平成29年第2回定例会

2017年06月26日

第2回定例会において以下の質問をさせていただきました。

 1.経済交流について
 2.道産品の認証について
 3.ICTの利活用推進等について
 4.働き方改革について
 5.夜間中学について 

道議太田憲之

まず初めに、経済交流に関して、ロシアとの交流についてお伺いいたします。
 道では、1992年に、サハリン州、沿海地方、ハバロフスク地方といった極東3地域との間で締結した経済協力発展プログラム、及び、サハリン州との間で締結した友好・経済交流促進プランに基づき、これまで四半世紀にわたり、ロシア極東地域との間で、経済、文化、スポーツ等、さまざまな分野で交流を推進してきているところであります。
 こうした中、安倍首相が八つの協力プランを提案した昨年5月のソチでの首脳会談以来、両国はトップ会談を積み重ねてきており、昨年12月のプーチン大統領の来日時には、このプランに基づき、政府と民間を合わせて82の文書などが合意され、また、ことし4月の首脳会談において、協力プランの作業計画等に関する文書が交わされるなど、両国は、経済分野を初めとした互恵的な協力関係の発展に向け、動きを加速させているところでございます。
 昨年の国レベルの動き等を踏まえて、道として、今年度、推進体制も含め、ロシアとの交流をどのように進めていく考えなのか、道の所見をお聞かせ願います。
 次に、ヨーロッパロシアへの展開についてお伺いいたします。
 さきの第1回定例会における我が会派の代表質問に対して、知事から、新年度には、モスクワを中心とするヨーロッパロシアとの交流を新たに進めるとの答弁があったところでございます。
 ヨーロッパロシアは、モスクワやサンクトペテルブルク等の大都市が所在する、政治、経済、文化の中心をなす地域であり、将来的なマーケットとして有望な地域であると考えます。
 しかしながら、本道と隣接し、歴史的なつながりが深いサハリンなど極東ロシアとは異なり、北海道の知名度はまだまだ低く、まずは北海道を知ってもらうことからスタートし、あらゆる交流の基礎となる人的なつながりを構築するなど、着実に交流を進めていかなければならないものと考えるところでございます。
 ヨーロッパロシアへの展開について、今後、どのように臨んでいく考えなのか、また、今年度、どのように具体的に取り組むこととしているのか、道としての考えをお聞かせ願います。  それでは、続きまして、台湾との経済交流についてお伺いをいたします。
 さきに公表された観光入り込み客数調査の結果では、昨年度の第3・四半期までの時点での台湾から本道への入り込み客が、中堅航空会社の解散による直行便の運航停止などに伴い、やや減少しているものの、暦年ベースでは53万人を超え、全体の約4分の1を占めており、また、ホタテやナガイモ、菓子類などの輸出も拡大しており、平成28年の道産食品輸出額は36億円を超え、国・地域別では5番目の輸出額となっております。
 さらに、昨年の6月には、北海道観光振興機構などが台湾観光協会と友好提携を締結したほか、今月には、札幌商工会議所が台湾の商工団体と連携協定を締結するなど、民間の動きも着実に広がってきているところでございます。  現在、道では、グローバル戦略の策定に向けて検討を進めているところでありますが、こうした状況を踏まえれば、北海道が海外との経済交流を進める上で、台湾は最も重要な地域の一つであると受けとめているところであります。
 また、道内各地で親善協会の設立の動きが進み、地域において、台湾との交流を進める機運が高まってきている中、そうした地域の取り組みを後押しし、地域が積極的に台湾と交流を行う環境を整えていく必要があると考えるところでございます。
 今後、道として、どのように台湾との経済交流に取り組んでいく考えなのか、御所見をお聞かせ願います。
 それでは次に、2点目の、道産品の認証についてであります。
 GAP等の導入促進についてお伺いをいたします。  2020年の東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準として、農畜産物については、グローバルGAPやJGAPなどの認証が基本とされているところでありますが、国内でも、小売業界や流通業界においてGAPを商品調達の基準とする動きが高まってきているところであります。
 GAPの導入は、輸出の拡大や人材育成、農業の競争力強化においても極めて重要であり、道内でも導入の促進が求められているところでございます。
 国では、平成31年度末までに、GAP認証の取得農家などを現在の3倍以上にふやすとの目標を立て、都道府県の普及指導員やOB、JAの営農指導員に対しまして、GAPの指導員や審査員となるよう働きかけるなど、指導・啓発体制を強化して、取得を後押しする取り組みや、農業高校が授業に取り入れ、グローバルGAPなどの認証取得を通じて、技術と経営感覚を備えた人材を育成する取り組みを始めたところでございます。  また、認証の取得には、個人での取得に比べて個々の費用や事務負担の軽減が図られる団体認証があることから、農協の生産部会単位での取り組みについての働きかけも必要であると考えます。
 今後、道内の農家などにおけるGAP認証の取得拡大に向けて、どのような取り組みを進める考えなのか、道としての考えをお聞かせ願います。  それでは、続きまして、3点目の、ICTの利活用推進等について、順次お伺いをしていきます。
 近年、ICT関連の技術が急速に進展し、日々の暮らしや産業、娯楽など、さまざまな場面でインターネットやスマートフォンなどの活用が進む中、国や地方公共団体などが保有するさまざまなデータを、2次利用が可能なルールのもとで、国民や企業などに広く公開していく、いわゆるオープンデータを推進することは、行政の透明性や信頼性の向上とともに、官民協業による新たなサービスの創出が期待されるなど、さまざまな地域課題の解決につながる有効な手段になるものと考えているところでございます。
 こうした中、国においては、オープンデータの推進に向けて、昨年12月に官民データ活用推進基本法を施行するとともに、先月30日には、この法律に基づく世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を策定したところであり、データが人を豊かにする社会の実現に向けて、国や地方公共団体等のオープンデータを促進することが定められています。  少子・高齢化や人口減少が進む本道におきまして、ICTの利活用を促進し、地域の活性化につなげていくためにも、オープンデータの推進は重要であると考えますが、道として、今後、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、情報セキュリティー等の抜本的強化についてお伺いいたします。
 一昨年は日本年金機構で、昨年はJTB等におきまして、標的型攻撃メールによる個人情報の流出事案が発生しており、また、最近では、世界的規模でランサムウエアによるサイバー攻撃が発生し、世界各国で大きな被害があったと報道されており、改めて、サイバー攻撃の恐怖を感じたところでございます。
 また、間もなく、マイナンバー制度における情報連携も始まる中、行政機関が持つ個人情報の流出は、多くの国民に不安を与えるとともに、情報を扱う機関への信用を失墜させ、ひいては、社会的、経済的に甚大な損失を生じることにつながるものと考えます。
 このように、情報セキュリティーの重要性が増す中、国においては、一昨年12月、複雑巧妙化しているサイバー攻撃などにより、個人情報などの流出事案が発生した場合には、行政運営などに重大な影響が生じることから、情報セキュリティーの抜本的強化に取り組むよう、全国の自治体に対して要請を行ったものと承知しております。
 そこで、道及び市町村では、国からの要請に対して、どのような情報セキュリティー対策の抜本的強化の取り組みを行ったのか、お聞かせ願います。
 次ですが、道では、ICTの利活用推進を行財政運営方針の中で推進事項の一つとして位置づけ、情報システムの最適化や道内の自治体クラウドの拡大などに取り組んできております。
 特に、昨年度は、ICTを活用した業務の効率化と情報の共有を進めるために、新たな庁内検討組織を立ち上げ、業務効率化に関する基本的な方向について取りまとめを行い、この中で、タブレット端末の活用やサテライトオフィスの設置、さらには在宅勤務環境の整備など、最近の技術動向や職員の働き方改革の方向性も意識した先進的な取り組みを目指しており、その具体的な展開を期待するものであります。
 この取り組みの中で、既存システムの有効活用に関しては、システムの利活用の状況や課題などを点検し、さらなる利活用の促進を図るとされておりますが、道庁内で1人1パソコンが実現してから、既に相当の年月を経ており、道が日常業務でこれまで蓄積したデータは膨大なものと考えます。  多様化する道民ニーズに的確に対応するためには、施策の企画立案に際して、こうしたデータを分析し、そこから導かれる客観的な根拠をもとに、質の高い施策をスピーディーに展開していくことが必要であり、そのためには、既存のシステムやソフトウエアのさらなる利活用が重要であると考えます。
 こうした客観的な根拠に基づく施策の展開に向けた環境整備を図るため、既存システムの点検に加え、職員のICTや行政データの活用状況等についても検証し、課題を踏まえた対応を進める必要があると考えますが、今後、どのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。  それでは次に、働き方改革についてお伺いいたします。
 我が会派の同僚議員の代表格質問に対し、知事は、長時間労働の是正といった就業環境の改善や、多様な人材の活用、生産性の向上といった取り組みを進めるために、働き方改革の推進方策を策定する考えを示されたところであります。
 私は、働き方改革の中でも、特に、さまざまな事情を抱えながら、それぞれの職場で頑張っておられる方々に寄り添い、少しでも働きやすい環境を整えてあげることが就労の促進にもつながるものと考えております。  このことは、特に、若いお父さんやお母さんが安心して子どもを産み育てる環境を整える上でも重要なことであり、例えば、私の地元・千歳市では、ことし、イクボス宣言を行ったところでございます。
 また、北海道の民間でも、イクボス北海道が活動を始めたと伺っているところでございます。
 このように、上司が、イクボスとして、職場でともに働く部下のワーク・ライフ・バランスの実現のため、育児参加に関する休暇を気兼ねなく取得できるような風土を醸成していくことなどが、本道における少子化対策として重要なことであると考えます。
 子育て中の方々を初めとする多様な人材に活躍の場を提供するために、道としてどのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。  それでは次に、夜間中学について、順次お伺いしていきます。  夜間中学に関しましては、最近、テレビや新聞などでも頻繁に取り上げられるなど、世間の関心も高まってきているところであり、また、国においても、昨年、いわゆる教育機会確保法を制定し、各都道府県に最低1校は公立夜間中学を設置することを目標にするなど、設置促進のための取り組みを積極的に進めているところであります。
 その一方で、本道においては、公立夜間中学は依然として未設置となっており、道内での公立夜間中学の設置に向け、我が会派としても、これまで質疑を重ねてきている状況にございます。
 そうした中、昨年9月の北海道議会において、我が会派の同僚議員が、公立夜間中学の設置の検討を進めるため、入学を希望される方のニーズを把握する必要があるのではないかと指摘したことを受け、道教委では、自主夜間中学の生徒などに対して、公立夜間中学への就学の意向についてのアンケート調査などを行ったものと承知しておりますが、調査により、どのような結果が得られ、それをどう認識しているのか、教育長にお伺いをいたします。
 次に、教育機会確保法では、都道府県の知事及び教育委員会などを構成員とする協議会を設けて、就学の機会の提供などについて協議を行うこととされております。
 この協議会の構成員となる知事におかれましては、公立夜間中学についてどのように認識をされているのか、お聞かせ願います。
 また、道教委では、これまで、夜間中学の設置に関して、札幌市などと連携しながら検討しているものと承知しているところでございますが、このたびの調査結果を受け、道内での公立夜間中学の設置に向けて、どのように対応していくのか、あわせて見解をお伺いいたします。

知事高橋はるみ

 最初に、経済交流に関し、まず、ロシアとの交流についてでありますが、道では、これまで、サハリン州を初めとするロシア極東3地域との経済協力発展プログラムに基づき、友好促進と互恵的な経済協力の拡大に努めてきているところであり、本年度は、昨年来の首脳会談などを踏まえ、極東地域との交流を一層深化させるとともに、欧露部とも交流を始めることとしたところであります。
 このため、本年5月、ロシアビジネスや友好交流等に関心のある企業、団体などから成る北海道・ロシア地域間協力チームを立ち上げ、官民が一体となった体制を整備したところであり、私といたしましては、政府の日ロ交流推進組織と十分連携を図りながら、ロシアとの地域間交流を進めてまいる考えであります。
 次に、ヨーロッパロシア――欧露部との交流についてでありますが、私の、昨年の東方経済フォーラムや首脳会談への参加、さらには、ロシアの主要な財界の方々との会談を通じて、欧露部との経済交流はもとより、サハリン州を初め、これまでの極東地域との交流の深化を図るためにも、政治、経済の中心である欧露部の方々との関係を構築することが必要と考えます。
 このため、私といたしましては、来月、エカテリンブルクでの産業博覧会に、政府訪問団の一員として、道内の企業や関係機関とともに参画をし、食や観光、寒冷地技術に加え、IT技術を駆使したポップカルチャーといった本道の新たな魅力を発信するほか、9月に予定されている、初となるロシア中央経済界の方々の来道の際には、企業視察や本道経済界との交流の場を設けるなど、欧露部との交流の展開に向けた基盤づくりを進めてまいる考えであります。
 次に、台湾との経済交流についてでありますが、北海道ブランドの評価が高い台湾は、海外との経済交流を拡大していく上で重要な地域の一つであり、特に、全道各地で台湾との交流を進める動きが広がる中、そうした機運をより一層醸成し、幅広い地域による事業展開を促進していくことが重要であります。
 このため、道では、これまでの食や観光のプロモーションに加え、本年10月には、関係団体や地域と連携して、北海道チャレンジショップを試行的に開設し、地域の産品のマーケティングと観光情報の発信を現地において総合的に展開することにしたところであります。
 あわせて、道産品の販売に意欲的な現地の小売店とのネットワークを構築し、道内各地の企業とのマッチングを行うなど、台湾との経済交流の拡大に向け、地域の取り組みを積極的に支援してまいります。  
 次に、GAPについてでありますが、GAPの導入は、農産物の安全の確保はもとより、輸出などの拡大にもつながる取り組みであり、国では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、第三者認証によるGAP取得の促進や、日本の仕組みであるJGAPの国際規格化に向けて、取り組みを進めることとしたところと認識いたします。
 道といたしましては、我が国最大の食料供給地域として、本道の農業が将来にわたり持続的に発展していけるよう、人材育成の観点から、教育委員会と連携をし、農業高校においてGAPに対応した学習を推進するとともに、農業団体と一体となり、指導者の育成や認証に係る経費を支援する国の事業の活用を促すなどして、農協等による団体認証の取得を促進し、本道におけるGAPの普及を拡大してまいる考えであります。
 最後に、公立夜間中学についてでありますが、夜間中学は、戦後の混乱や貧困などの理由で義務教育を修了できなかった方々に義務教育の場を提供する目的で、全国の各地域に設置されており、こうした方々に加え、さまざまな事情や病気などの理由により義務教育を修了されていない方々などの教育機会の確保に係るニーズも高まってきておりますことから、国は、平成28年に、夜間中学における就学の機会の提供などについて定めた、いわゆる教育機会確保法を制定したと承知いたしております。
 道教委においては、北海道における公立夜間中学へのニーズを把握してきたところであり、道といたしましては、こうしたニーズや関係者の御意見などを踏まえながら、今後、道教委と連携して、必要な検討を進めてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

総合政策部長佐藤嘉大

 ICTの利活用の推進等に関し、まず、オープンデータの推進についてでありますが、民間事業者などにとってニーズが高い公共データを公開し、その利活用の促進を図ることは、ICTを活用して地域の活性化や産業振興につなげていく上で重要な取り組みであると考えており、道では、平成27年にオープンデータの推進に関するガイドラインを策定し、観光客の動向などの各種統計情報のほか、農地や森林の状況、さらには河川の図面などといった、道が所有する公共データの公開を進めてきたところでございます。
 こうした中、昨年12月に施行された官民データ活用推進基本法を受け、国において、全国で公共データを相互に活用するためのデータ形式の標準化や、公開すべきデータの範囲などについて、本年秋ごろに示すこととしておりまして、道といたしましては、こうした動きも踏まえながら、情報提供のさらなる充実を図るなど、オープンデータの一層の推進に取り組んでまいる考えでございます。
 次に、情報セキュリティーの強化についてでありますが、インターネットの利活用は、現在の情報化社会において欠くことのできないものとなっておりますが、一方で、最近の複雑巧妙化しているサイバー攻撃等に対する対策も喫緊の課題であると認識をしております。
 こうしたことから、道と市町村では、サイバー攻撃の侵入経路となるインターネットと行政専用のネットワークを分離するとともに、インターネットとの接続につきましても、全道の自治体等の接続経路を集約化して監視を強めるなど、情報セキュリティーの強化を図ってきているところでございます。  道といたしましては、個人情報の漏えいを防止し、外部からの攻撃を防御する情報セキュリティー対策は、不断に取り組むべき課題と考えており、引き続き、市町村とも連携を図りながら、情報セキュリティーの確保に万全を期してまいる考えでございます。 

総務部長中野祐介

庁内におけるICTの利活用の推進についてでありますけれども、今後の政策立案に当たりましては、これまで蓄積されてきた行政情報を十分に分析、解釈した上で、そこから導き出される客観的事実を踏まえることが必要であると考えておりまして、職員一人一人が情報システムを効果的に利用していくことが重要となってまいります。
 こうしたことから、今年度の政策評価におきまして、既存の情報システム、あるいは職員が作成したソフトウエアの利活用状況と課題等について点検評価を行いまして、その結果を、ICTの利活用に関する各種計画に適切に反映させるなど、より効果的なICTの利活用の推進を図ってまいることとしております。
 また、職員がこれまで実践してきた、情報システムあるいは各種統計データの効果的な活用例を把握いたしまして、優良事例の共有に努め、職員のICTの利活用についてスキルアップを促してまいりたいと考えております。

経済部長阿部啓二

 働き方改革に関し、働きやすい職場環境の整備についてでありますが、道では、あったかファミリー応援企業登録制度や、なでしこ応援企業認定制度、さらには、ほっかいどう働き方改革支援センターのアドバイザーによる相談対応などの取り組みを行うことにより、企業等に対して、仕事と家庭の両立が可能な職場環境の整備を働きかけているところでございます。
 また、子育て中の女性の就職を支援するため、マザーズ・キャリアカフェでのカウンセリングの実施や、マザーズハローワークの利用を促進しているところでございます。
 道といたしましては、今後、働き方改革の取り組みの方向性を示す推進方策を策定することとしており、こうした取り組みに加えまして、子育て中のさまざまな方々も含めた多くの人材が意欲を持って生き生きと働ける職場環境づくりを促進してまいる考えであります。

教育長柴田達夫

 夜間中学に関し、まず、公立夜間中学へのニーズについてでございますが、昨年度、11月から3月にかけて道教委が実施いたしました、公立夜間中学への就学の意向に関するアンケート調査によりますと、当時、十分な義務教育を受けられなかったなどの理由により、現在、自主夜間中学に通われている方々への調査では、回答が得られた166人のうち、87人の方が、また、不登校などによる、いわゆる義務教育の形式卒業者への調査では、回答が得られた15人のうち、10人の方が、中学校の勉強をやり直して学力を身につけたい、あるいは、読み書きができるようになりたいことなどを理由に、就学の意向を示されたところでありまして、道教委といたしましては、法令の趣旨に鑑み、こうした方々の実情に応じて、教育の機会を確保していく必要があると考えております。
 次に、今後の対応についてでございますが、道教委では、これまで、札幌市教育委員会と連携して、夜間中学に関する国の調査研究事業を実施するとともに、自主夜間中学関係者の御意見も伺いながら、夜間中学設置に当たっての課題やその解決策などについて検討を行ってきたところでございます。  今後は、このたびの調査により得られた夜間中学に対するニーズなどについて、札幌市教育委員会と認識を共有しながら、法令に定められております、夜間中学の設置等に関する連絡調整などを行うための協議会の設置について、検討を進めてまいる考えでございます。