島民の方々に対する人道的措置として実施されている北方領土での墓参につきましては、昨年に引き続き、ことしも航空機が利用され、高齢化が進んでいる元島民の方々の負担軽減に効果があると評価されております。
 一方、航空機利用の場合、天候不順による欠航の懸念があることや、利用できる空港が限られているため、空港から比較的近くにある墓地への訪問に限定されるという制約があります。
そうした点で、船舶を利用した墓参も引き続き重要な役割を果たすものと考えます。
 しかし、ことし7月に行われました船舶を利用した墓参では、悪天候のために上陸ができず、洋上慰霊とせざるを得なかったケースもあったと伺っております。
 また、たとえ上陸がかなったとしても、墓地にたどり着くまで、道なき道を踏み分けて行くような苦労があるとのことであり、高齢となられました元島民の方々にとっては、大きな負担になると伺っております。
こうした人道的な観点から行われる墓参でも、ロシア側は、航空機による墓参を恒久的な制度とせず、その都度、政府間交渉によって決定していく考えであると報じられており、元島民の皆様のことを考えますと、憤りを禁じ得ません。
 先祖の供養をかの地で行いたいと希望する元島民の方々、特に、高齢の方々の切実な願いをかなえるべく、北方墓参のあり方を早急に改善するよう国に強く働きかけるなど、道として積極的に対応していくべきと考えますが、見解をお聞かせ願います。
 そして、知事は、先月、根室地域への訪問の際に、北方領土を所管し、返還要求運動の先頭に立つ北海道知事として、できるだけ早い時期に北方領土を訪問する考えを示されましたが、訪問する枠組みとしては、北方墓参事業のほか、北方四島交流事業での訪問もあると承知しております。
訪問に当たりましては、千島歯舞諸島居住者連盟を初めとする関係団体や、隣接地域の自治体とも連携を密にして、訪問のあり方を検討すべきと考えますが、知事の見解をお聞かせ願います。

最後に、有害鳥獣の駆除についてお伺いいたします。
 アライグマは、かわいらしい見た目やアニメの効果等もあり、ペットとして北米から輸入されましたが、成長するにつれ、凶暴な気性があらわれ、飼い切れなくなった飼い主が野外に放つなどしたものが道内にも定着してしまったという経緯がございます。
 その後、餌となる農作物等が多い農業地帯に生息域が徐々に広がり、現在では、ほぼ全道域でその生息が確認される状況となっており、これに伴う生態系への影響もさることながら、農林水産業の被害状況も、農業関係者等にとって看過できない状況になっているものと伺っております。そこで、以下、道の取り組み等について、2点お伺いをいたします。
 まず、1点目ですが、さきの我が会派の同僚議員の代表質問におきまして、野生鳥獣による農林水産業被害の防止に対する道の取り組みについて質問をさせていただきましたが、このうち、特に、外来種であるアライグマにつきましては、近年、捕獲数は大幅に増加している一方で、農業被害額も増加を続けているとのことでありました。
 こういった点を踏まえて、アライグマの生息数や分布について、道はどのような状況にあると認識しているのか、お聞かせ願います。
 次に、2点目ですが、市町村では、捕獲対策や侵入防止対策を推進し、被害の減少に努めており、また、道でも、捕獲効率や効果の向上に向けた実証、春期捕獲の推進などを進めていることは承知しているところでありますが、被害額の増加の状況などを踏まえますと、現状の取り組みだけではまだまだ不十分と言わざるを得ない状況にあります。
 春期捕獲による個体数の減少効果は高いと伺っておりますが、その時期は、農作業の準備などで人手が不足することや、とりこぼしも出てしまう可能性もあり、年間を通じた捕獲も必要ではないかと考えます。
そのようなことから、アライグマのライフサイクルを踏まえた季節ごとの捕獲方法についても検討が必要ではないかと考えます。
 捕獲に携わる個々人の技能の向上により、捕獲効果を高めることも重要ではないかと考えますが、モデル地域などで年間を通じた捕獲の方法の検証を行うことで、短期間にさまざまな改善を図り、その方法を市町村へ普及することで、より早期に根絶に近づくことができるのではないかと考えますが、知事の御所見をお聞かせ願います。

知事鈴木直道

 最初に、登山に伴う遭難の防止についてでありますが、遭難を防ぐためには、まずは、登山者みずからが、山の特性を知り、周到な準備をすることが重要であり、地元市町村や道警察、道山岳連盟などと連携した山岳遭難防止のための協議会では、登山の心得に関するシンポジウムを開催するなどの啓発を行っております。
 また、万が一遭難した場合のために、登山計画書の提出を関係機関のホームページやリーフレットなどにより周知しているほか、協議会からの要請に応じた地元のコンビニが、居場所を知らせるためのホイッスルの販売を行っているところであります。
 道といたしましては、今後とも、みずからのレベルに見合った登山の心がけや、遭難した場合の備えについて、他県の取り組みも参考にし、さまざまな機会で周知を図るほか、関係機関とも連携協力し、安全情報の充実を図るなど、遭難事故の防止に努めてまいります。

 次に、「世界津波の日」高校生サミットについてでありますが、国内外から、過去最多となる約400名の高校生が参加した今回のサミットは、自然の恵みと脅威に対する理解を深めながら、かけがえのない自然を守り、災害に備える決意をイランカラプテ宣言として世界に発信し、無事に終えることができたところであります。
私といたしましては、北海道を舞台にしたこのサミットや、道内の各地域で行われた交流により、各国の高校生が防災や減災の知識を共有するとともに、相互の理解と連携が進み、きずなを一層深められたものと考えており、それぞれの国、地域で、将来のリーダーとして活躍されることを大いに期待するところであります。
 今後は、今回のサミットで高校生の方々から示された意見や決意を生かし、道教委との連携による学校教育の場における防災教育、市町村の防災訓練を実施するなど、将来にわたる防災力の充実強化に取り組んでまいります。

 次に、北方墓参事業についてでありますが、本年6月に、千島歯舞諸島居住者連盟の理事長とともに、安倍総理に要請した航空機墓参については、先月に実施され、近年制限されていた墓地への訪問も実現されたところでありますが、私といたしましては、元島民の皆様の平均年齢が84歳を超える中、身体的負担の軽減や墓参機会の確保などが重要であると考えております。
 また、これまでの墓参事業の実施を通じて、墓地の正確な位置情報の把握や上陸方法などの改善といった課題もあると認識をしております。
道といたしましては、こうした点も含め、千島連盟とも相談をしながら、航空機による墓参の恒常化、希望する墓地への確実な訪問の実現など、墓参事業の改善や拡充に向けて、国に対し、強く働きかけてまいります。
次に、北方領土への訪問についてでありますが、北方領土問題は、道政上の最重要課題と認識をしており、元島民の方々はもとより、我々道民の四島への思いを胸に抱き、できるだけ早い時期に北方領土を訪問したいと考えているところであります。
 北方領土を所管する北海道知事として、私自身が先頭に立ち、訪問することが、領土問題の解決に向けた世論喚起や機運の醸成にもつながっていくものと考えており、御提案を踏まえ、隣接地域1市4町を初め、千島歯舞諸島居住者連盟、交流関係団体とも連携を密にしながら、より効果的な訪問となるよう検討してまいる考えであります。

 最後に、アライグマ対策についてでありますが、道では、これまで、春期の一斉捕獲、実践的な捕獲技術研修会の開催など、捕獲の推進に取り組んできており、捕獲数はふえているものの、分布域の拡大や農業被害額の増加を食いとめるには至っておりません。
 アライグマは、冬のねぐらや春先の出産のために、さまざまな場所を利用しながら移動して生活しており、現在の捕獲の取り組みに加えまして、年間を通じた行動や生態に応じた防除を総合的に進めていくことが重要と考えているところであります。
 このため、道といたしましては、専門家を交え、地域の実態に応じた防除策について検討し、本道の自然環境や農業に深刻な被害をもたらしているアライグマの根絶に向けた取り組みを一層推進してまいる考えであります。
 なお、その他の御質問につきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

総合政策部長兼交通企画監黒田敏之

 ブロードバンド環境の整備の推進についてでございますが、民間事業者では整備が難しい過疎地域などでは、市町村が、国の制度を活用し、光ファイバーの敷設等の整備を行ってございますが、市町村の負担が大きいことなどから取り組みが進まない地域もあり、道では、これまで、国に対し、市町村に対する補助率の引き上げなど、支援策の充実とともに、固定電話などのサービス確保のために運用されているユニバーサルサービス制度に、超高速ブロードバンドを対象とするよう要望してきてございます。
道といたしましては、ブロードバンド環境などの通信基盤は、広域分散型の地域構造を持つ本道において、住民の方々の暮らしや産業活動を支える必要不可欠な社会資本であると考えており、今後も、国に対して、さまざまな機会を通じて、整備促進に向けた支援策の充実強化について働きかけてまいります。

総務部危機管理監佐々木誠也

 山岳遭難対策に関し、火山対策についてでございますが、火山周辺には、ジオパーク等の観光資源などがあり、多くの観光客や登山者が訪れる一方で、火山噴火などへの備えは極めて重要と考えております。
 このため、各火山ごとに設置されております、道や市町村、防災関係機関などで構成する防災協議会では、噴火シナリオやハザードマップなどを作成し、運用しているほか、噴火に備えた訓練の実施、気象情報の共有、さらには、登山者に対する意識啓発などを行っております。
 防災協議会としては、それぞれの火山の特性を踏まえた注意喚起や避難訓練などを行いますとともに、道としましても、火山の観測体制の強化に向けた予算の確保について、引き続き、国に対し要請するなど、登山者の安全確保に努めてまいります。

環境生活部長築地原康志

 初めに、山岳遭難対策に関し、バックカントリースキーについてでございますが、近年、道内の雪山やスキー場の管理区域外において、バックカントリースキーを楽しむスキーヤーなどがふえておりますが、個々人の技術不足、冬山の安全対策に関する知識が不十分なことなどによる遭難事故も増加をいたしております。
 このため、道では、これまで、道警察や市町村、スキー場関係者などと検討会を開催し、情報の共有や事故防止対策などを協議するほか、その危険性に関する注意喚起などの啓発を関係機関を通じて行ってきております。
 事故を未然に防ぐためには、スキーヤーみずからが十分な安全対策を講じることが基本であり、道といたしましては、今後とも、関係機関と一層連携をして、スキーヤーなどに対し、危険性の理解促進に努めますとともに、気象状況、地形の事前把握や悪天候に備えた装備等の必要性を十分周知するなど、安全対策の向上に取り組んでまいります。
 次に、有害鳥獣の駆除に関し、アライグマの現状についてでございますが、現在、生息や痕跡が確認をされた市町村数は156となっており、ここ10年間で約2割増加し、捕獲数につきましては、平成29年度に1万6000頭を超え、この4年間で約3倍に増加いたしております。
また、農業被害額は、近年、徐々に増加をし、平成29年度末で約9800万円となっております。
 アライグマの生息数は現時点では推定できておりませんが、専門家によりますと、アライグマは一定の地域内で生息数がふえると他の地域へ移動することや、これまでの分布域の拡大、捕獲数の状況などから生息数の増加が指摘をされており、対策の強化が必要であると考えております。

教育長佐藤嘉大

 「世界津波の日」高校生サミットについてでありますが、本道では、昨年9月の北海道胆振東部地震や1993年7月の北海道南西沖地震などにおいて甚大な被害が発生し、多くのとうとい命が失われたところであり、こうした過去の災害を踏まえ、安全、安心を確保するため、防災、減災に向けたさまざまな取り組みを進めてきたところであります。
 今回、サミットに参加した本道の高校生にとっては、世界の43カ国の高校生との意見交換や、被災地域での体験交流などを通して、自然災害の脅威と対応を学ぶとともに、地域、世界の課題解決に向けて、イランカラプテ宣言を世界に発信し、グローバルな視点を身につける貴重な機会となりました。
 道教委といたしましては、今後、サミットに参加した高校生が、教員の研究協議会等の講師として、その成果を発表する機会を設けるほか、学校安全推進会議の場を活用し、今回のサミットから得られた知見を積極的に周知するなどして、防災教育の意識啓発に努めてまいります。