経済部所管審査

2017年12月08日

予算特別委員会において産業振興について 質問をさせていただきました。

道議太田憲之

 私からは、産業振興について、大きく2点にわたって伺ってまいりたいと思います。
 1点目に、地域未来投資促進法についてお聞きしたいと思います。  経済産業省が所管する地域未来投資促進法については、企業立地促進法を改正し、本年7月に施行されました。地域の成長発展の基盤強化を図るために、地域で生まれつつある成長性の高い取り組みを支援するものであり、道内でも、国による基本計画の同意や、道による地域経済牽引事業の承認がなされていると伺っているところでございますが、道の取り組み等に関して、以下、数点にわたってお伺いしていきたいと思います。
 まず、本年9月に、法改正後初めて、道内9地域におきまして基本計画が策定され、国の同意を得たと伺っているところでありますが、地域未来投資促進法の活用を図っていくためには、基本計画を策定する地域がふえていくことが必要と考えます。この点について、道の認識をお聞かせ願います。

立地担当課長北村英士

 基本計画の策定についてでありますが、道におきましては、地域未来投資促進法の活用を図ることは、本道経済の振興に有効なものと考えており、地域経済への波及効果が期待される、地元のさまざまな資源を活用する取り組みが必要と考えているところであります。
 このため、市町村と共同で基本計画の策定に取り組んでいるところであり、既に国の同意を得ている9地域のほか、19地域においても、現在、国の同意の取得に向け、手続を進めているところであります。
 道としましては、さらに一層、食や環境・エネルギーといった優位性を生かした、地域経済を牽引する事業について、全道各地域での展開が促進されるよう、市町村と連携を密にいたしまして、より多くの地域で基本計画が策定されるよう努めてまいる考えであります。

道議太田憲之

 同意された計画では、例えば、室蘭市における、地域の特性である鉄鋼業の産業集積や大学等の人材を活用した、成長が見込まれる航空機等のものづくり産業の取り組みなど、9地域の計画で、5年間で約130億円の経済効果を見込んでいると伺っておりますが、これに関して、道としてどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

産業振興局長野村聡

経済効果の目標設定などについてでございますが、基本計画には、地域経済牽引事業の実施により生ずることが期待される付加価値額を、経済効果の目標として記載することとされており、これまでに国から同意を得た9地域の計画の付加価値額は、合計で130億円余りとなっているところでございます。  道では、こうした目標の達成に向けまして、基本計画に沿った事業者の取り組みが促進されるよう、国の支援制度を初め、制度の活用のPRに努めますほか、不動産取得税等の課税免除を行う課税の特例に関する道の税条例の改正を提案しているところでございます。
 また、地元市町村と連携いたしまして、地域経済牽引事業の担い手となる地元企業の発掘や道外企業の誘致にも取り組んでまいります。  以上でございます。

道議太田憲之

 今後、自治体が策定した基本計画について、国の同意後、企業が地域経済牽引事業計画をつくり、道が承認することとなっておりますが、この承認はどのような基準によって行われることになっているのか、お聞かせ願います。

北村立地担当課長

 地域経済牽引事業計画の承認についてでありますが、地域経済牽引事業につきましては、国の同意を得た基本計画や、国が策定したガイドラインに基づき、都道府県が承認することとされているところであります。
 ガイドラインに定めるところにより、地域の特性の活用戦略に沿った事業であること、付加価値増加分が、北海道の1事業所当たりの平均付加価値額を上回ること、さらには、地域の事業者に対する相当の経済効果として、各基本計画ごとに定める、売り上げや事業者間の取引の増加といった効果が見込まれることなどの要件を満たした事業計画について、道として承認を行うこととしております。 

道議太田憲之

 地域未来投資促進法の活用例といたしまして、国の資料にも示されている、航空機部品などの成長性が高い分野での取り組みを促進することは、地域経済に好循環をもたらす上でも重要であり、道としても、産業の集積や企業誘致の観点から、産業振興条例に基づく企業立地補助金に関して、これまでの企業立地促進法に基づく、計画策定地域における補助制度の適用と同様に、地域未来投資促進法の基本計画策定地域における支援を継続することはもとより、高い経済波及効果が認められるプロジェクトなど、未来を見据えた地域経済牽引事業に対して、特段の支援の枠組みを用意するべきと考えますが、この点に関して、道の所見をお聞かせ願います。

経済部長阿部啓二

 道の企業誘致施策との関連についてでございますが、産業振興条例では、企業立地の促進に向け、高い経済波及効果や成長発展が期待される産業の創出と発展、また、地域の特性に応じた産業の発展などを基本方針として掲げているところであり、本道経済の発展に向けて、地域の特性を生かした高い付加価値の創出や、地域への経済効果の波及を目指す地域経済牽引事業の取り組みを促進することは重要と考えているところでございます。
 道といたしましては、条例に基づく立地補助制度について、地域未来投資促進法の趣旨も踏まえ、産業集積や産業構造の高度化に資する企業誘致が円滑に進められるよう、対応を検討してまいる考えでございます。

道議太田憲之

 るる御答弁いただきましたが、北海道には、まだまだ底力として眠っている地域特性がありますし、また、大学と産業を結びつけられる地域もあるので、ぜひとも、地域未来投資促進法にかかわる件に関しては、特段の御配慮をいただくよう、心よりお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 2点目は、JXTGエネルギー室蘭製造所についてお伺いをしていきたいと思います。  まず初めに、室蘭市と胆振総合振興局におきまして、広範囲で企業の影響調査を行い、結果が公表されたと伺っているところでございますが、この結果に関してはどのようなものだったのか、お聞かせ願います。

産業振興課長新津健次

 影響調査の結果などについてでございますが、10月末から先月下旬にかけまして、胆振総合振興局が、室蘭市や管内の商工会議所等と連携して行った調査では、対象の55%、約1200事業所から回答が寄せられ、その結果によりますと、JXTGエネルギーと直接取引がある71事業所の年間取引額が約26億円、間接的な取引がある122事業所の年間取引額が約18億円、定期点検に関連する81事業所の年間取引額が約11億円で、重複分を整理すると、合計183事業者が取引を行っており、年間取引額は約55億円となっているところであります。
 また、企業からの意見としましては、雇用や売り上げの減による営業継続に対する不安のほか、人口減少への懸念が寄せられております。

道議太田憲之

 去る12月4日、JXTGエネルギーの副社長が室蘭市を訪れ、2019年3月末で室蘭製造所の製造機能を停止する問題につきまして、石油製品の需要が落ちていくかわりに、いろいろな機能材の製品を検討している、室蘭と親和性があれば事業化を検討したいとおっしゃられたと伺っておりますが、この点に関して、道としての見解をお聞かせ願います。

新津産業振興課長

 JXTGエネルギーの副社長の発言についてでございますが、これまで、JXTGエネルギーは、今後の対応について、地元への影響をできるだけ抑え、地域に貢献するために何ができるか、市の要望を伺いながら、誠意を持って検討したいと室蘭市に伝えるにとどまっていたところでございます。
 先日の副社長による室蘭市議会等への説明におきまして、室蘭での新たな事業展開として、石油系の材料からつくる液晶フィルムの製品開発などを例に挙げ、市と一緒に勉強会を開催したいといった発言をされたことは、これまでの発言内容とも照らし合わせれば、このたびの事業再編による地元への影響も踏まえつつ、会社として具体に何ができるか、市と協議するという姿勢を示したものと考えているところでございます。

道議太田憲之

 今も御答弁がありましたが、同社の副社長からは、石油製品周辺の材料で機能を持たせた製品を検討することについて、次世代事業としての可能性を探る上で、室蘭市と勉強会を行いたいといった発言がありました。  道としても、積極的に会に参加し、議論を深めるべきではないかと考えますが、この件に関しての道の御所見をお聞かせ願います。

野村産業振興局長

 新たな事業検討への対応についてでございますが、このたびの事業再編に伴う地域経済への影響の発生などを想定し、新たな事業の可能性に関する検討を行っていくことも必要と考えてございます。
 道といたしましては、地元・室蘭市の意向も確認しながら、市とJXTGエネルギーが進める検討の場に参加することとし、地域での新たな事業の創出に関する情報提供など、必要な協力に努めてまいる考えでございます。  以上でございます。

道議太田憲之

 先ほど伺った影響調査の結果や、JXTGエネルギーの新たな事業展開に関する発言などを受けまして、道として、今後、この件に関してどのように対応していく考えなのか、お聞かせ願います。

阿部経済部長

 今後の対応についてでありますが、このたび取りまとめた影響調査結果でも明らかになったとおり、JXTGエネルギーの事業再編計画が実行された場合、雇用や地域企業の取引など、地域経済への大きな影響が懸念されることから、さまざまな事態を想定いたしまして、その影響の緩和に向けて、雇用の維持や新たな事業の可能性に関する検討を行っていくことも重要と認識いたしております。  道といたしましては、今月下旬に、室蘭市を初め、国、関係機関などとの連携の確保に向けて、関係者間で情報の交換や共有をする場を新たに立ち上げて、雇用や地元企業への影響を注視していくとともに、市とJXTGエネルギーが進める検討の場に参加し、地元と緊密に連携をいたしまして、会社側に対し、このたびJXTGエネルギーの副社長から発言があった新たな事業展開も含め、影響の緩和に向け、今後の検討をしっかりと行うよう求めてまいる考えでございます。  以上でございます。

道議太田憲之

 るる御答弁いただきましたが、この件に関しましては、お膝元の室蘭市、ひいては北海道にも大きく影響を及ぼす案件でございます。  先ほども述べましたが、少しでも可能性があるのであれば、その点に関して、影響の緩和に向けて、道のかかわりをお願いするところであります。この点に関しては、引き続き、しっかりと注視していただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。