平成30年第14回環境生活委員会

2018年11月06日

環境生活委員会にてボールパーク構想と縄文遺跡群の世界遺産登録について質問をさせて頂きました

○太田憲之委員

 私からは大きく2点について質問をしたいと思いますが、初めに、ボールパーク構想についてお伺いをしたいと思います。本年3月に北海道日本ハムファイターズのボールパーク建設候補地が北広島市に決定され、北海道としても庁内にプロジェクトチームを設置して、関係機関との協議を進めてきたところでありますが、先月31日に日本ハム株式会社と株式会社北海道日本ハムファイターズは北広島市での新球場の建設を正式に決定し、昨日、道や地元北広島市と株式会社北海道日本ハムファイターズなどの4者の間で連携協力に関する協定が結ばれたところであります。
 ボールパーク構想の実現には、交通アクセスを初め、さまざまな課題があると認識しておりますが、今回の協定について、以下、数点伺ってまいりたいと思います。まず、協定では、アクセス道路を初めとする基盤整備のほか、地域振興、スポーツや観光の振興などの幅広い分野にわたり、連携協力して取り組むこととしておりますが、この協定はどのような位置づけのものであり、協定によって、道はどのような責務を負うことになるのでしょうか。また、協定の期間が2023年3月までとなっておりますが、期間満了後は、どのような対応を考えておられるのか、あわせて考えをお聞かせ願います。

○若原スポーツ局長

 連携協定についてでございますが、昨日、道と北広島市、株式会社北海道日本ハムファイターズ、株式会社北海道ボールパークの4者で新球場による地域活性化効果の全道への波及などにつきまして、相互に連携協力して推進することの確認を目的に協定を締結したところでございます。この協定では、これまで進めてきましたアクセス道路などの基盤整備関係に加え、スポーツや観光の振興、防災拠点としての活用など、開業後のボールパークを活用しました、さまざまな地域活性化策につきまして、4者で連携協力して、検討や推進することとしたものでございます。
 また、この協定の有効期間は開業予定の2023年3月とされておりまして、期間満了後の対応につきましては、開業までの情勢等を踏まえながら検討してまいる考えでございます。

○太田憲之委員

 次に、協定では、地域活性化に関しまして、ボールパークを活用したスポーツ振興などが盛り込まれているところでありますが、北海道日本ハムファイターズの現在の取り組みを踏まえた上で、道として、今後、どのような振興策を想定しているのか、考えをお聞かせ願います。

○石丸スポーツ振興課長

 スポーツ振興についてでございますが、現在、北海道日本ハムファイターズでは、地域で野球教室などを行うスポーツキャラバン事業や、子どもたちに野球観戦の機会を提供するファイターズドリームシートの設置、ウオーキングを通じて健康増進と障がい者支援を行う「あしあと基金」などの事業を実施しているところでございます。
 また、協定で連携・協力事項となっているボールパークを活用したスポーツ振興につきましては、野球を初めとする各種スポーツ大会の開催のほか、青少年の体力づくりや高齢者の健康増進など、さまざまな取り組みが想定されることから、道といたしましては、今後、明らかとなる新球場の施設内容などを踏まえつつ、現在、球団が実施している事業とも連携を図りながら、新球場の利用方策などの検討を進めてまいる考えでございます。

○太田憲之委員

 新球場は2023年3月の開業を目指すとされておりますが、観客の輸送、交通アクセスの整備など、多くの課題がまだ残っているところであります。道は、この協定を踏まえて、ボールパーク構想の実現に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、考えをお聞かせ願います。

○渡辺環境生活部長

 今後の取り組みについてでございますが、今回の協定の締結を受けまして、道におきましては、本年4月に設置いたしました、関係部長で構成しております庁内プロジェクトチームのメンバーに新たに観光、危機管理などの部長職を加えまして、協定で推進することとした地域活性化につながる、さまざまな分野の検討や調整を行うこととしているところでございます。道といたしましては、今後とも、このプロジェクトチームや5月に設置いたしました北広島市、球団との3者協議の場などにおきまして、交通アクセスの向上や新球場を活用した地域活性化策などの検討を行いますとともに、ボールパーク構想が本道全体のさらなる活性化に結びつきますよう、北広島市や関係機関と一層連携しながら、構想の実現に向け、引き続き、必要な支援、協力を行ってまいる考えでございます。

○太田憲之委員

 るる、御答弁いただきましたが、今回の協定書を見ると、地域活性化策として、観光振興、道産食材の活用、防災拠点としての活用などの項目もあるところであります。すばらしい取り組みが盛り込まれていると思いますので、北海道として、ぜひともこの機会を有効に活用して、これを起点に今以上にもっともっとこの振興を広げていければと思いますが、基盤整備関係に関しては、この4者以外の協力が必要なところもありますので、まだ期間はありますから、そういった機関との調整も綿密に行って、必ずこのボールパーク構想を振興につなげていくようにお願いしまして、この件についての質問を終わりたいと思います。
 次に、縄文遺跡群の世界遺産登録についてお伺いをしたいと思います。菅官房長官は11月2日の会見において、今年度の世界遺産への推薦候補を自然遺産候補の奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島とすることを発表したところであります。来年2月のユネスコへの推薦書提出に向けて事務手続を進めるとともに、先月21日には、多くの方の参加を得て、赤れんが庁舎で縄文遺跡群世界遺産登録推進全道総決起大会を開催するなど、機運醸成に取り組んでいる最中の発表であり、これまでの意気込みが肩透かしに遭ったような残念な気持ちになったところでありますが、今後の推薦に向けて、速やかに行動を起こす必要があると考えますので、以下、何点かにわたって、お伺いをしていきたいと思います。
 これまでにおいても、国の文化審議会で推薦候補に選定された場合は、世界遺産条約関係省庁連絡会議や閣議了解を経て、ユネスコに推薦書が提出されていましたが、文化審議会での選定後、世界遺産推薦候補にならなかったというケースはほかにあったのでしょうか。また、今回の政府決定が今後の推薦にどのように影響してくることになるのか、お聞かせ願います。

○木村縄文世界遺産推進室長

 国内推薦候補の選定についてでありますが、文化審議会で選定された後に推薦が見送られたケースとして、平成25年度に政府の調整により、明治日本の産業革命遺産がその年度の推薦候補に決定されたため、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の推薦が見送られ、次年度の推薦候補となった事例がございます。北海道・北東北の縄文遺跡群は、今年度の推薦は見送られることになりますが、貴重で高い価値を有することがさきの文化審議会でも評価され、世界文化遺産推薦候補として選定されたところでございます。
 また、官房長官の発表におきましても、遺産の価値及び保全方策などについて、世界遺産登録への推薦に値するものとされているところでございます。道といたしましては、引き続き、北東北3県などと一層連携を強め、取り組んでまいります。

○太田憲之委員

 次に、道では、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産の登録に向けて、戦略の見直しを迫られることとなりましたが、補正予算などで予定していた今年度の機運醸成などの取り組みについて、どのように考えておられるのでしょうか。また、今後の推薦に向けて、どのように取り組んでいく考えなのか、お聞かせ願います。

渡辺環境生活部長

 今後の取り組みについてでございますが、推薦決定を獲得するため、先般、札幌市内におきまして、関係市町や団体の方々が多数参加する道内初の総決起大会を開催するなど、世界遺産登録に向けた機運は、ますます盛り上がりを見せているところでございます。
 ユネスコへの推薦を確実なものとし、早期の登録を実現するためには、空港やJRの駅などの交通拠点でのPR活動により、縄文文化の魅力や価値を国内外に広く発信し、その認知度を向上させていくことが重要と考えております。道といたしましては、引き続き、北東北3県などと一層連携を強めますとともに、国会議員による「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」世界遺産登録推進議員連盟や、縄文遺跡群の世界遺産登録を目指す北海道議会議員連盟のお力添えもいただき、国への要請活動を行うなど、さらに取り組みを強化していきたいと考えております。

○太田憲之委員

 御答弁いただきましたが、最近、道庁の周りで大きな横断幕が掲げられたり、キウス周堤墓群がある我がまち、千歳市におきましても、皆さんがバッジをつけるなど、まちの中でも機運の醸成の兆しが見えてきたところでの今回の決定であったので、残念に思うところであります。つらい思いはありますが、また次の推薦に向かって動き出さないと、せっかくともった灯が消えてしまうことになりますので、引き続き、関係者が一丸となって、この灯を絶やさず、活動していただきたいと思います。
 我々も一丸となって協力しますので、どうか最後まで、ともに頑張っていただきますことをお願いし、私からの質問を終わります。