農政部所管審査

2017年12月08日

予算特別委員会において以下の質問をさせていただきました。

 1.6次産業化の推進について
 1.畜産振興について
 1.収入保険制度について 

道議太田憲之

 農政部所管事項に関しまして、大きく三つの点について聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、6次産業化の推進についてお伺いをいたします。
 第1回定例会でもお伺いさせていただいておりますけれども、1次産業が、本道の基幹産業として将来にわたって発展していくためには、農林漁業者が、農畜産物や水産物の生産だけではなく、食品加工や流通販売といった、2次産業、3次産業と一体となって推進することによって、新たな付加価値を生み出し、所得の向上や地域の雇用を確保する6次産業化の取り組みが極めて重要であると考えます。  さきの第1回定例会でも伺っておりますが、6次産業化を推進する上で、労働力不足や資金不足などのさまざまな課題があり、支援の強化を検討する必要があると考えておりますので、以下、数点にわたって伺ってまいりたいと思います。
 まず、道内における6次産業化の取り組みについて、事業体数や6次産業化による販売金額の状況は、現在、どのようになっているのでしょうか。農産加工や直売など、主な取り組み別の状況についても、あわせてお聞かせ願います。

6次産業化担当課長野口正浩

6次産業化の取り組み状況についてでございますが、国の調査によりますと、平成27年度において、道内で6次産業化に取り組む事業体は3830件、販売金額は2234億円となっており、このうち、農業関連については、3440件で1506億円となっております。
 また、農業関連の6次産業化について、主な取り組み別の状況を見ますと、農産加工が1290件、1186億円で、販売金額では農業関連全体の8割を占めており、その他、直売所が1330件、267億円、観光農園が390件、23億円などとなっているところでございます。 

道議太田憲之

次に、6次産業化の取り組みにおける主な支援策の活用状況についてであります。
 道は、平成25年度から、6次産業化サポートセンターを設置して、個別の相談対応などの支援に取り組んできているところでありますが、これまでの相談内容や対応の状況はどのようになっているのでしょうか。
 対応の成果についても、あわせてお聞かせ願います。

野口6次産業化担当課長

 サポートセンターの活動状況についてでありますが、サポートセンターにおける昨年度の相談件数は1375件で、その内訳は、6次産業化の計画づくりが415件、次いで、支援制度などの照会が306件、商品開発に関する相談が159件となっております。
 これらの相談に対しまして、センターでは、中小企業診断士の資格を持つ企画推進員が窓口となり、相談事項の整理や必要な情報提供を行うとともに、農業経営アドバイザーや野菜ソムリエなどの専門家を6次産業化プランナーとして現地に派遣し、指導助言を行ってきているところであります。
 こうした取り組みを通じまして、6次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定件数は、本年11月末現在で全国最多の131件となり、6次産業化の取り組みが広がるとともに、新商品の開発や商品の磨き上げ、加工技術の向上などの成果につながっているところでございます。

道議太田憲之

 それでは次に、財政面での支援策の活用状況についてお伺いをしたいと思います。
 近年の6次化ファンドや6次産業化ネットワーク活動交付金の活用状況についてはどのようになっているのでしょうか、お聞かせ願います。

野口6次産業化担当課長

 支援策の活用状況についてでありますが、6次産業化の支援策としましては、取り組みを新たに開始したり拡大を図る事業者の方々に対し、出資等により支援を行う農林漁業成長産業化ファンド、いわゆる6次化ファンドや、新商品開発、加工・販売施設の整備等に対して補助を行う6次産業化ネットワーク活動交付金などがございます。
 このうち、6次化ファンドについては、これまでに、ワインの製造やオーベルジュ、農産加工品の製造、販売などに取り組む11件の事業者が約9億円の出資を受けたところであります。
 また、6次産業化ネットワーク活動交付金については、道がサポートセンターの運営に活用しているほか、地域が行う、農産物の加工施設やレストランの整備、新商品開発や販路開拓など21件の取り組みに対し、約1億8000万円が補助金として交付されてきたところでございます。 

道議太田憲之

 活用の状況について御説明いただきました。今聞いた中では、各種の施策を活用して、6次産業化の取り組みが着実に進められてきていると感じたところでございますが、さらに6次産業化の取り組みの輪を広げていくためには、事業者が抱える課題をしっかりと把握して、その解決に向けた支援を行うことが重要ではないかと考えております。
 道として、6次産業化を推進する上で、どのような課題があると認識しておられるのか、把握しているものがあれば、お聞かせ願います。

食の安全推進局長西英機

6次産業化を進める上での課題についてでありますが、道では、6次産業化に取り組む事業者が円滑に事業を進めることができるよう、関係機関と連携して、経営情報等の収集に当たるとともに、今年度から、現地に出向いたフォローアップ調査を実施しているところでございます。
 こうした調査を通じて、農業生産との両立や円滑な事業の推進に必要な労働力の確保が難しいこと、開発した商品の営業や販路開拓に関するノウハウが不足していること、施設の改修や規模の拡大などに伴う設備投資に必要な資金が不足していることなどの課題が明らかとなっておりまして、これらの解消に向けた取り組みが必要と認識しております。

道議太田憲之

6次産業化の推進につきましては、本道の農林水産物の付加価値を高めることで、所得向上や雇用の確保を図り、地域の活性化にもつながる重要な取り組みでありますことから、さらにこういった取り組みを加速させる必要があると考えるところでございます。
 道として、今後、どのように6次産業化を推進していく考えなのか、お聞かせ願います。

農政部食の安全推進監森田良二

6次産業化の推進についてでございますが、本道の基幹産業である農業を初めとする1次産業が、加工や観光、小売といった、2次産業、3次産業と結びつき、新たな付加価値を生み出す6次産業化の推進は、農林漁業者の経営の安定化だけではなく、地域における雇用の確保や所得の向上にもつながる重要な取り組みであると認識をいたしております。  このため、道といたしましては、6次産業化サポートセンターの活動を通じて、引き続き、普及啓発や新商品の開発、人材の育成、施設の整備などに対する支援を行い、6次産業化に新たに取り組む事業者の拡大を図るとともに、個々の事業者が有する課題を早期に解決し、持続的に経営を展開できるよう、きめ細やかなフォローアップ活動などを充実させ、道内における6次産業化の取り組みを一層推進してまいります。 

道議太田憲之

 今、るる御答弁がありましたが、答弁の中にもありましたように、サポートセンターへの相談件数も順調に多くなってきており、その結果、6次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定件数も全国最多の131件となっているといった成果も出てきております。  北海道の農産物や畜産物は、いろいろといい点はあるのですけれども、素材がいいということだけで終わってしまっている現状もあります。そういったよさをそこだけにとどめることなく、広げて、雇用の拡大、所得の向上につなげていくために、今いい道筋ができていると思いますので、引き続き取り組みを強化していただきますよう、お願い申し上げまして、次の項目に移りたいと思います。  次に、畜産振興についてお伺いをいたします。
 このたびの日EU・EPAの大枠合意、さらには、11カ国によりますTPP協定の大筋合意により、豚肉、牛肉への影響が懸念されているところでありますが、豚肉、牛肉につきましては、それぞれ、輸入の急増に対するセーフガードが確保されたものの、発動基準数量が引き上げられ、関税も削減されることとなっておりまして、養豚経営や肉用牛経営の安定に向けた対策が必要であると考えておりますので、以下、数点にわたってお伺いをしていきたいと思います。
 まずは、養豚経営及び肉用牛経営における飼養戸数や飼養頭数についてでありますが、近年、どのように推移しているのか、お聞かせ願います。

畜産振興課長山口和海

豚及び肉用牛の飼養戸数などについてでありますが、平成29年の豚の飼養状況については、211戸で63万900頭と、10年前に比べて、戸数で3分の1減少する一方、頭数は8万頭増加し、1戸当たりの飼養頭数は約3000頭となっています。  また、肉用牛についてですが、黒毛和種などの肉専用種経営は、2240戸で20万9300頭と、10年前に比べ、戸数で1割以上減少する一方で、頭数は2万2000頭増加し、1戸当たりの飼養頭数は93頭となっています。
 さらに、肉用牛のうち、ホルスタインや黒毛和種をかけ合わせた交雑種を飼養する乳用種経営は、343戸で30万3100頭と、10年前に比べ、戸数で1割程度減少する一方、頭数は約2万2000頭増加し、1戸当たりの飼養頭数は884頭になるなど、どの畜種におきましても、飼養戸数は減少しているものの、総飼養頭数は増加しており、経営の大規模化が進展している状況にあります。  以上でございます。

道議太田憲之

 ありがとうございます。飼養状況についてはわかりました。  次に、価格の動向についてお伺いしたいと思いますが、豚や肉用牛につきまして、個体価格、枝肉価格はどのように推移しているのでしょうか、把握している部分があれば、お聞かせ願いたいと思います。
 また、あわせまして、国産の豚肉や牛肉の安定供給を図るために、経営安定対策として、それぞれにマルキン措置が講じられているところでありますが、最近のマルキンの発動状況はどのようになっているのかもお聞かせ願います。

山口畜産振興課長

 豚及び肉用牛の販売価格などについてでありますが、豚の枝肉価格については、平成28年はキログラム当たり521円で、29年は、これまでのところ572円と、牛肉の小売価格の上昇による代替需要で引き合いが強いことなどから、高値で推移をしており、粗収益と生産コストの差額を補填する豚マルキンは、25年の第1・四半期以降、発動されておりません。  また、肉用牛の個体価格については、肥育素畜となる子牛の平均取引価格は、平成28年で、黒毛和種が78万3000円、交雑種が39万8000円、乳用種が21万6000円と、5年前と比較しますと、いずれも2倍前後に高騰しており、29年に入っても高値で推移しております。
 さらに、牛の枝肉価格については、平成28年で、和牛去勢のA4ランクが2619円、交雑種のB3が1680円、乳用種去勢のB2が1023円と、こちらも高値で推移をしております。  こうしたことから、牛マルキンは、肉専用種では、平成26年8月以降、発動されていませんが、乳用種では、子牛価格の上昇の影響が早期にあらわれることから、昨年9月以降、発動されており、交雑種でも、本年1月以降、連続して発動されている状況です。  以上でございます。

道議太田憲之

 このたびの国際交渉の結果を踏まえまして、生産者が、引き続き安心して生産性の向上や経営改善に取り組めるような環境を維持することが重要であると考えるところでありますが、こうした国際交渉の状況を受けまして、道は、価格への影響をどのように認識しておられるのか、お聞かせ願います。

山口畜産振興課長

 このたびの国際交渉の結果による、豚肉や牛肉の価格への影響についてでありますが、豚肉については、長期の関税削減期間を確保し、差額関税制度の分岐点価格を維持するとともに、セーフガードが措置されたことから、当面、輸入の急増は見込まれませんが、長期的には、安い部位に適用される従量税の引き下げに伴い、低価格部位の一部が、高価格部位との抱き合わせによらずに、単品で輸入される可能性がありますことから、国内産豚肉の価格の下落を懸念しているところでございます。
 また、牛肉につきましては、関税撤廃を回避し、長期の関税削減期間を確保するとともに、セーフガードが措置されましたことから、当面、輸入の急増は見込まれませんが、長期的には、関税の引き下げにより、米国、豪州などからの輸入牛肉と競合する乳用種を中心に、国内産牛肉全体の価格の下落を懸念しております。

道議太田憲之

 経営の安定化を図るためには、経営対策だけでは決して成り立たないと感じるところでもあり、生産された豚肉や牛肉が安定して消費されてこそ、実現できるものであると考えます。
 これまで、道として、豚肉や牛肉の消費拡大にどのように取り組んできたのか、お聞かせ願います。

山口畜産振興課長

 豚肉や牛肉の消費拡大の取り組みについてでありますが、豚肉については、養豚生産者組織などが行う、北海道ポークの統一ロゴマークを活用した、食肉の卸業者や小売業者へのPRを初め、各種イベントでの試食会、消費者と生産者が交流する「北海道ポークの夕べ」の開催を支援するなど、豚肉の消費拡大に取り組んできたところでございます。
 また、牛肉については、昨年10月、肉用牛生産者組織や関係機関・団体と一体となって、輸入牛肉との競合が懸念される乳用種及び交雑種の牛肉を、北海道産牛肉という統一名称とロゴマークを制定し、ブランド力の向上を図ることとしたところであり、これらを活用して、子ども、消費者を対象とした料理教室や、量販店、バイヤーを対象とした現地見学会の開催、マスメディアなどを活用したPR活動に取り組んできたところでございます。
 さらに、本年1月には、首都圏において、飲食業や流通業、メディアの方々にお集まりをいただき、道産ワインとコラボした「食とワインの夕べ」を開催し、北海道産牛肉の魅力を知事から紹介するなど、そのブランド力の向上と消費拡大に取り組み、本道の肉用牛生産の振興に努めたところでございます。

道議太田憲之

 国は、このたびのEPAとTPPの合意を受けまして、総合的なTPP等関連政策大綱を打ち出しているところでありますが、本当に、養豚経営や肉用牛経営の安定に向けた対策となっているのか、道としてどう認識されているのか、お聞かせ願います。

生産振興局長宮田大

養豚経営や肉用牛経営への対策についてでありますが、このたび改定された大綱では、道からの提案も反映され、強い農林水産業を構築するための体質強化対策として、畜産クラスター事業の充実を初め、和牛の生産拡大や豚の生産能力の向上、畜産物のブランド化等の高付加価値化などの対策を推進することとされたところです。
 また、経営安定、安定供給のための対策としまして、法制化された豚マルキンと牛マルキンの補填率を現行の8割から9割に引き上げるとともに、豚マルキンの国と生産者との負担割合について、現行の1対1から3対1にまで、国の負担割合を引き上げることとされたところです。  道としましては、これらの対策が確実に実行されることにより、養豚経営、肉用牛経営の生産性の向上や、経営の損失負担の軽減が可能となりますことから、その効果的な活用を図り、経営の体質強化と安定化につなげてまいります。

道議太田憲之

 高橋知事は、このたびの合意を受けまして、新たな国際環境下においても競争力のある産業としていくことが重要であり、国に対しても、農林水産業の再生産が可能となるような万全な対策を求めるとともに、道としても積極的に施策を展開していくと述べられたところでありますが、道として、今後、養豚経営や肉用牛経営の発展にどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

農政部長小野塚修一

今後の養豚経営と肉用牛経営の発展に向けた取り組みについてでございますが、このたび大筋合意が確認されたCPTPPや、7月に大枠合意された日EU・EPAが発効した場合、豚肉、牛肉の輸入が増加し、国産食肉の価格の下落や消費の低迷などにより、養豚や肉用牛経営、さらには食肉加工業などの関連産業にも大きな影響を及ぼすことが懸念されるところでございます。
 道といたしましては、国からの情報収集を行いながら、本道の畜産への影響などの精査に取り組みますとともに、影響を最小限にとどめるため、総合的なTPP等関連政策大綱に盛り込まれた、体質強化や経営安定などを図る対策が確実に実行され、本道の養豚及び肉用牛経営の再生産が可能となるよう、引き続き国に強く求めますとともに、生産を支える基盤づくりや担い手の育成確保などに積極的に取り組んでまいります。

道議太田憲之

 るる御答弁がございましたが、先ほど言われた大綱においても、道からの提案が反映されたということで、少しほっとしているところでございます。
 せっかく、北海道の質のいい豚肉、牛肉であっても、国際的な流れで、価格の面で対抗できないといったことがありますが、しっかりと消費者が買い支えて、安定して再生産が行えるよう、そして、地場で生まれた安心の道産の豚肉、牛肉をしっかりと守っていくために、これからも、道として積極的に動いていかれることを心からお願い申し上げまして、三つ目の質問に移りたいと思います。
 それでは次に、収入保険制度についてお伺いいたしますが、農業災害補償制度の見直しによって、新たな収入保険制度の申し込みが来年度から始まることとなったところであります。
 これまでの農業災害補償制度は、米や畑作物などの特定の作物に限定されておりましたが、新たな制度では、あらゆる農産物が対象になり、価格変動などによる減収に対しても対応できる制度となっており、生産現場でも、大きな関心事として、期待の声も高まってきているところでありますが、一方では、経営形態によりまして、既存の共済制度やほかの制度などとの関連から、どちらを選択したほうがいいのか、判断に迷っておられる方も多いと伺っておりますので、以下、数点にわたってお伺いしていきたいと思います。
 まず、国では、これまで、新たな制度のスタートに向けて、各地で説明会を開催してきているところでありますが、説明会では、どのような意見や質問が出ていたのでしょうか。
 また、意見の中には建設的なものも多いかと思いますけれども、そうした意見について、道としても、国にしっかりと求めていく必要があると考えます。円滑なスタートに向けて、道としてどのように対応していく考えなのか、お聞かせ願います。

農業支援担当課長上西新次

収入保険制度の開始に向けた対応についてでありますが、平成31年産から導入される本制度については、本年6月に成立した、農場災害補償法の一部を改正する法律と、11月までに公布された政省令により、制度の詳細が明らかにされる中、国は、こうした制度等の内容について、農業者などの関係者に広く周知することを目的とした都道府県別説明会を11月から開始しており、本道では、北見市、旭川市、札幌市、北斗市、帯広市の計5カ所で開催することとされたところでございます。
 このような中、既に開催されました北見市と旭川市における説明会では、制度に加入するための具体的な要件はどのようなものか、保険金はどのような場合にどれだけ支払われるのか、既存の類似制度との関係はどのようになっているのかといった質問などが出されたところでございます。  道といたしましては、こうした説明会での質疑応答の内容を関係機関・団体に周知するとともに、農業者から寄せられた道への問い合わせに関する国の回答を広く情報提供することなどを通じ、本制度の内容等についての理解の醸成に努めてまいる考えでございます。

道議太田憲之

 新たな制度への加入に当たりましては、青色申告が条件となっておりますが、青色申告の促進に向けて、道としてどのように対応しておられるのでしょうか。
 また、事務負担の軽減を図る必要もあるかと考えますが、道としてどのように対応していく考えなのか、あわせてお聞かせ願います。

上西農業支援担当課長

 青色申告の促進などについてでありますが、収入保険制度においては、青色申告を行っている農業者を対象としていることから、道では、関係機関・団体を通じ、青色申告を実施していない農業者に対して、加入要件を含む本制度の内容について周知を図ってきたところでございます。
 また、青色申告を始めるに当たっては、税務署への申請書類の提出や簿記記帳の開始など、農業者みずからが行わなければならない事務が発生することから、その負担の軽減に向け、今後、各地区の農業共済組合において、農業者を対象とした相談窓口を開設することとしており、道としても、こうした取り組みの周知に努めてまいりたいと考えております。

道議太田憲之

 もう一点お伺いします。新たな制度の展開に当たりましては、税務上の取り扱いを明確にしておく必要があると伺っておりますが、新たな収入保険制度の税務上の取り扱いはどのようになっているのでしょうか、お聞かせ願います。

上西農業支援担当課長

 税務上の取り扱いについてでありますが、収入保険の加入者が納付する保険料及び積立金については、既存の農業共済や、ならし対策と同様に、保険料は必要経費または損金に算入されるとともに、積立金については預け金とされることとなってございます。  また、保険金及び特約補填金につきましては、保険期間の翌年の支払いとなると、税負担が過大になるおそれがあることを踏まえ、保険期間の総収入金額に算入されることとなっております。

道議太田憲之

 農業、農村の持続的な発展に向けまして、経営の安定は欠かせないものでありまして、そのためのセーフティーネットをいかに有効に活用するのかが重要であると考えるところであります。  新たな収入保険制度を初め、既存の制度をうまく使い分けて、経営の安定と発展につなげることが道には求められているかと思いますが、今後、農業者が安心して経営を続けられるように、制度の周知や相談などについてどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

小野塚農政部長

 収入保険制度に関し、今後の対応についてでございますが、収入保険制度が、農業経営の安定に向けた総合的なセーフティーネットとして有効に活用されるためには、本制度の内容や類似制度との関係などについて、農業者や関係機関等が十分理解することが必要でございます。  このため、道におきましては、本年10月、北海道農業共済組合連合会が設置した協議会に、関係機関・団体とともに参画し、本制度の普及、推進に関する取り組み方法や、青色申告に関する相談対応などについて、検討を行っているところでございます。  道といたしましては、引き続き、本制度に関する情報収集に努めますとともに、協議会での検討結果も踏まえ、地域における農業改良普及センターや農業共済組合、農協など関係機関が連携しながら、さまざまな機会を利用して、制度の内容の周知や、農業者からの相談対応などに取り組んでまいる考えでございます。

道議太田憲之

 いろいろ御答弁いただきましたが、近年、農業に関しては、先ほど言った価格の変動や災害等、いろんな状況にぶつかってきておりますが、今あるセーフティーネットを有効に活用していただくことで、安心で継続した農業経営につながるかと思います。ただ、手続が煩雑で、なかなか活用できないということもありますので、そういった面をしっかりとカバーし、自治体と協力して、農業者の皆様に、こういう制度があることを広く確実に周知していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。